しつらくえん〔シツラクヱン〕【失楽園】
しつらくえん 【失楽園】
失楽園
失楽園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 01:20 UTC 版)
英領シンガポールの中でも格式高く『最上の楽園』と称されるホテル、ラッフルズ・ホテルに宿泊していた米海軍士官マイケル・キャンベルは、ホテル内にあるバーで大いに悩んでいた。彼は半年前に領事館付武官として赴任してきたのだが、その時ホテルロビーで見かけた美しい女性、ジュリア・オルセンに一目惚れし、アメリカ人特有の無神経さと厚かましさを駆使して猛然と言い寄った末に交際にこぎつけ結婚の約束までしていたのだが、そのジュリアが昨夜発生した英国人実業家死亡事件の容疑者になってしまったのである。亡くなったのは同じホテルの宿泊者で大規模なゴム農園経営者のジョセフ・ブラントで、中庭の隅に倒れている所をホテル内を巡回していたバトラーに発見された。ブラントは酒癖がかなり悪く他の常連客からは敬遠されており、当初彼の死因が頚椎損傷だった事と、死体があった真上の二階回廊の手摺りにウイスキーボトルとグラスがあった事から、酔った末に誤って転落した事故死と片付けられるはずだった所へ父親に付き添われたジュリアが出頭し、「あの日。友人のもとを訪れた帰り道に柱の影から何者かに腕を掴まれ、驚いて手を振り払い逃げ出してしまった。あの時相手の顔はよく見えなかったのだが、後日事件の話を聞きつけ、もしかしたらそれはブラントだったのではないかという疑念に行き着いた」と話した。キャンベルは慌てて警察署へ赴き面会を頼むがけんもほろろに追い返されてしまい、愛する人ひとり救えないもどかしさと以前視察で訪れた、後に彼女が追いやられるであろう不衛生な刑務所の光景を思い出し絶望的な状況の中にいたところへカウンターにいたバーテンダーから、「あるお客様から、当ホテルで飲んだというカクテル『シンガポール・スリング』のリクエストを頂いたが、肝心のオリジナルレシピがもう無いため、考案として試飲をお願いしたい」と声をかけられる。キャンベルは言われるがままに飲みながらあれこれ意見を述べていくと、彼は御礼としてブラントが “サイン嫌い” (要は前払い主義) である事と悪ふざけ好きな事、そして一風変わった楽天的平和手記だった為、あの日はそれで誰かと口論していたらしい事を告げると、ブラントの飲み仲間だというトムソン元准将を紹介する。トムソンによるとブラントの口論相手はリチャード・パーカー大尉で、彼は昨日の昼過ぎから地元の実業家達を相手に、日本軍にスパイ養成機関ーD機関ーが設立されたと言う噂を理由にシンガポール防衛ライン建設の為の労働者提供を訴えていたがブラントを筆頭に全員から一笑されたのだという。それを聞いたキャンベルは、あの日ブラントはジュリアに振り払われた所を偶然パーカーに見られて英国人のプライドを傷つけられ口論になり、揉み合いの末に死亡して転落死したように偽装されたのではないかと仮説を立てる。そしてパーカーの元へ赴き彼を問い詰めると、軍人としてシンガポールに侵攻するであろう日本軍の脅威に備えなくてはならないからそんな事に構ってる暇はない。と一蹴する。そこでキャンベルがブラントが倒れていた場所でパーカーの指紋がついた万年筆を見つけた事を話すと、彼は茫然としたままキャンベルがあらかじめ待機させていた警官に連行されていった。そして警察署で観念したのかキャンベルの仮説通りの証言をし、ジュリアは晴れて無罪放免となりキャンベルは安堵した……のだが、彼女を待っている間に子供のゴムボールを使った悪戯に出くわした途端、頭を殴られたような衝撃を受ける。
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失楽園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 01:20 UTC 版)
マイケル・キャンベル 米海軍士官。「ラッフルズ・ホテル」の宿泊者。 ロビーで見かけたジュリアに一目惚れし、熱烈に口説き落として恋人にする。しかしその後、偶然から容疑者になってしまった彼女を助けるため、事件解決に奔走していた所をD機関に利用される。 ジュリア・オルセン 「ラッフルズ・ホテル」の宿泊者。キャンベルの恋人。鉱山技師をしているデンマーク人の父とシャム人の母をもつハーフ。 事故とはいえブラント転落死事件の真犯人だったが、D機関に利用されたキャンベルの奔走により釈放される。 バーテンダー D機関のメンバー。「ラッフルズ・ホテル」にあるロング・バーのバーテンダーとして潜入する。 日本を警戒するパーカーを追い出すため、カクテルの試飲という名目でブラントに彼が犯人となる様に「偽の仮説」を吹き込み、なおかつパーカーの指紋を写した万年筆を偽の証拠として提出させる。 ジョセフ・ブラント 英国人実業家。「ラッフルズ・ホテル」の宿泊者。 極度の悪ふざけ好きで “サイン嫌い” かつ酒癖が悪く、常連客からは敬遠されていた。 悪戯心からパーカーにわざと喧嘩をふっかけ、倒れた際脇にゴムボールを挟んだ『死んだフリ』をして狼狽する彼をからかってやろうと思っていたが、パーカーが立ち去った直後にやって来たジュリアにふとした拍子から突き飛ばされ転落死する。 リチャード・パーカー 英国陸軍大尉。「ラッフルズ・ホテル」の宿泊者。現実主義者で日本を警戒していた。 悪戯とは知らずにブラントを口論の末に殺害してしまったという思い込みを利用され、D機関の策略とキャンベルにより偽の犯人に仕立てあげられる。 トムソン 元英国海軍准将。「ラッフルズ・ホテル」の宿泊者。キャンベルにブラントの悪ふざけ振りと、口論相手のパーカーについて教える。
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失楽園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/20 14:31 UTC 版)
英国の叙情詩『失楽園』(ミルトン、1667~1688年)に登場する、地獄の首都パンデモニウム(en:Pandemonium、ギリシア語: πανδαιμόνιον)の訳語。万魔殿とも訳出される。
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