HDMI
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歴代バージョン
HDMI 1.0/1.1
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- HDMI 1.0
- 2002年12月にリリース。
- 最大4.9 Gbit/sのビットレート、シングルケーブルでデジタルオーディオ・デジタルビデオを接続。165 Mpixels/sビデオ(1080p 60HzまたはUXGA)と192kHz/24bit・8chオーディオまでをサポート
- HDMI 1.1
- 2004年5月にリリース。
- DVD Audioのサポートを追加
HDMI 1.2/1.2a
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- HDMI 1.2
- 2005年8月にリリース。
- スーパーオーディオCDで使用される1bitオーディオの8chまでのサポートを追加
- PCソースのHDMI Type Aコネクタが有効
- YCbCr CEカラー空間のオプションサポートを維持しつつ、PCソース固有のRGBカラー空間を使用する能力の追加
- HDMI 1.2と後継ディスプレイのために低電圧ソースのサポート
- HDMI 1.2a
- 2005年12月にリリース。
- CEC (Consumer Electronics Control) の特徴やコマンドセット、CEC適合テストを完全に仕様書に記述
HDMI 1.3
2006年1月5日から開催された「International CES 2006」にて帯域を2倍、色深度が24ビット(フルカラー、Full Color)を超える30、36、48ビット(ディープカラー、Deep Color)にも対応した次世代HDMIが発表された。初代HDMIと互換性を持ち、コネクタも同じものが使われるが転送方式を改めることにより2倍の情報を転送可能。これにより、シングルリンクのままでより高画質、あるいはより高フレームレートの転送が可能になったため、デュアルリンク用のコネクタとして定義されていたHDMIタイプBコネクタの存在意義はなくなった。ほかに、音声関係ではリップシンク・ドルビーTrueHD・DTS-HDの対応が挙げられる。
2006年6月22日に完成し仕様書リリース。バージョン番号は2.0ではなく1.3となった。
HDMI 1.4
2009年1月に米HDMI Licensing, LLCは、2009年前半にHDMIの次世代仕様を公開する予定と発表した。同年5月28日、次世代仕様のHDMI 1.4が発表された。HDMI 1.4では新たに3840×2160、4096×2160の解像度のサポート、Ethernetの伝送サポート、Type Cより小さなMicro HDMIコネクタ (TypeD) の追加、自動車用接続システムのコネクタ (TypeE) の規定などがなされた[9]。USB Type-Cケーブル対応[10]。
また3D映像の伝送には1.4以上が必要である。
新しく対応した高解像度のフレームレートは以下の通り[11]。
- 3840×2160 = 24 Hz, 25 Hz, 30 Hz
- 4096×2160 = 24 Hz
ケーブルにも仕様の追加がされた。
- 14ピンが規定され、Reserve(予約)からUtilityに変更。
- 新しいシールドツイストペア追加 (DDC/CEC Ground + HPD + Utility)。
- イーサネットチャンネルは、双方向伝達のために、新しい一対のシールドツイストペアを使用する。
- 全ての信号線にシールド。
HDMI 2.0
HDMI Forumは2013年9月4日、帯域幅などを拡張した次期HDMI規格2.0を発表した。
HDMI 2.0 LEVEL Aでは帯域を18 Gbpsに拡大。これにより1080p/60の4倍の解像度となる4K@50/60 (2160p) に対応。アスペクト比21:9のフォーマットをサポートした。1,536 kHzのオーディオサンプル周波数、32オーディオチャンネル(4ストリームに分岐することを想定)、ダイナミック自動リップシンクやCECの拡張などを新たにサポート。HDMI 1.4と同じ帯域でもHDMI 2.0 LEVEL Bと名乗ることができ、この場合の色深度はYUV 4:2:0 8bitとなる[12][13]。
従来のHDMIと互換性を維持しており、既存のカテゴリ2ケーブルやコネクタで対応可能。
HDMI 2.1
HDMI Forumは2017年1月4日、HDMI 2.1を発表した[14]。帯域幅は48 Gbpsまで拡張され、非圧縮で8K30Hz(YCbCr4:2:0)に対応する。
HDMI各バージョンの機能詳細
Version | リリース日 | PIXEL CLOCK / 帯域幅 / 伝送速度 | 色空間 | 色深度 | 追加機能 |
