速度違反自動取締装置
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速度違反自動取締装置(そくどいはんじどうとりしまりそうち)は、道路を走行する車両の最高速度超過違反を取り締まるスピード測定器とカメラを組み合わせ、速度違反車両を検知すると自動的に写真撮影を行い記録する装置。固定式のものや可搬式のものがある[1]。 通称のオービス(ORBIS)は「眼」を意味する言葉から取られたとされるボーイングの商標である[2][3][注釈 1][4]。
注釈
- ^ なおアメリカ合衆国運輸省のMary Ann RuzeckiはORBISは古代ギリシア語で「眼」を意味する言葉から取られたと記しているが、どのような単語から取られたのかは不明である(古代ギリシア語で「眼」を意味する単語はὀφθᾰλμός(ophthalmós)、ὄμμᾰ(ómma)、ὤψ (ṓps)、ὄψ(óps)、ὄψις(ópsis)、ὄσσε(ósse)などが考えられるが、いずれもORBISとは異なる。なお、ὄρνις(ornis)という似た単語はあるが、これは鳥を意味する単語である。)一方ラテン語にはORBISという単語があるが、「眼」の意味は一般的ではない。
- ^ 「オービス」は別分野で複数の企業が商標登録している。
- ^ a b 電波法施行規則第33条第6号(5)に基づく平成2年郵政省告示第240号第1項第4号および第5号により、警察用の無線標定陸上局と無線標定移動局の操作は、無線従事者を必要としない「簡易な操作」ではないため。
- ^ 交通違反のうち、赤切符が交付される非反則行為は、道路交通法違反行為として刑事罰を受ける犯罪行為であり、比較的軽微な違反であり、青切符が交付される反則行為についても、本来犯罪を構成する行為であり、したがってその成否も刑事手続において審判されるべきものであるが、交通反則通告制度を利用し、反則金による処理を選んだときは、刑事手続によらず処理することができるようにしたものと考えられている。 最高裁判所第一小法廷判決 昭和57年7月15日 民集 第36巻6号1169頁、昭和55(行ツ)137、『行政処分取消』。
- ^ いわゆるレーダー探知機も、主にプロのドライバーに普及している。
出典
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- ^ a b c 東京簡易裁判所 昭和52年(ろ)319号 判決 / 同 昭和52年(ろ)499号 判決, 判例時報955 30頁 判例タイムズ406 67頁 / 判例時報955 21頁 (東京簡易裁判所 昭和55年1月14日) (“検挙後十数日前後に違反者の任意出頭を求めて弁解を聴く機会を与えているのが捜査の実情...であり、この際は、現場でないことを考慮して十分に違反者の弁解を聴くように配慮がなされていること...、オービスIIIによる検挙は、いわゆる暴走運転のような過度の速度違反を対象としており、そのような運転をするのは特別の場合であつて、その際の危険な運転をした情況に関する記憶は通常でかなり強く残るものと考えられ...違反者の防禦権が不当に侵害されるという弁護人の主張は理由がないものと言わねばならない。...しかも、本件オービスIIIは、非反則行為となる暴走運転、すなわち最高速度を二五キロメートル毎時以上を超える速度で運転している車両を捕捉するように運用されている”).
- ^ a b 大阪地方裁判所 昭和55年(わ)6186号 判決, 判例タイムズ504 186頁 (大阪地方裁判所 昭和58年3月16日) (“本件オービスIIIは制限速度を三〇キロメートル毎時超過した九〇キロメートル毎時以上で走行中の車両を捕捉すべくセットされていたもので、その違反の程度の著じるしいもののみを対象としていたものであること、”).
- ^ a b 大阪地方裁判所 昭和55(わ)3029 昭和56(わ)3219 判決, 判例時報1114 118頁 判例タイムズ525 294頁 (大阪地方裁判所 昭和58年3月16日) (“捕捉する車両の速度は、制限速度を三〇キロメートル毎時以上超過するものに限定して運用していること...本件各オービスIIIによる検挙は、いずれも制限速度を三〇キロメートル毎時以上超過する速度違反を対象としていたものであり...本件各オービスIIIによる検挙されるのは制限速度を三〇キロメートル毎時以上も超過する車両であり”).
- ^ a b c 東京高等裁判所 平成5年(う)606号 判決, 判例時報1500号 192頁 (東京高等裁判所 平成五年九月二四日) (“(四) 被告人が本件写真を撮影された当時、時速三〇キロメートル超過以上(非反則行為)の速度違反車両につき、本件レーダスピードメータが作動し、...当該道路の交通に著しい危険を生じさせるおそれのある大幅な速度超過の場合に限つて、その違反行為(犯罪行為)に対する処罰のため証拠保全として行われるものであれば、所論指摘の憲法一三条によるプライバシーの保護という観点から考えても...このような犯罪行為を行う者に対して事前に証拠保全のための写真撮影が行われることを告知しておく必要はないものと解される...このような形での予告は、運転者らにこのような警告を与えることによつて、速度違反の行為に出ないという自己抑制の効果が生じることを主たる目的としたものと考えれば足り、刑事手続上は、右のように事前の告知は必要ないと解されるので、このような予告板の有無は、右装置による写真撮影の結果を捜査及び刑事訴追に利用することについてなんら影響を及ぼすものではないと解される。...時速三〇キロメートル超過以上という大幅かつ危険な速度超過...が計測された場合に限つて作動し...予告板の有無は、速度違反自動監視装置により撮影された写真を証拠とすることについてなんら影響を及ぼすものではないのであるから”).
