DMDとは? わかりやすく解説

ディー‐エム‐ディー【DMD】


DMD

読み方ディー・エム・ディー
英文正式名Deputy Managing Director
日本名(略称):副専務理事

IMFの専務理事補佐役。現在は、クルーガー第1DMD、カーステンスDMD、加藤DMD、の合計3名。

※この記事は「財務省」ホームページ内の「国際関係略語集」の2008年10月現在の情報を転載しております。

2,2′‐[1,2‐プロパンジイルビス(ニトリロメチリジン)]ビスフェノール

分子式C17H18N2O2
その他の名称クバン80、テナメン60、DMD、Cuvan-80、Tenamene-60、ケロメットMD、Keromet MD、2,2'-[(1-Methylethylene)bis(nitrilomethylidyne)]bisphenol、N,N'-Bis(2-hydroxybenzylidene)-1,2-propanediamine、N,N'-Disalicylidene-1,2-propanediamine、2,2'-[(Propane-1,2-diyl)bis(nitrilomethylidyne)]bisphenol、D-1655、2,2'-[1,2-Propanediylbis(nitrilomethylidyne)]bisphenol、サルプン、Salpn、N,N'-Disalicylidenepropane-1,2-diamine、2,2'-(1-Methyl-1,2-ethanediyl)bis(nitrilomethylidyne)bisphenol、2,2'-[Propylenebis(nitrilomethylidyne)]bisphenol、2,2'-[(Propane-1,2-diyl)bisnitrilomethylidyne]bisphenol、2,2'-(Propylenebisnitrilomethylidyne)bisphenol、2-[[2-[(2-Hydroxybenzylidene)amino]propyl]iminomethyl]phenol、N,N'-Bis(2-hydroxybenzylidene)propane-1,2-diamine、2,2'-(Propane-1,2-diyl)bis(nitrilomethylidyne)bisphenol
体系名:N,N'-ビス(サリチリデン)-1,2-プロパンジアミン、2,2'-[(1-メチルエチレン)ビス(ニトリロメチリジン)]ビスフェノール、N,N'-ビス(2-ヒドロキシベンジリデン)-1,2-プロパンジアミン、N,N'-ジサリチリデン-1,2-プロパンジアミン、2,2'-[(プロパン-1,2-ジイル)ビス(ニトリロメチリジン)]ビスフェノール、2,2'-[1,2-プロパンジイルビス(ニトリロメチリジン)]ビスフェノール、N,N'-ジサリチリデンプロパン-1,2-ジアミン、2,2'-(1-メチル-1,2-エタンジイル)ビス(ニトリロメチリジン)ビスフェノール、2,2'-[プロピレンビス(ニトリロメチリジン)]ビスフェノール、2,2'-[(プロパン-1,2-ジイル)ビスニトリロメチリジン]ビスフェノール、2,2'-(プロピレンビスニトリロメチリジン)ビスフェノール、2-[[2-[(2-ヒドロキシベンジリデン)アミノ]プロピル]イミノメチル]フェノール、N,N'-ビス(2-ヒドロキシベンジリデン)プロパン-1,2-ジアミン、2,2'-(プロパン-1,2-ジイル)ビス(ニトリロメチリジン)ビスフェノール


デュシェンヌ型筋ジストロフィー

同義/類義語:ベッカー型筋ジストロフィー
英訳・(英)同義/類義語:DMD , Duchenne muscular dystrophy, Duchenne muscular dystrophy

ジストロフィンタンパク質を指令するX染色体上のDMD遺伝変異による劣性疾患で、骨格筋心筋変成起こすベッカー型筋ジストロフィーは同じ遺伝子変異による軽症型。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー

a.病因病態病理
本症はX連鎖性染色体劣性遺伝をとるため、患者男児限られます。同じ様な遺伝形式をとる病気血友病色盲あります母親遺伝子に異常(変異をもっていて、それが男の子に伝わることが多いのです。しかし、母親遺伝子変異をもっているとは限りません。この病気突然変異率が高いので、お子さん遺伝子突然変異があり、お母さんには変異がないことがまれではありません。お母さんの約1/3は変異がありません。
まれに染色体異常X染色体常染色体の相互転座Turner症候群)があると、女性同様な症状とります。また女性保因者女性遺伝子の異常を持っている人)も、まれですが血液CK値が高かったり、軽い筋肉の力が弱かったりします
この病気起こす遺伝子はどこにあって、その遺伝子変異があるとどのような蛋白欠損するか明らかになっています。遺伝子のある場所はX染色体短腕Xp21)にあります。この遺伝子分子量427kDの蛋白ジストロフィン命名されています)をコードしています。ジストロフィン遺伝子クローニングされ、それはcDNAで14kbあって、79エクソンからなっています。患者さんではこのジストロフィン遺伝子変異があり、ジストロフィン蛋白生成されないのです。患者さんの5060%はジストロフィkン遺伝子欠失遺伝子欠けていて短い)、約10%重複遺伝子重なって長くなっている)です。残り3040%は多分点変異DNA一個間違っているような一塩置換など)と考えられています。 最も多い欠失は、3塩基づつの読みにずれがある(out of frame)欠失(正常では塩基3個で一つアミノ酸できます。3個の組み合わせがずれるので、めちゃくちゃなアミノ酸ができるのです)です。それだけでなく、欠失部以下にもう蛋白作るのを止めなさいというストップ命令コドン)が働き不完全な蛋白生成されます。それは不安定で、すぐに分解される考えられています。ですからデュシェンヌ型ではジストロフィン蛋白はまった作られません。
ジストロフィン蛋白筋細胞直下局在していて、ジストロフィン結合蛋白結合してます。ジストロフィン細長い棒状構造をしていると考えられています(図6)。
図6:ジストロフィンとジストロフィン結合蛋白の関係
図6:ジストロフィンジストロフィン結合蛋白の関係
この図は筋細胞膜(基底膜形質膜の2重膜からなる)の一部拡大した分子モデルの図である。
20DAPはサルコスパンとよばれている。DGジストログリカンSG:サルコグリカン