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1.0 | 2002年12月09日 |
165 MHz / 4.95 Gbps / 3.96 Gbps |
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24bit | 1080pに対応 |
1.1 | 2004年05月20日 | ||||
1.2 | 2005年08月08日 |
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1.2a | 2005年12月14日 | ||||
1.3 | 2006年06月22日 |
340 MHz / 10.2 Gbps / 8.16 Gbps |
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1.3a | 2006年11月10日 | 機器間の制御機能を追加 | |||
1.4 | 2009年05月28日 |
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1.4a | 2010年03月04日 | 3Dフォーマットにトップアンドボトム方式を追加 | |||
2.0 | 2013年09月04日 |
LEVEL A 600 MHz / 18 Gbps / 14.4 Gbps |
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2.0a | 2015年04月08日 | 静的HDR (High Dynamic Range) フォーマットの伝送に対応 | |||
2.0b | 2016年03月05日 | HLG (Hybrid Log Gamma) フォーマットの伝送に対応 | |||
2.1 | 2017年11月28日 |
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- なおHDMIケーブルにも1.4対応などバージョン表記されることがあるが、HDMIケーブルでは1.2a以前と1.3以降の伝送速度向上以外のハードウェア的な変更はなく、HDMI 1.1と表記されて売っているものでもHDMI 1.4信号を通せる製品がほとんどである。ただし、質の悪いコネクタ実装や5 m以上のケーブル長で、HDCPの問題で突然画面がブラックアウトするなどの不具合が顕在化する可能性がある。また、HDMI 1.4で規定されたHDMI Ethernetチャンネル (HDMI HEC) にて、HDMI 1.3aまでではReservedだった信号ピンが使用されているため、HDMI Ethernetチャンネル機能を利用する場合は「イーサネット対応」と表示されているケーブルを使用する必要がある。
- HDMIのバージョンは厳密に言うと、HDMI Specification(HDMI規格のバージョン)とHDMI Compliance Test Specification(HDMIデバイスのテストバージョン)の2つが存在する。上の表は前者であり、HDMIライセンシング社が正式発表したもので大手メーカーが製品を紹介する時に公表するバージョンそのものである。一方、後者はメーカーがHDMIのライセンスを受けるにあたり、ATC (Authorized Test Center) と呼ばれる組織でコンプライアンス・テストを受けるときのバージョンである[16]。
- HDMIの規格は所要のHDMIケーブル長を規定しておらず、「ケーブルの種類やブースターを設ける事によって遠距離まで接続可能だろう」としている。HDMIのウェブページでは「HDMI over Cat 5/6」カテゴリー5ケーブルまたはカテゴリー6ケーブルでは50 m、同軸ケーブルを利用する「HDMI over coax」では300フィート、光ファイバーを利用する「HDMI over Fiber」では100 m以上とそれぞれ可能と推測される長さを論じている[17]。通常のケーブルを使用する場合、解像度により異なるが5mを超えると影響があるとされ[18]、一般向け消費者でもホームシアターで天井に設置したプロジェクターへ配線する際に問題が生じやすい[19]。このため「HDMI over Fiber」による長尺ケーブルが販売されているが[18]、光信号に変換するため安定した動作には給電を必要とすることや、機器との相性問題が存在する[19]。
- ^ HDMI :: Resources :: Knowledge Base
- ^ “About us, HDMI” (英語). HDMI LA. 2010年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年1月27日閲覧。
- ^ “日立、松下、ソニー、東芝など7社が次世代デジタル・インタフェース仕様「HDMI」の作業部会を結成”. 日経BP社 (2002年4月17日). 2009年8月30日閲覧。
