谷川岳宙吊り遺体収容 谷川岳宙吊り遺体収容の概要

谷川岳宙吊り遺体収容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/10/12 00:48 UTC 版)

当事故の宙吊り遺体
一ノ倉沢(2012年10月撮影) 衝立岩は中央右の三角形の岩

遭難

1960年昭和35年)9月19日群馬県警察谷川岳警備隊に一ノ倉沢の通称「衝立岩(ついたていわ)」と呼ばれる部分で、救助を求める声が聞こえたとの通報があり、警備隊が現場に急行したところ、衝立岩正面岩壁上部からおよそ200m付近でロープで宙吊りになっている2名の登山者を発見した。

2名は、前日に入山した神奈川県横浜にある蝸牛山岳会の会員で、20歳と23歳の男性だった。発見時、遠方からの双眼鏡による観測で2名がすでに死亡していることが確認された。両名死亡のため遭難原因は不明だが、なんらかの理由でスリップしたものとされている。

遺体収容

現場となった衝立岩正面岩壁は、当時登頂に成功したのは前年の1例のみという超級の難所で、そこに接近して遺体を収容するのは二次遭難危険が高く、不可能と思われた。

当初は所属山岳会の会員らから、に浸したボロを巻いた長いでロープを焼き切る案が出されたが、岩壁からロープまでの距離も長く、検討の末に不可能と判断された。所属山岳会や2人の両親のたっての願いで、遺体を宙吊りにしているロープを銃撃により切断し、遺体を収容することになった。

9月24日陸上自衛隊相馬原駐屯地から第1偵察中隊狙撃部隊が召致され、軽機関銃ライフル銃など計12丁を持ち込み、銃撃を試みた。銃撃場所からロープまでの距離は数百メートルもあり、射撃特級の資格所持者が揃っていてもロープの切断は難航を極め、2時間で1,000発以上の小銃・軽機関銃の弾丸を消費したものの成功しなかった。その後、狙撃銃でロープと岩石の接地部分を銃撃することで切断に成功し、遺体を収容した。最終的に消費した弾丸は1,300発に上る。この場面は自衛隊関係者、山岳会関係者のほか、報道関係者が見守った。

遺体が滑落する様子はフィルムに記録されており、当時のニュース映画では「あまりに痛ましい遺体収容作業」だったことが語られている。この映像は日本産モンド映画『日本の夜 女・女・女物語』[1]の劇中に使われ、予告編でも見ることができる。

参考文献


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