ノロウイルスとは? わかりやすく解説

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ノロウイルス【Norovirus】

読み方:のろういるす

感染性胃腸炎食中毒原因となるウイルスの一種。生ガキハマグリなどの二枚貝を介して感染することが多く感染者糞便嘔吐物から経口感染することもある。冬季流行みられる


ノロウイルス

ノロウイルスは、ヒト感染し胃腸炎起こすウイルスの一種です。一年通して発生していますが、特に冬季流行します。潜伏期間2448時間症状は1~2日とされています。子供高齢者脱水症状注意要します貝類体内ウイルス蓄積しやすく、特にカキは生で食されるため感染源になることもあります感染者の便や吐物には多量ウイルス含まれていて、二次感染防止が重要となります消毒には85、1分以上の加熱次亜塩素酸ナトリウムが有効です。治療には下痢止めなどが使われますが、ウイルスの排出抑えて快復遅らせるという説もありますワクチンはまだありません。  1968年米国ノーウォーク発見されたため最初ノーウォークウイルスNorwalk virus)と呼ばれていましたが、2002年からはノロウイルス(Norovirus)と名前が変わりました。この科にはノロサポラゴベシの4属があり、ヒト感染性は前2者です。ヒト感染性のものは培養系が確立されていないため、検査治療方法に関する研究が、他のウイルスより遅れてます。


ノロウイルス

冬季中心に年間通して胃腸炎起こします以前小型球形ウイルス呼ばれていました
特徴手指食品などを介して感染しおう吐下痢腹痛などを起こすノロウイルスによる食中毒事例では、原因食品判明していないものが多く、その中には食品取扱を介して二次的に食品汚染されることが多いのも特徴その他の原因としては、貝類二枚貝)がある。少量ウイルスでも発症し通常の殺菌・消毒使用されるアルコールなどはあまり効果がない。
食中毒症状潜伏期2448 時間主症状は、下痢嘔吐吐き気腹痛38 以下の発熱
過去食中毒原因食品貝類二枚貝等)。調理従業者からの二次汚染によるサンドイ ッチなど。感染事例近年増加傾向にあり、食品原因とするものに加え食品介さない感染ヒトヒト感染)も報告されている。
対策二枚貝中心部まで充分に加熱する85 、1 分以上)。野菜などの生鮮食品充分に洗浄する手指をよく洗浄する食品取り扱う際は十分に注意し手洗い徹底する調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム塩素濃度 200 ppm)で浸すように拭くか、あるいは熱湯85 以上) で1分以上の加熱が有効。

ノロウイルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 13:38 UTC 版)

ノロウイルス英語: Norovirus)は、もっとも一般的な胃腸炎の原因である[1][6]。感染者の症状は、非血性下痢嘔吐胃痛が特徴である[2][3]。発熱や頭痛も発生する可能性がある[2]。症状は、通常ウイルス曝露後12〜48時間で発症し、回復は通常1〜3日以内である[2]。合併症はまれだが、特に若人、年配者、他の健康上の問題を抱えている人では、脱水症状が起こることがある[2]。ノロウイルス属による集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生している。「NV」や「NoV」と略される。俗称は「冬の嘔吐虫(Winter vomiting bug)」[1]


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