菌類
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分類
古典的には、菌界の大分類は以下のようになっていた[8]。下記の亜門を門として扱った例もある。現在においても、教科書などではこれを踏襲している事がある。
古典的な分類体系
これ以降の大きい変更としては、まず変形菌門が菌界から外されたことが挙げられる。上記の体系では真菌門のみが菌界とされた。また、鞭毛菌に含めていたサカゲカビ類と卵菌類は菌界から外され、ストラメノパイルに分類されるようになった。この見直しで菌界から外された群は時に偽菌類と呼ばれる。
21世紀初頭の現在、菌類の分類体系には手が入り続けている。2007年に見直された分類体系では子嚢菌門、担子菌門、ツボカビ門、コウマクキン門、ネオカリマスティクス門(以上の三門が旧ツボカビ門)、グロムス菌門、微胞子虫門、および門としての分類の難しい4亜門(主に旧接合菌門に由来)に分類されている (Hibbett et al. 2007 [9])。
国際原生生物学会の分類体系
上位の系統
国際原生生物学会(ISOP)がまとめ、改定を繰り返している真核生物の分類体系があり、2020年現在の最新版である2019年のもの[10] では下記の系統が採用されている:
アモルフェア | アメーボゾア
Amoebozoa(アメーバや粘菌を含む系統) | |||
incertae sedis オバゾア | アプソモナス類 Apusomonadida | |||
ブレビアータ類 Breviatea | ||||
オピストコンタ | ホロゾア Holozoa | 後生動物 Metazoa を含む系統 | ||
ホロマイコータ Nucletmycea | Rotosphaerida(ヌクレアリア、Fonticula などを含む) | |||
菌類 Fungi | ||||
ディアフォレティケス | アーケプラスチダ Archaeplastida(灰色藻類 、紅藻類、緑色植物を含む系統) | |||
SAR Sar (ネコブカビ類、不等毛藻、渦鞭毛藻類、繊毛虫類、放散虫類、有孔虫類含む系統を含む系統) | ||||
ハプチスタ Haptista やクリプチスタ Cryptista などいくつかの単系統群 | ||||
クルムス CRuMs など以上に属さないいくつかの単系統群 |
下位の系統
同じく国際原生生物学会(ISOP)の2020年現在の最新版である2019年のもの[10] では下記の系統が採用されている:
- ^ Moore RT. (1980). “Taxonomic proposals for the classification of marine yeasts and other yeast-like fungi including the smuts”. Botanica Marine 23: 361–73.
- ^ “卵菌類(きんるい)とは”. コトバンク. 2019年7月23日閲覧。
- ^ “菌類(きんるい)とは”. コトバンク. 2019年7月23日閲覧。
- ^ (Webster 1985, p. 1)、変形菌関連を除いて記述
- ^ Cavalier-smith,2001,p3
- ^ a b Hibbett et al. (2018). “Phylogenetic taxon definitions for Fungi, Dikarya, Ascomycota and Basidiomycota”. IMA Fungus 9: 291-298. doi:10.5598/imafungus.2018.09.02.05.
- ^ 柿嶌 & 徳増 2014, p. 197.
- ^ (Webster 1985)[要ページ番号]
- ^ Hibbett et al. A higher-level phylogenetic classification of the Fungi. Mycological research (2007) 111:509-547
- ^ a b Adl, Sina M.; Bass, David; Lane, Christopher E.; Lukeš, Julius; Schoch, Conrad L.; Smirnov, Alexey; Agatha, Sabine; Berney, Cedric et al. (2018-09-26). “Revisions to the Classification, Nomenclature, and Diversity of Eukaryotes” (英語). Journal of Eukaryotic Microbiology: jeu.12691. doi:10.1111/jeu.12691. ISSN 1066-5234. PMC 6492006. PMID 30257078 .
- ^ 矢﨑裕規; 島野智之『真核生物の高次分類体系の改訂―Adl et al. (2019)について―』日本動物分類学会、2020年2月29日、78頁。doi:10.19004/taxa.48.0_71 。2020年3月24日閲覧。
- ^ “菌類の概要”. 京都府自然環境目録. 2021年8月12日閲覧。
- ^ a b c d 平松啓一・中込治 編集「第V章 真菌学」『標準微生物学』(10版)、2009年。ISBN 978-4-260-00638-5。
- ^ Sapp, J. (2005). “The Prokaryote-Eukaryote Dichotomy: Meanings and Mythology”. Microbiol. Mol. Biol. Rev. 69 (2): 292-305. doi:10.1128/mmbr.69.2.292-305.2005.
- ^ 柿嶌 & 徳増 2014, pp. 198–199.
- ^ 柿嶌 & 徳増 2014, pp. 173–176.
- ^ 柿嶌 & 徳増 2014, pp. 212–215.
- ^ a b 『FOOD'S FOOD 新版 食材図典 生鮮食材編』p250-252 2003年3月20日初版第1刷 小学館
- ^ “乾燥させて大変身 キノコの栄養をたっぷり摂る方法”. ウェザーニュース. 2024年2月4日閲覧。
- ^ 「発酵」p83 小泉武夫 中公新書 1989年9月25日初版
- ^ 「発酵」p91-92 小泉武夫 中公新書 1989年9月25日初版
- ^ 「発酵」p86-87 小泉武夫 中公新書 1989年9月25日初版
- ^ 「発酵」p111-113 小泉武夫 中公新書 1989年9月25日初版
- ^ 「カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス」p130 高取浩介・久米田裕子編 朝倉書店 2013年9月25日初版第1刷
- ^ 「発酵」p136-138 小泉武夫 中公新書 1989年9月25日初版
- ^ 「カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス」p132 高取浩介・久米田裕子編 朝倉書店 2013年9月25日初版第1刷
- ^ 大坂一夫『シクロスポリン』公益社団法人 日本薬学会、1986年9月1日。doi:10.14894/faruawpsj.22.9_984 。2021年8月11日閲覧。
- ^ Tsukagoshi, S (1984-06). “Krestin (PSK)” (英語). Cancer Treatment Reviews 11 (2): 131–155. doi:10.1016/0305-7372(84)90005-7 .
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