西堀栄三郎 西堀栄三郎の概要

西堀栄三郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/20 06:30 UTC 版)

来歴・人物

滋賀県東近江市にある西堀榮三郎記念探検の殿堂

京都府出身。京都一中三高を経て、京都帝国大学理学部化学科卒業。京大講師、助教授を歴任した後、東京電気(東芝)に移る。

1936年、京都大学より理学博士。論文の題は 「分子線による化學的研究 」[1]

東芝技術本部長時代には海軍の要請を受けて真空管「ソラ」[2]を開発し、技術院賞を受賞した。材料不足の状態でも大量生産できるように、微細な部分に至るまで製造マニュアルを完備し、"新橋の芸者を集めてでも製造可能"とされた。

戦後は独立コンサルタントとして統計的品質管理手法を日本の産業界に持ち込み、デミング賞や電電公社総裁賞を受賞。戦後日本の飛躍的な工業発展の礎の1つとなった。

京大に助教授、教授として復帰してからも精力的に活動し、第一次南極観測隊の副隊長兼越冬隊長や日本山岳協会会長を務める。日本初の8000m級登山であるマナスル登山計画時にはネパール政府との交渉役として活躍。日本原子力研究所理事や日本生産性本部理事も務めた。

統一協会と深い関係を持っており、日本での日韓トンネル研究会設立に関与した。

1973年勳三等旭日中綬章受章。

エピソード

  • 鹿沢温泉において、「雪山讃歌」を作詞したことでも知られる(メロディはPercy Montross作曲の「クレメンタイン」)。
  • 京大の学生時代から旧制中学以来の親友である桑原武夫(後にフランス文学の研究で文化勲章を受章)や今西錦司(後に生態学の研究で文化勲章を受章)と共に登山家として活躍した。
  • 語学にも堪能であり、1922年、当時旧制第三高等学校の生徒だった西堀が、ノーベル賞受賞直後に日本滞在中のアインシュタインに3日間通訳として同行し、京都観光案内をした[3][4]
  • 南極横断を生涯の夢とした植村直己六分儀等の天測装置とその使用法を教えるなど、植村の有力な支持者の一人でもあった。
  • 妻は今西錦司の妹。妻が「結婚してからも、西堀に聞いたことがあるんですよ。あなた今西の兄と私とどっちが好きなの」と問い詰めた、というほど今西と親しかった[5]
  • 1973年、70歳の時にネパールの未踏峰ヤルカン(カンチェンジュンガ西峰)登山隊長となり、3週間かけて5500mのベースキャンプまで行った[6]。その時宇宙塵の収集をした[7]

主な著書

  • 『南極越冬記』岩波新書 1958年
  • 『百の論より一つの証拠―現場研究術』 日本規格協会 1985年
  • 『創造力―自然と技術の視点から』 講談社 1990年
  • 『石橋を叩けば渡れない』 生産性出版 1999年
  • 『西堀流新製品開発―忍術でもええで』日本規格協会 2003年
  • 『ものづくり道』 新版ワック 2004年

西堀栄三郎を演じた俳優


  1. ^ 博士論文書誌データベース
  2. ^ 通称ではなくこれが正式名称。基本的な規格は12SJ7に近似
  3. ^ 貿易商の兄が外務省から頼まれたため、弟が代役となった。記事には二人で写っている写真が掲載されている。
  4. ^ 「ノーベル賞が伝えること」日本経済新聞2015年10月18日
  5. ^ 武田徹「今西錦司 人間は死ぬべくして死ぬのだ」(荒俣宏責任編集『知識人99人の死に方』角川書店1994年
  6. ^ その後の行動は不明
  7. ^ 「ノーベル賞が伝えること」日本経済新聞2015年10月18日


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