青函トンネル 青函トンネルの概要

青函トンネル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/02 09:15 UTC 版)

青函トンネル
Seikantunnel - Tsugaru street detail.PNG
青函トンネルの位置[1]
概要
路線 海峡線
位置 津軽海峡
現況 使用中
起点 青森県東津軽郡今別町浜名(地図
終点 北海道上磯郡知内町湯の里(地図
運用
建設開始 1961年昭和36年)3月23日
開通 1988年(昭和63年)3月13日
所有 鉄道建設・運輸施設整備支援機構[2]
管理 北海道旅客鉄道(JR北海道)
用途 鉄道トンネル
技術情報
軌道長 53.85km(海底部23.30km)
軌間 三線式スラブ軌道
電化の有無 有 (交流20,000V・50Hz
高さ -240m
勾配 12
最小曲線半径 6,500m
青函トンネル入口広場より撮影した本州側入口部分(青森県今別町
789系電車使用特急「スーパー白鳥」先頭車両展望窓より撮影した本州側入口部分
海底部標準断面図
1.本坑 2.作業坑 3.先進導坑 4.連絡誘導路
縦断図
海底よりも深い地下に駅があった(竜飛海底駅

概要

津軽海峡の海底下約100mの地中を穿って設けられたトンネルで、全長は53.85 kmである。これは1988年昭和63年)の開業以来、交通機関用のトンネルとして世界一の長さ[3]を保っているが、全長57.091kmの鉄道トンネルとして建設中のスイスゴッタルドベーストンネルが開業(本坑は2010年10月15日に貫通している)すると、世界一の座はそちらに譲ることになる[4]。また、全長が約53.9kmであることからゾーン539の愛称がある。なお、青函ずい道と表記されていたこともある[5]ほか、トンネル出入口の扁額には青函隧道と表記されている。

青函トンネルの木古内駅方には、非常に短いシェルターで覆われたコモナイ川橋梁、さらに長さ約1.2kmの第1湯の里トンネルが続き青函トンネルに一体化しており、これらを含めたトンネル状構造物の総延長は約55kmになる。

青函トンネルを含む区間は海峡線となっており、北海道函館市と青森県青森市を結ぶ津軽海峡線の一部だが、新幹線規格で建設されており、将来北海道新幹線も通る予定になっている。

長大なトンネル内の安全設備として、列車火災事故などに対処するため、青函トンネル途中(海岸直下から僅かに海底寄り)に消防用設備や脱出路を設けた定点という施設が2箇所設置された。これは1972年(昭和47年)に国鉄北陸本線北陸トンネル内で発生した列車火災事故を教訓にしたものである。なお、開業初日には3か所の火災検知器が誤作動を起こし、快速海峡などが最大39分遅れるトラブルも発生している。また、開業後はこの定点をトンネル施設の見学ルートとしても利用する事になり、吉岡海底駅地図)と竜飛海底駅地図)と命名された。この2つの駅は、見学を行う一部の列車の乗客に限り乗降できる特殊な駅であるが、吉岡海底駅は2006年8月に長期休止となっているほか、竜飛海底駅も2013年11月10日をもって休止となった。なお、この両海底駅は2014年3月15日に駅としては廃止され、現在は「定点」となっている。トンネルの最深地点には青色と緑色の蛍光灯による目印がある。

また、青函トンネルは通信の大動脈でもある。青函トンネルの中には開通当時の日本テレコム(現:ソフトバンクテレコム)が光ファイバーケーブルを敷設しており、北海道と本州を結ぶ電信電話の重要な管路となっている。

青函トンネルは「世界最長の海底トンネル」という特殊条件であることから、万が一の事故・災害防止のために厳重な安全対策が施されており、トンネル内は終日禁煙・火気使用厳禁となっている。トンネル内には一般建物用より高感度の煙・熱感知器が多数設置されているので、微量なタバコの煙を感知しただけでも列車の運行が止まってしまう。

日本鉄道建設公団により建設工事が行われ、公団を引き継いだ独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構がトンネルを所有している。トンネルを走行する列車を運行しているJR北海道は、機構に対してトンネルの使用料を払っている。その額は租税および管理費程度とされており、年額4億円である。また、トンネル内の鉄道敷設部分についてはJR北海道所有として整備されており、この部分の維持管理費は年間約8億円となっている。1999年度(平成11年度)から改修事業が行われており、事業費のうち3分の2を国の補助金でまかない、3分の1をJR北海道が負担している[2][6]

歴史




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  1. ^ 海峡線のうち、青函トンネル以外の区間は描かれていない。また、既に廃止されている松前線下北交通大畑線南部縦貫鉄道線なども描かれている。
  2. ^ a b 鉄道建設・運輸施設整備支援機構債券内容説明書 平成21年1月5日現在 (PDF)”. 鉄道建設運輸施設整備支援機構. pp. p.19. 2010年5月15日閲覧。
  3. ^ 海底部の総距離では1990年貫通、1994年開業の英仏海峡トンネルに次ぐ世界第2位。
  4. ^ ただし、海底部を持つトンネルとしては世界一のまま。
  5. ^ 運輸省「新幹線鉄道建設に関する整備計画」1973年11月13日。
  6. ^ JR連合 政策News 第37号”. 日本鉄道労働組合連合会(JR連合) (2005年6月28日). 2010年5月15日閲覧。
  7. ^ 発破ボタンの押下は電話回線を使用して中曽根康弘総理大臣(当時)が総理官邸にて行った。
  8. ^ 下り一番列車「海峡1号」の機関車には、石原慎太郎運輸大臣(当時)が添乗した。
  9. ^ 青函トンネルの費用便益帰着表
  10. ^ ナッチャンWorldについては、道南自動車フェリー2009年(平成21年)7月から9月にかけて期間限定で運航している。
  11. ^ 日刊建設工業新聞 北海道版JR連合 政策ニュース
  12. ^ 昭和63年3月13日に事務次官会議において自治体境界を定め、公海下部分のうち、約4.7kmを三厩村、約5kmを福島町に編入することとなり、同月16日の政府閣議で決定し、同月24日に告示された。
  13. ^ 東海道山陽本線系統の貨物列車に積まれる冷凍コンテナの一部にはこの回路が非搭載のタイプがあり「青函トンネル通過禁止」と書かれている。
  14. ^ 21世紀初頭に青函トンネル経由で行われた甲種輸送は、2008年(平成20年)11月ミャンマー譲渡車両、2009年(平成21年)3月24日DF200形ディーゼル機関車、同年6月キヤE193系「East-i D」(JR東日本秋田車両センターからJR北海道が借り入れた)などがある。
  15. ^ a b c d e f g 鉄道ジャーナル』2008年11月号(通巻505号)p105
  16. ^ 函館側を使用する理由は五稜郭機関区機関庫の架線の関係があり、青森側を使用して機関庫に入庫すると架線の長さの関係で途中で架線からの電力が供給されない状態になるため
  17. ^ 営業運転最初の列車は貨物列車であった。


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