PostScriptフォント
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フォントの種類
Type 0
Type 0はPostScript Language Reference Manual, 2nd Editionに記述されているように、「合成」フォント形式である。合成フォントは複数の子孫フォントを参照する高レベルフォントからなる。
- OCF (Original Composite Font) 形式 (Type 0のファイル構造を使う) は大きな文字集合を持つフォントをサポートするために設計した形式。その後、複雑なアジア言語の符号化の問題を解決するため、より柔軟な構造を持つCID形式へとフォントフォーマットを移行する。
- 詳細は「OCFフォント」を参照
Type 1
拡張子 | |
---|---|
タイプコード | |
開発者 | アドビシステムズ |
種別 | PostScriptアウトラインフォント |
拡張 | .otf (OpenType PostScript). |
国際標準 | ISO 9541 |
Type 1 (別名PostScript、PostScript Type 1, PS1、T1もしくはAdobe Type 1) は1バイト欧文フォントのためにAdobe Type ManagerソフトウェアとPostScriptプリンタで使われるフォント形式である。フォントヒンティングのサポートが可能である。
当初はプロプライエタリな仕様であったが、アドビはすべてのType 1フォントが遵守しなければならないという条件付きで、サードパーティのフォント製造業者に仕様を開示した。
歴史
Type 1はアウトライン情報のみを格納するよう効率的にPSシステムを単純化したものであり、完全な言語ではなかった (この点はPDFも同様である)。アドビはそれからType 1テクノロジのライセンスを極めて高額だが、ヒンティングのサポートを付け加えて売った。Type 1のより安価な実装であるType 3フォントはPostScript言語の洗練された機能すべてを使えたが、ヒンティングのための標準化された手段がなかった。その他の違いがさらに混乱を増やした。
この時点ではライセンス価格は非常に高額であると考えられており、アドビは値引きに頑として応じなかった。この問題によりアップルは独自のシステムであるTrueTypeを1991年ごろに設計した。TrueTypeがアナウンスされると直ちに、アドビはType 1フォント形式の仕様を公開した。Altsys社のFontographer (1995年1月にマクロメディアに買収され、2005年5月からFontLabに保有された) のような小売されるツールにはType 1フォントの作成機能が追加された。それ以降、多くのフリーのType 1フォントがリリースされた。たとえば、TeX組版システムで使われるフォントがこの形式で利用可能である。
テクノロジ
PostScript (PS) 言語を使うことにより、グリフは (TrueTypeの2次曲線とは対照的に) 3次ベジェ曲線で記述され、そしてそれゆえ1つのセットのグリフを単純な数学的変換を通してサイズ変更し、PostScript対応のプリンタに送ることができる。Type 1のデータはビットマップ画像ではなくグリフのアウトラインを記述しているので、Type 1フォントはよく「アウトラインフォント」と呼ばれる。これらの書体を電子ディスプレイ上で事前に確認したい利用者のために、フォントの小型版は余分なヒントとアンチエイリアスによって画面上で見やすくきれいに表示する必要がある。このためにしばしば追加されたのが、画面表示のために最適化された同じ書体のビットマップフォント形式であった。さもなければ、Type 1フォントを組版アプリケーションでプレビューするためには、Adobe Type Managerが必要だった。
Type 2
Type 2は、アウトラインフォントファイルにおける文字記述の手続きにコンパクトな表現を提供する、character string形式である。この形式は Compact Font Format (CFF) と組み合わせて使うように設計されている。CFF/Type2形式はType 1 OpenTypeフォントの基礎であり、Acrobat 3.0 PDFファイル (PDF形式バージョン1.2) へのフォント埋め込みに使われる。
Type 3
Type 3フォント (別名、PostScript Type 3、PS3、T3もしくはAdobe Type 3) はサブセットではなく完全なPostScript言語を使って定義されたグリフからなる。これにより、Type 3フォントはType 1フォントでは不可能なシェーディング、色、フィルパターンの指定などが行える。しかしながら、ヒンティングはサポートしていない。Adobe Type ManagerはType 3フォントをサポートしない。
Type 4
Type 4はプリンタフォントカートリッジとプリンタのハードディスク上の永続的なストレージ用のフォントを作るために使われた形式である。文字の記述はType 1形式で表現される。アドビはこのプロプライエタリな形式を文書化していない。
Type 5
Type 5はType 4形式に似ているが、PostScriptプリンタのROMへ格納されるフォントのために使われる。CROMフォント (圧縮ROMフォント) という別名でも知られている。
Types 9, 10, 11
Ghostscriptはアドビの補足文書に記されているCIDフォントType 0, 1, 2をそれぞれこう呼んでいた。Type 9, 10, 11はそれぞれType 1, 3, 42を格納するためのCIDフォントである。
Type 14
Type 14、もしくはChameleonフォント形式は、多数のフォントを少量の格納空間で表現するために使われる。Chameleonフォントのコアセットは1つのMaster Fontと、特定の書体の望んだ字形の集合を与えるためにMaster Fontを補正する方法を指定したフォント記述子の集合からなる。
アドビはType 14形式を文書化していない。
Type 32
Type 32はバージョン番号2016かそれ以降のPostScriptインタプリタにビットマップフォントをダウンロードするために使われる。ビットマップ文字は直接インタプリタのフォントキャッシュへ転送され、そのためプリンタのメモリを節約できる。
Type 42