- ^ “交通反則通告制度にかかる「軽微な違反」について、一般道路30km/h、高速道路40km/hを軽微とした根拠が掲載された資料を教えてください。”. レファレンス事例詳細. 国立国会図書館 (2015年8月20日). 2020年8月20日閲覧。 “この別表第2の履歴を確認したところ、本表が追加されたのは昭和42年法律第126号による同法一部改正であり、当時は「25km/h」との規定でした。この後、「25km/h」から「30km/h」に改正されたのは昭和61年法律第63号による同法一部改正であり、高速道路における速度「40km/h」が追加されたのは平成5年法律43号による同法一部改正であることがわかりました。”
- ^ a b 星周一郎 2016, p. 179-180ところで、本稿で検討してきたオービスに関する判例・裁判例は、いずれも非反則行為にあたる事案に関するものであった。...学説でも、反則行為にあたるような速度違反についてもオービスで撮影するとなると、法益の比較から見て相当でない場合もありうることを根拠に、僅かな速度違反の場合にはオービスによる取締りは許されず、非反則行為に限るべき旨を示唆する見解もある。
- ^ 警察庁交通局交通企画課 (16 October 2013). 第2回交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会議事概要 (PDF). 交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会. p. 6-7.
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- ^ a b 今井亮一 (2020-01-06), 新型オービスの背後にある警察の野望。スピード違反の取り締まりが民間委託されるのか!?, Clicccar.com , "定置式や追尾式に比べ、オービスの取り締まりは圧倒的に手間がかかるのである。警察庁のデータによれば、2018年のスピード取り締まりは約124万件。うちオービスの取り締まりは約5万件ぽっちだ。ゆえに、手間がかかってもオービスの取り締まりを続けられたという面がある。ところが、オービスを赤切符の制約から解き放ち、青切符の違反も取り締まるようになったら大変だ。"
- ^ a b 今井亮一 (2019-05-09), 第2255号 センシス社の新型オービス、意外なことがいっぱい分かった!, 今井亮一の裁判傍聴バカ一代, まぐまぐ!
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つまり、従来は取り締まりスペースが確保できず、速度違反の取り締まりを行うこと自体が困難であった通学路や生活道路等における取り締まりを実施することで...なお、事後捜査が困難なケースもあり、引き続き、従来の取締装置を活用した取り締まりについても行っていく必要があります。... 昨年12月1日に運用を開始して以降、...2月末時点で44回運用、検挙件数は80件となっております。本年度から運用を開始したこともあり、当面は現有する2台を最大限に活用し...
- ^ a b Philip Wijers (2017-03-15), The Automated Enforcement Chain, Making Traffic Safer
- ^ 研究2, p. 43.
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- ^ 星周一郎 2016, p. 167-170オービスによる撮影の許容性は、制限速度違反の取締り・摘発それ自体の必要性という観点を含めた(1)必要性という要素との相関においても規定されるものであり、前述の諸要素をも勘案すれば、警告板の設置はオービスによる撮影の要件ではないことになろう。...前掲東京高裁平成五年判決がいうように、「運転者らにこのような警告を与えることによって、速度違反の行為に出ないという自己抑制の効果が生じることを主たる目的としたもの」と考えるべきであろう。
- ^ 警察庁, 平成30年度の事業に係る行政事業レビューシート 速度違反自動取締装置 , "事業の目的(目指す姿を簡潔に。3行程度以内)最高速度規制を超過する違反は、死亡事故等重大交通事故に直結するものであることから、天候等に左右されることなく終日年間を通じて取締りが可能な速度違反自動取締装置を整備することにより、悪質な速度違反を効果的に取り締まるとともに、同装置設置路線であることを明示すること等で走行速度の抑制を図ることにより、重大交通事故等の抑止を図る。"
- ^ 東京簡裁昭五二(ろ)四九九号 判決, 判例時報955 21頁 (東京簡易裁判所 昭和55年1月14日) (“捜査機関の運転者に対する警告にとどまるものであるから、...運転者から警告板の文字等が視認できるか否かは制限速度違反罪の成否を左右するものではないことが明らかである。しかしながらオービスIIIによる速度違反取締りが主として自動車運転者の速度違反の抑止効果を最大の目的とするものであるとせられている以上、...走行中の運転者から一目瞭然たるものにすることが捜査機関に果せられた責務であると言わざるを得ない。...その設置位置、警告板自体の大きさ、文字の大きさ等からみて、走行中の運転者が看過するおそれも多い...警告板自体に照明が設置されておらず、また文字に夜光塗料ないし蛍光塗料が施されていない...運転者が見落すおそれのない警告板に改善する等適切な措置を講ずべきであると言うべきである。”).
- ^ 研究2.
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- ^ 東京簡易裁判所 昭和52年(ろ)319号 判決 / 同 昭和52年(ろ)499号 判決, 判例時報955 30頁 判例タイムズ406 67頁 / 判例時報955 21頁 (東京簡易裁判所 昭和55年1月14日) (“警告板(「自動速度取締設置路線」と表示)は、...捜査機関の運転者に対する警告にとどまるものであるから、...運転者から警告板の文字等が視認できるか否かは制限速度違反罪の成否を左右するものではないことが明らかである。しかしながらオービスIIIによる速度違反取締りが主として自動車運転者の速度違反の抑止効果を最大の目的とするものであるとせられている以上...警告板は...その設置位置、警告板自体の大きさ、文字の大きさ等からみて、走行中の運転者が看過するおそれも多い状況にあることが認められる。とくに速度違反が発生しやすい夜間時においては、警告板自体に照明が設置されておらず、また文字に夜光塗料ないし螢光塗料が施されていないので、運転者に比較的気づかれ難いものとなつている。”).
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