- ^ “IT用語辞典 e-words - HDMI”. 2009年8月30日閲覧。
- ^ “Premium High Speed HDMI® Cable”. www.hdmi.org. 2021年4月18日閲覧。
- ^ “Ultra High Speed HDMI Cable - Bandwidth Up To 48Gbps”. www.hdmi.org. 2021年4月18日閲覧。
- ^ “HDMI 2.1 Specification Overview”. www.hdmi.org. 2022年1月2日閲覧。
- ^ “HDMI管理団体がオープンソースプロジェクトへの仕様開示を拒否し4K・120Hz出力を含むHDMI 2.1への対応が絶望的に - GIGAZINE”. gigazine.net (2024年2月29日). 2024年3月1日閲覧。
- ^ “HDMIの新バージョン「1.4」が規格化。Ethernet伝送も”. AV Watch (2009年5月28日). 2009年11月24日閲覧。
- ^ “HDMI Alt Mode for USB Type-C™ Connector” (英語). HDMI LA. 2017年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月29日閲覧。
- ^ “FAQ for HDMI 1.4” (英語). HDMI Licensing. 2012年8月24日閲覧。
- ^ “HDMI 2.0発表。4K/60p伝送の幕開けと少し気になる点”. AV Watch (2013年9月7日). 2013年9月7日閲覧。
- ^ “HDMI 1.4 vs HDMI 2.0a vs HDMI 2.0b” (2013年11月14日). 2013年11月14日閲覧。
- ^ 「HDMI 2.1仕様について」(pdf)『映像情報メディア学会誌』第72巻第6号、映像情報メディア学会、2018年、913 - 916頁、2019年1月26日閲覧。
- ^ “HDMI 2.1発表、8K/60Hzや4K/120Hz伝送対応。可変リフレッシュレート「Game Mode VRR」も”. AV Watch (2017年1月5日). 2017年10月29日閲覧。
- ^ “HDオーディオ対応AVセンター総括特集:HDMIのバージョン比較”. HiVi WEB. 2010年3月4日閲覧。
- ^ “Running Long Cable Lengths” (英語). HDMI LA. 2010年1月27日閲覧。
- ^ a b “長いHDMIケーブル特集 | サンワサプライ株式会社”. www.sanwa.co.jp. 2022年4月23日閲覧。
- ^ a b 株式会社インプレス (2018年1月29日). “【ミニレビュー】 4K/HDRプロジェクタ導入で直面した18Gbps伝送問題。光ファイバーHDMIを検証”. AV Watch. 2022年4月23日閲覧。
- ^ “Licence AACS” (英語). 2009年6月14日閲覧。
- ^ “HDMI接続でパソコンの画面をテレビで見られるって本当? - FMVサポート : 富士通パソコン”. 富士通クライアントコンピューティング株式会社. 2019年7月9日閲覧。
- ^ “NVIDIA GeForceシリーズ HDMI出力対応製品で映像と同時に音声出力を行うには”. 株式会社アスク. 2019年7月9日閲覧。
- ^ “HDMI対応のRadeon X1600 Proビデオカードが発売に”. PC Watch. 2019年7月9日閲覧。
- ^ “GT200ベースのミッドレンジGPU「GeForce GT 240」”. PC Watch. 多和田新也のニューアイテム診断室. 2019年7月9日閲覧。
- ^ “HDMIの次世代バージョン規格化完了は2013年上期に延期”. AV Watch (2013年1月9日). 2013年2月10日閲覧。
- ^ “HDMI :: Manufacturer :: Becoming an Adopter :: Terms” (英語). HDMI LA. 2009年5月10日閲覧。
- ^ "HDMI ANNUAL FEE REDUCED" (Press release) (英語). HDMI LA. 2008年3月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “広色域対応HDMI機器は「HDMI 1.3 (x.v.Color)」に”. AV Watch (2007年10月17日). 2009年11月24日閲覧。
- ^ WHDI
- ^ WirelessHD Consortium
- ^ Wi-Fi CERTIFIED Miracast
- ^ Android - What's New
- HDMIのページへのリンク