Type 42フォント形式はPostScriptファイル形式に埋め込まれたTrueTypeフォントである。これによりTrueTypeラスタライザを含むPostScript対応プリンタが可能になる。PostScriptインタプリタにはバージョン2010でオプション機能として初めて実装された。複数バイトCJK TrueTypeフォントのサポートはバージョン2015で追加された。
ファイル形式
CID
CIDフォント (英語: CID Font、別名CID-keyed Font、CID-based Font) は多数のグリフを扱うために設計されたPostScriptフォントファイル形式である。欧文以外の文字集合はほとんどの欧文フォント (Identity-HとIdentity-Vフォントも含まれる) を作り上げる欧文書体より多くの文字を含むので、それらをサポートするために開発された。
アドビは複雑なアジア言語 (CJK) の符号化と非常に大きな文字集合の問題を取り扱うOCF/Type 0フォントの問題を解決するためにCIDフォント形式を開発した。
CIDフォント形式標準Type 1フォント形式と組み合わせてCIDフォントで、もしくはType 2と組み合わせてCID-keyed OpenTypeフォントで使うことができる。
Compact Font Format
Compact Font Format (別名CFFフォント形式、Type 2フォント形式、もしくはCFF/Type 2フォント形式) は複数引数のオペレータ、各種の定義済みデフォルト値、符号化された値のより効率的な割り当ておよびにFontSet (フォントのファミリ) 間で共有されるサブルーチンを使うことにより、Type 1より少ない格納空間を使うように設計されている。OpenTypeフォントはCFFテーブルにグリフのアウトラインを含むこともできる。
CFFはType 2 charstring形式と組み合わせて使うように設計されている。CFFはType 1 OpenTypeフォント形式の基礎となっている。
CFFフォントはPDFバージョン1.2から、PDFファイルに埋め込むことができるようになった。Type 2 charstringフォント形式とCIDフォント形式は、ともにCID-keyed OpenTypeフォントのために使うことができる。
Type 1フォントは品質を一切落とすことなしに、CFF/Type2形式に変換し、またType 1に戻すことができる。
マルチプルマスター
マルチプルマスターフォント (もしくはMMフォント) は、アドビシステムズのType 1 PostScriptフォントの拡張である (であった)。現在ではOpenTypeの出現によりほとんどとってかわられた。マルチプルマスターフォントは1つかそれ以上の「マスター」 — すなわち、オリジナルのフォントスタイル — を含み、利用者がそれらのフォントスタイルをに連続する範囲の「軸」に沿って織り交ぜることを可能にする。
OpenType
PostScriptのグリフデータはOpenTypeフォントファイルに埋め込むことができるが、OpenTypeフォントはPostScriptアウトラインを使うものに限られない。
Adobe Font Metrics
Adobe Font Metrics (AFM) ファイルは一般的なフォント情報とフォントメトリック情報を含む。AFMファイルは通常Unix環境でのみ直接使われる。
Printer Font ASCII
Printer Font ASCII (PFA) はASCIIバージョンのPFBで、通常ファイル名に".PFA"という拡張子が付く。フォントの字形データを含む。PFAはPostScript言語のインタプリタが使うフォントの形式であり、UNIX環境で使われるType 1フォントの推奨される形式でもある。
Printer Font Binary
Printer Font Binary (PFB) はアドビが作成したバイナリPostScriptフォント形式であり、通常ファイル名に".PFB"という拡張子が付く。フォントの字形データを含む。
Printer Font Metric
Printer Font Metric (PFM) はバイナリ版のAFMであり、通常ファイル名に".PFM"という拡張子が付く。フォントのメトリック情報を含む。
.INF
.inf (INFormation) ファイルはWindowsやDOSベースのアプリケーションにおけるフォントメニューでの名前など、アプリケーション固有の情報をプレーンASCIIテキストで含む。フォントがWindowsにインストールされるとき、ATMのインストーラソフトウェアはAFMとINFファイルを入力にとり、必要なPFMファイルをインストール時に生成する。AFMとINFファイルは利用者のシステムにインストールされない。
.MMM
.MMM ファイルはマルチプルマスターフォントがWindows環境で必要とし、メトリックデータに使われる。 CIDは、アドビ社のCIDフォントが内蔵するすべての文字(文字コレクション)を識別するため、文字ごとに振られる一連の番号。
文字コレクションは言語ごとに定義され、その言語の主要な文字集合をサポートするために必要な文字をすべて含む。文字コレクションには「登録者-配列(-追補番号)」の形式で名前が付けられる。たとえばアドビ社が定めた日本語の表記に使われる文字コレクションの名称はAdobe-Japan1である。
Adobe-Japan1は、JIS X 0208やISO/IEC 10646(≒Unicode)などの公的な文字コード規格では(異体字セレクタを使わない限り)同じコードが与えられている異体字の字形1つ1つに別々のCIDを割り当てている。実際のOS・アプリケーションとのやりとりは通常フォントに内蔵されている CMAPテーブル(CIDとUnicodeを相互に関連付けた対応表)を参照して行われるが、Acrobat・InDesign(いずれもアドビシステムズ社製品)・日本語LaTeX[1](フリーソフト)などのソフトはCID番号を直接利用することがある
.OFM
.OFM はOS/2バージョン2.1から、そのバイナリ版のフォントメトリックファイルに使われる拡張子である。
- 1 PostScriptフォントとは
- 2 PostScriptフォントの概要
- 3 文字集合
- 4 Windowsサポート
- 5 外部リンク
固有名詞の分類
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