5’側(ジストロフィンの頭の部分)は細胞膜しっかりと強固に保つ、アクチンという細い糸と結合する部位(actin binding domain)で、それに続いて3重らせん構造をとる桿状部分(rod domain)が続いてます。それはさらにシスティンに富む部分(cysteine-rich domain)、C端(carboxyl terminal)へと続いてます。図6のようにジストロフィン分子はcysteine-rich domainのところでジストロフィン結合蛋白のβジストログリカン(β-dystroglycan)と結合してます。ジストロフィンアクチンという細い線維一緒になって膜を補強するものです(細胞膜しっかりと裏打ち構造をするもので細胞骨格いいます)。
患者さんではこのジストロフィンは全く欠損してます。それは抗ジストロフィン抗体免疫染色をすると、正常では筋細胞膜に局在するジストロフィンが全く染色されないことから容易に判定でき(図7)、本症の診断用に使用されています。細胞膜しっかりと安定させているジストロフィン蛋白がないので、細胞膜弱く、すぐにシャボン玉のようにこわれるのでしょう
図7:ジストロフィン抗体による免疫染色正常筋(左)では筋細胞膜にジストロフィン存在するので、膜の部分蛍光発し染色されている。
デュシェンヌ型(右)ではジストロフィンがないので、まったく染色されていない
図7:ジストロフィン抗体による免疫染色
患者さんの骨格筋生検してみますと、筋線維活発な壊死活発な再生をみます(図8)。筋細胞膜がひ弱なため、細胞の外にある高濃度カルシウムCa)が細胞内逆流して線維変性起こす考えられています。高濃度カルシウム細胞内に入ると、筋線維はぎゅうっと縮みあがり、特殊な酵素(たとえばカルパイン)、で溶かされどろどろになるのです。でもその「どろどろ」を食べてきれいにする細胞貪食細胞マクロファージ)が細胞内きれいにしてくれます
図8:デュシェンヌ型筋ジストロフィーの筋病理-1筋線維大小不同壊死線維(この図の中央にあって溶けたような胞体をもっている)(矢印)をみる。
壊死線維には大型をもつマクロファージ侵入している。
図8:デュシェンヌ型筋ジストロフィーの筋病理-1

筋ジストロフィーみられる沢山の再生線維中央にみえる青み帯びた小さな線維(→)
で、デュシェンヌ型では筋線維平均15%は再生途上筋である。

マクロファージ掃除されきれいになった壊死細胞には続いて再生が起こる。病気が進むと筋線維著明減少し結合織脂肪織置換されてしまう。こうなると力は弱く関節硬くなり、伸びなくなってしまう。
図9:デュシェンヌ型筋ジストロフィーの筋病理-2
図9:デュシェンヌ型筋ジストロフィーの筋病理-2


b.臨床症状
本症の頻度男児出生3、300人に1人人口10万人に3ー5人くらいの患者さんがいるといわれています。人種差はなく、あらあゆる国に患者さんがいます。
従来は3ー5歳頃、走れない、転びやすい、階段昇降困難で気付かれることが多かったのです。しかし最近では、乳児期他の疾患(たとえば風邪をひいたとか)での検査中に偶然高CK血症で見いだされることが多くなりましたた。乳児期から追跡する歩行開始遅延1歳カ月以降歩行開始)が3050%いること、歩行開始時にはすでに筋力低下立ち上がり方の異常)がみられることから、乳児期にもすでに異常があるお子さんがいるようです
初期上記のように転びやすい、走れないなど歩行に関する異常が最も多くみられます。また筋肉の力が明らかに弱くなると、そん居の姿勢から立ち上がるとき、床に手をつき、臀部高く挙げて立つようになります健康なお子さんは、しゃがんだ位置からすっと垂直に立ち上がります。さらに筋肉の力が弱くなると、手を床に着き、つぎに膝に手を交互にあてて立つ、いわゆる登はん性起立(Gowers徴候)をみるようになります
(図10)。

