配向性ストランドボード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/22 07:45 UTC 版)
用途
合板と比較して、面内せん断力に対する強度が大きいため、壁やIビームのウェブに最適な材料とされ、北米では住宅の構造材として広範囲に使用されている。2x4工法では、OSBは、従来から建物の強度を確保する基本的な構造材であった。日本においては、1995年の阪神・淡路大震災で多数見られた木造家屋の倒壊に関する詳細な分析と反省から、木造建造物に関する建築基準が大幅に改正され、在来木造軸組工法の建築物でも、OSBや構造用合板などの面材を柱に打ち付ける、あるいは柱の間に筋交いとして斜め方向に軸材を挿入するなどして、地震や台風による横方向に建物を歪ませる力に抵抗できる強度を確保することが義務付けられた。これによりOSBや構造用合板は、使用する工法が2x4工法であっても在来軸組工法であっても、現在の一般的な木造建築における基本的な構造材として広く普及しており、ホームセンターなどでも容易に購入することができる。
近年の動きとして、壁面のみならず、これまでもっぱら24 mm - 28 mmの厚物構造用合板の独擅場であった床下地にOSBを使用することも検討されているが、その一方で原料のエレメントは合板より小さいため、日本のような温暖湿潤気候では耐久性に問題があるとも言われている。また、日本では特徴的外見から注目が集まっており、壁下地に貼ったOSBを露出したまま仕上げたり、店舗の造作材としてもしばしば使われている。しかし、水濡れや高湿度環境で劣化しやすいため、水回りでの使用は避けるなどの配慮が必要である。市販品の中には、木口面からの水分の侵入を防ぐため、工場出荷の前にあらかじめ木口面に防水塗装を施しているものや、プラスチックフィルムによるラミネート加工をしたものもある。用途の広まりを受け、ラミネート加工したOSBに関しては、その耐水性能などついて、現在JASで標準規格化が検討されている。
- ^ “構造用パネルの日本農林規格” (PDF). 農林水産省 (2008年6月10日). 2012年9月2日閲覧。
- ^ 国産材を用いた実大OSBの諸性能 北海道立林産試験場報10巻1号 p.1-10(1996-1)
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