適応外処方 適応外処方の概要

適応外処方

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/10 08:36 UTC 版)

本項では、特記なき場合日本における適応外処方について記述する。

目次

健康保険上の扱い

薬事法上の承認を受けていない医薬品や承認内容に含まれない目的での使用であっても、条件によっては保険適用が認められたり、あるいは、保険外併用療養費(旧特定療養費)として保険診療と併用できるものがある[1]

医療保険制度における適応外処方[1]
種類 高度医療 治験 公知申請後薬事承認前 55年通知
国際的に実績のない新薬 保険外併用療養費[2] 保険外併用療養費 (対象外) (対象外)
海外で承認済み日本未承認薬
承認済適応外薬 再審査期間中 事前審査前 保険外併用療養費
事前審査後 (治験不要) 保険適用
再審査終了済 科学的根拠なし (対象外) 保険外併用療養費 (対象外)
科学的根拠あり (55年通知適用可) 保険適用

55年通知

1980年9月3日、厚生省保険局長は、社会保険診療報酬支払基金理事長あて、「有効性及び安全性の確認された医薬品を薬理作用に基づいて処方した場合の取扱いについては、学術上誤りなきを期し一層の適正化を図ること。診療報酬明細書の医薬品の審査に当たっては、厚生大臣の承認した効能効果等を機械的に適用することによって都道府県の間においてアンバランスを来すことのないようにすること。」と通知した(55年通知)[3]

2002年11月14日、この通知について武見敬三参議院議員(当時)が第155回国会で「適応外処方についての医師の裁量性を認めた局長通知であるというふうに私は理解をしている」と質問したところ、真野章厚生労働省保険局長(当時)は「今、先生御指摘ありましたように、保険診療におきます医薬品の取扱いにつきまして、効能効果等により機械的に判断するのではなく、患者の疾患や病態等を勘案し、医学的な見地から個々の症例に応じて適切に判断が行われるべきもの」と回答している[4]

2004年3月18日、千葉社会保険事務局指導医療官が適応外処方を特定療養費扱いしていることについて、第159回国会で同議員が「適応外処方についてこれを特定療養費扱いにするという方針は、これはもう既にこのような形で確定をし、実施されておるんですか」と質問したところ、辻哲夫厚生労働省保険局長(当時)は特定療養費扱いになるものは「近年開発されてきた分子標的薬のように、長期的な効果や安全性などが明らかでなく、言わば全く新しいタイプのもの」に限定した方針であって「再審査期間を終了するなど有効性、安全性が確認されている医薬品について、薬理作用に基づき学術上誤りのない処方を行った場合においては、いわゆる適応外処方についても個別事例に即して審査を行い、保険請求が認められ、患者の薬剤負担が三割とされてきたということにつきましての取扱いを変えるものではない」と回答している[5]

2009年9月15日、厚生労働省保険局医療課長と厚生労働省保険局歯科医療管理官の連名の通知により、適応外処方の全国統一的な対応をとるために、審査情報提供検討委員会において検討が行われた事例について情報を公開している[6]。尚、「本提供事例に示された適否が、すべての個別診療内容に係る審査において、画一的あるいは一律的に適用されるものでないことにご留意ください。」とも書かれている。

公知申請

十分な科学的根拠のある適応外処方については、公知申請により、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく効能又は効果等の承認が可能である[7]が、公知申請が受理された適応外薬については、保険外併用療養費制度の評価療養として保険診療との併用が可能である[1]。また、2010年8月30日、厚生労働省保険局医療課長の通知により、薬事・食品衛生審議会において事前評価が終了し公知申請を行っても差し支えないと結論づけられた医薬品ついては、薬事承認前であっても保険適用とすることになった[8]

高度医療

2004年、保険収載された新薬の適応外投与が、保険外併用療養費制度の前身の特定療養費制度における選定療養として保険診療と併用可能となった[9][10]

これについて、千葉社会保険事務局指導医療官が55年通知で保険適用された適応外処方まで特定療養費扱いする資料を作成するなどの混乱が見られた。第159回国会で武見敬三参議院議員(当時)の質問に対する辻哲夫厚生労働省保険局長(当時)の回答より、特定療養費扱いになるのは「近年開発されてきた分子標的薬のように、長期的な効果や安全性などが明らかでなく、言わば全く新しいタイプのもの」に限定され、「再審査期間を終了するなど有効性、安全性が確認されている医薬品」についての取り扱いは変更しない旨、確認されている[5]。2006年、健康保険法等の一部を改正する法律において、保険収載された新薬の適応外投与だけでなく未承認薬の投与も含めて保険外併用療養費制度の評価療養に組み込まれた[1][11]

治験

1996年、保険外併用療養費制度の前身の特定療養費制度における選定療養として、医薬品の治験に係る診療は保険診療と併用可能となった[9][12]。2006年、健康保険法等の一部を改正する法律において、医薬品の治験に係る診療は保険外併用療養費制度の評価療養に組み込まれた[1][11]




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