腰の筋力低下があるため、床から起立する時、まず床に手をついて、お尻高くあげる(a)
次にひざに手をあてて、手の力を借りて立ち上がる(b)
ふくらはぎ太く偽性肥大示している。
この偽性肥大デュシェンヌ型ベッカー型特徴的である。
図10: 登はん性起立(Gowers徴候)
10: 登はん性起立(Gowers徴候)

さらに進行すると、何かものにつかまらない立てなくなり10歳前後歩行不能となり、車椅子生活となります次第寝返りにも人の介助が必要となり、20歳前後で、呼吸筋の力が弱くなるため、人工呼吸器助けが必要となります。むかしは人工呼吸器がなかったので、患者さんは20歳以前死亡していました。でも今は40歳まで生きる方がでてきました医療機器進歩で、患者さんの生命もっともっと伸びるでしょう
筋萎縮見た目筋肉細くなる)は病初期にはあまり目立たちません。むしろふくらはぎ異常に太いのが特徴的で、これは仮(偽)性肥大(pseudohypertrophy)とよばれてます。この筋の肥大は肩や、頬筋舌筋にもみられます。ふくらはぎ肥大デュシェンヌ型次に述べベッカー型では、ほとんどの患者さんが経験する病気特徴的所見です。
病気進行すると、筋萎縮躯幹近位筋(大腿上腕躯幹筋)に著明みられるようになります歩行時には関節拘縮関節伸展悪くなることです)はアキレス腱短縮による尖足のみですが、歩行不能となった時点から、股関節膝関節などに広がっていきます脊柱変形手指顎関節など全身関節拘縮をみるようになるのです。腱反射アキレス腱反射除いて減弱ないし消失します(図11)。
図11:車イス生活になったデュシェンヌ型筋ジストロフィーのT君と筆者足の関節拘縮している。

T君は今人呼吸器をつけているが、亜細亜大学法学部通学し勉強しているファイトあふれる青年(この写真掲載はT君の許可得たものです)。
11:車イス生活になったデュシェンヌ型筋ジストロフィーのT君と筆者
c.治療
現在のところ病気進行とめたり筋力回復するような根本的治療法みつかっていません。でも、病気進行遅らせるさまざまな試みなされてます。

その一つとして副腎皮質ホルモン投与試みられています。副作用出ない少量投与でよい結果出てます。 わたしはデュボビッツ(Dubowitz)先生方法毎月10日間だけプレドニゾロン0.75mg/Kg/日投与20日間休)をとっています。 これですと副作用が出る人はごくまれです。副作用もほっぺがふっくらとする程度です。 中にはとても効果があって、5年らい病気の進行がなくなる人もいます。 でも、効果はっきりしない人もいます。アメリカ調査では副腎皮質ホルモン治療受けた人は歩行期間が2年延長するとのことです。
最近アメリカ神経学会、小児神経学会では多く患者治験をしたところ、最初はプレドニソン0.75mg/Kg/日の連日投与から開始することがもっとも有効であったとして、推薦してます。副作用出てきたら、0.3mg/Kg/日に減量します。(http://www.aan.com/professionals/practice/pdfs/DMD_Guideline_Physicians.pdf)。 この量ですと、日本人には量が多すぎて、副作用が出る可能性が強いと思います日本人用のスタンダード欲しいです

デュシェンヌ型では筋力低下関節拘縮進行するので、それを少しでも防ぐためのリハビリテーションが行われ、効果をあげています。 また呼吸不全をみるようになった場合鼻マスクによる人工呼吸器(nasal:noninvasive intermittent positive pressure: NIPP)の使用、あるいは気管切開による人工呼吸器使用が行われ、患者さんの延命効果大きく寄与しています。 心不全徴候みられるようになった患者さんには、アンジオテンシン変換酵素阻害剤ACE阻害剤)、ベーターブロッカージギタリス剤、利尿剤組み合わせた治療が行われていて、とてもよい結果をえています。 いろいろな薬物治療呼吸管理などで、患者さんの生命予後飛躍的によくなっています。

遺伝子治療mdxマウスジストロフィン欠損している筋ジストロフィーマウス)を使用して行われてます。 現在アデノウィルスDNAベクターDNA細胞内への運びやさん)にして、ジストロフィン遺伝子一部あるいは全長挿入され、筋内投与が行われています。 投与部にはジストロフィン陽性線維増加し筋線維壊死抑制がみられています。ただし、1回投与での効果持続性短く、再投与での効果乏しいことが欠点とされています。 でもアデノウィルスベクターに変わるベクター(たとえばアデノウィルス随伴ウィルスベクター)なども開発されています。 遺伝子治療はよいベクター開発かかってます。科学進歩すばらしいです原因がまったく分からなかったデュシェンヌ型筋ジストロフィーの遺伝子クローニングされたのが1986年です。 最近学問進歩には目を見張るものがあります根本治療遺伝子治療への時代突入したのです。
遺伝子治療については別に国立精神・神経センター神経研究所 遺伝子治療研究部 武田伸一部長解説いただいてます。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する分子治療のこころみ

DMD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/23 10:05 UTC 版)

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※この記事は「財務省」ホームページ内の「国際関係略語集」の2008年10月現在の情報を転載しております。
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