エナメル【enamel】
エナメル
エナメル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 03:00 UTC 版)
エナメル(英:enamel、仏:émail、伊:smalto)とは顔料を含む塗料の総称。フランス語ではエマイユ、イタリア語ではスマルトと呼び、英語のエナメルは古代フランス語のesmaillerあるいは中世初期のラテン語smaltumを語源とする。smaltumはフランク語のsmaltを語源としており、これは呉須(陶器の染め付けに用いる鉱物質の顔料で、酸化コバルトを主成分に鉄・マンガン・ニッケル等と含み、還元炎によって藍青ないし紫青に発色する[1])を意味する。釉薬としてのエナメルはツタンカーメンの宝物など古代エジプトから利用されており、ビサンティン帝国時代に洗練され、11~12世紀にモザン地方やリモージュを中心として聖器制作に用いられた[2]。これとは別に、エナメルのような光沢をもつ塗料で外観を変える事を「エナメル」と呼ぶ事例はジョン・ミルトンの1667年の失楽園(第9本)に発見でき、これは転用とみられている[3]。
- 陶磁器の釉薬のこと(porcelain enamel)。
- 金属表面を釉薬と同等の材料で加工すること。(vitreous enamel)美術の技法としては七宝(Champlevé、Cloisonnéなど)、工業製法としては琺瑯を指す。
- エナメル塗料のこと。金属看板や皮革製品(いわゆる「エナメルの靴」)などに用い上記と同様の光沢をだす。加工した状態を指すこともある。(enamel paint)
- 日本の塗料の分類(JIS規格等)では、透明な塗膜を形成するワニス(クリヤー)に顔料を加えて作られた、有色不透明な塗料全般を表す。例えば有色のラッカー塗料は「ラッカーエナメル」と呼ばれる。
- 歯質の一種、エナメル質(tooth enamel)。
- ネイル・エナメルは爪に光沢と彩を加える化粧品、マニキュア。
- エナメル線 - エナメル塗料による被覆で絶縁した電線。電線#被覆による分類を参照。
- 鞄や靴などにもある、光沢を出しているもの。主な素材は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンである。ただし、表面が、ざらざらしているものもある。最近では、スポーツバッグにも採用している。
- ENAMEL (杏子のアルバム) - 杏子 (ミュージシャン)の2008年のアルバム
- 上記アルバムの表題曲
- ENAMEL (シドの曲) - シド (バンド)の2014年のシングル
脚注
エナメル
「 エナメル」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女は爪にむらなくエナメルを塗った
- 私はエナメルで出来たパンツが欲しい。
- 私はエナメルのような光沢のあるパンツが欲しい。
- エナメル革.
- 金属で領域を切り離し、有色のエナメルで満たして発火させる
- 輝いている白エナメル
- エナメル・カバーをつける
- これらのエナメル革の靴はすり切れていた
- エナメルによりコートする、はめ込むまたは、の表面
- 特定の魚類(特に硬鱗魚類)の真皮から分泌され、鱗の外側の層を構成するエナメルに似た光沢のある物質
- 爪に色を付けたり光沢を持たせるための速乾性の化粧用のエナメル液
- エナメル塗装されたまたはラッカーを塗られた金物(通常、金めっきされて、精巧にペイントされる)
- 通例白いエナメル仕上げの大型の家電製品(冷蔵庫や洗濯機など)
- 歯肉の上のエナメル質に覆われた歯の部分
- 歯のエナメルが発達する細胞
- 歯のエナメル質を形成する発達上の過程
- 綿の染色やエナメルやワニスの生成に用いられる、有毒の白い固体(Pb[CH3CO]2)
- エナメルワークという装飾加工
- ネールエナメルという化粧品
- エナメル革という,光沢のあるなめらかな表面をもつ革
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