金融機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/14 08:41 UTC 版)
金融機関は(中央銀行を除いて)、1.金融(仲介)の形式(直接金融、間接金融、ハイブリッド金融)、2.預金(預金通貨)の取り扱いの有無、3.公的金融機関か民間金融機関かで分けられる[1]。
なお、金融業という場合、広く、資金融通機関(銀行、協同組織金融業)、資金取引の仲介機関(貸金業、質屋、クレジットカード業、割賦金融業、住宅専門金融業、証券金融業、ファクタリング業者、金融商品取引業、商品先物取引業など)、補助的金融業(短資会社、手形交換所、両替業、信用保証機関、前払式証票発行業者、債権管理回収業者など)や信託業を含む[2]。
日本の金融機関
分類 | 該当機関 |
---|---|
中央銀行 | 日本銀行 |
普通銀行 | 都市銀行、 地方銀行、 信託銀行 など |
中小企業金融機関 | 信用金庫、 信用組合 など |
協同組織金融機関 | 労働金庫 など |
農林水産金融機関 | 農業協同組合、 漁業協同組合 など |
厚生労働金融機関 | 生活協同組合 など |
証券金融機関 | 証券会社など |
保険会社 | 生命保険会社、 損害保険会社 など |
ノンバンク | 消費者金融など |
政府系金融機関 | 日本政策金融公庫、 日本政策投資銀行、 住宅金融支援機構 など |
中央銀行
民間金融機関
日本の民間金融機関は預金取扱金融機関とその他の金融機関(証券会社や保険会社)に分けられる[3]。なお、日本郵政(ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)や商工組合中央金庫は政府保有株式(完全民営化の移行状況)の関係で公的金融機関に分類されることがある[3]。
預金取扱金融機関
預金取扱金融機関は普通銀行、長期金融機関(信託銀行)、協同組織金融機関に分けられる[3]。
- 普通銀行 - 銀行法により、免許を受けて銀行業を営む株式会社。普通銀行は都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、その他の銀行(ネット専業銀行、流通系銀行)に分けられる[4]。日本の銀行一覧も参照。なお、銀行法上の銀行ではなく長期信用銀行法において規定された金融機関に長期信用銀行があった(現在は存在しない)。
- 長期金融機関(信託銀行)
- 協同組織金融機関 - 営利法人たる株式会社である銀行とは異なり非営利法人である。対象となる主な顧客によって、中小企業系の信用金庫や信用組合、農林漁業系の農業協同組合や漁業協同組合、労働組合系の労働金庫などがある[4]。
その他の金融機関
共済団体
- 共済 - 生命保険・損害保険に類似した保障(補償)制度を取扱う認可団体。保険会社と同様に保険法の適用を受けるが、各団体の根拠法や監督官庁はそれぞれ異なる。また、保険会社との大きな相違点は、非営利法人の協同組合組織であることや、集めた掛金の運用先(特に株式や不動産投資)に制限が設けられていることなどが挙げられる。
公的金融機関
公的金融機関には政府系金融機関とその他の金融機関があり、先述のように日本郵政(ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)や株式会社商工組合中央金庫は政府保有株式(完全民営化の移行状況)の関係で公的金融機関に分類されることがある[3]。
その他の業態と法規制
銀行・信用金庫・信用組合のコマーシャル規制
日本では、1990年上半期ごろまで銀行、信用金庫、信用組合は単体でポスターや新聞などのいわゆるスチル媒体以外はコマーシャル活動をすることができない(統括団体のCMは放送媒体でも行われた。代表的なものに1983年の銀行法改正による土曜日休業告知CMなどがある)規制があった。規制運用時は、系列クレジットカードを使って「○○(=銀行名)カード、お申し込みは銀行へ」の形での間接的なコマーシャルを行っていた。なお、相互銀行はコマーシャル規制が緩く、普通銀行転換前は提供クレジットを出す相互銀行[注釈 1]もあったが、普通銀行転換時に一時銀行、信用金庫、信用組合等と同様の規制となった。
1990年下半期ごろからラジオに限定して放送媒体でのコマーシャルを部分解禁した。ラジオの場合は特に規制をかけなかったことから一部の番組で銀行などが冠スポンサーとして番組を提供した事例も一部あった。
1991年1月からテレビでのコマーシャルも解禁された。スタートした当初は定時番組の提供クレジットを入れない(パーティシペーション扱い)、放送時間も一定基準の時間枠しか放送できないなどの規制があったため、主としてスポットコマーシャルでの活動が多かった。
その後規制が緩和され現在は他の企業と同じように提供クレジットを出すことも可能になった。
米国の金融機関
金融機関の種類
主な金融機関に商業銀行(commercial bank)、貯蓄金融機関(savings association, thrift institution)、信用組合(credit union)がある[5]。
銀行は銀行持株会社法(Bank Holding Companies Act)に定義されており、商業銀行には連邦法に基づく国法銀行(national bank)と州法に基づく州法銀行(state bank)がある二元銀行制度(Dual Banking System)である[5]。銀行の多くは銀行持株会社(bank holding company)の傘下にある[5]。
貯蓄金融機関にも、連邦法に基づく連邦貯蓄金融機関(federal savings association)と州法に基づく州貯蓄金融機関(state savings associations)がある[5]。
金融監督機関
- 通貨監督庁(Office of the Comptroller of the Currency, OCC) - 全国通貨法(National Currency Act)により1863年に創設[5]。
- 連邦準備制度理事会(Board of Governors of the Federal Reserve System, FRB) - 連邦準備法(Federal Reserve Act)に基づき創設[5]。
- 1 金融機関とは
- 2 金融機関の概要
- 3 イギリスの金融機関
- 4 脚注
金融機関と同じ種類の言葉
「金融機関」に関係したコラム
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