観光ボランティアガイド
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昔からある観光ガイドとは、個人が主体という点で異なり、(これまでの概念の)観光のプロではない人たちが担っているという点でエコツアー、ネイチャーツアーなどでみられるほぼシステム化された専門の有料ガイドとも区別される。
仕組み
観光ボランティアは個人ベースではなく、組織化され行動している。その大半は、地方自治体行政や商工会議所・旅館組合等の関係団体の音頭取りで作られたものといえる。
観光協会等の団体を通じた事前申込制としているボランティア組織が多いが、別府温泉の「別府八湯ウォーク」 のように、決まった日時に集合すれば誰でも参加できる形態を採るところも最近ではある。
先の定義で示した「自発性」、「継続性」、「個人性」がポイントである。観光ガイド社の従業員としてではなく、文字どおり一個人として自発的にその組織に参加し、ガイドを行う。また、単発ではなく、継続的に実施する。そして、組織でありながら、組織のルールに従うものの、ガイドの内容については実質的に個人個人の個性が許されており、自分なりの言葉で案内・ガイドしている。なかには自分でガイドマニュアルや手引きをつくったり、専用の衣装を誂えたりする熱心な人も居る。
誕生と成長の経緯
以前から郷土史家と呼ばれる人が地域の住民もしくは社会見学の一環として訪れた学童・生徒等を対象に説明を行っていたということはありえるが、これは「観光」の要素は乏しい。 観光ボランティアガイドは、1990年代の前半に注目され始め、1995年以降各地で急増した。観光ボランティアガイドの成長の背景には、ありきたりの観光地の説明ではなく、ディープな知識を吸収したい、新しい発見をしたいという観光客のニーズも見逃せない。何よりも生涯学習時代の到来を踏まえ、自己の知識を活かして訪れる観光客のお役に立ちたい、それが自己実現につながる、そして自分の街を誇りに思い、他の地域の人々との新たな出会いが楽しいという、ボランティアの成り手自身の意識の成熟が大きな要因として挙げられる。 加えて、観光客・交流人口を増やしたい地元自治体や、観光客の滞在時間を少しでも伸ばしたい関連事業者、新たな魅力を注入したい旅行社などのニーズも見逃せない。観光行政サイドとしては、ボランティアガイドを利用して、少しでも訪れる人を増やすとともに、じっくりと見て回ってもらって滞在時間を伸ばし、観光消費に結び付けたいと考える。 ガイドと称する中には客引きに等しい悪質な人が居る恐れもあり、「質」を確保するために、一定の「認定」「認証」の仕組みが必要である。観光ボランティアガイドが今日の地位を確保しえたのも、一つには「ボランティア」つまり「無料」であるという安心感、わかりやすさ、つまりブランド構築における「安心」「保証」である。もう一つは、公的機関の窓口で紹介する等の事実上の「保証」(これもブランドの構成要素の一つ)であろう。
最近の傾向
- 行政の取り組み
- 各地でボランティアガイドの養成講座が行われており、一定の課程を修了すると認定書等がもらえる仕組みになっている。
- 有償化
- 次第に有償とする例が増えてきている。その意味ではビジネス化しつつあるといえよう。
- 旅行業者とのタイアップ
- 1 観光ボランティアガイドとは
- 2 観光ボランティアガイドの概要
- 3 問題点
- 4 今後の方向
- 観光ボランティアガイドのページへのリンク