粉砕機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/22 03:20 UTC 版)
固体の物質を小片に粉砕するための単位操作を行う。多くの種類の粉砕機があり、粉砕されるものにもまた多くの種類がある。
歴史的に、製粉機の動力としては、人力(石臼、乳鉢など)、家畜の力、風力(風車)、水力(水車)等が用いられてきた。今日では、電力(電気モーター)で動くものもある。
粉砕は、物体を内部の結合力に打ち勝つ大きさの力にさらすことで行われる。粉砕後は、物体の大きさや形は変わっている。
粉砕は、主に以下のような目的で行われる。
- 物体の表面積を増やす。
- 物体を目的の大きさに揃える
- 物体のパルプ化
粉砕の法則
粉砕に関する多くの研究があるにもかかわらず、粉砕の操作と粉砕の結果を結びつけるような公式はまだ得られていない。目的とする粒径に必要な粉砕操作の計算は、粒径によって次の3つの半経験モデルが使われる。
- KICK for d > 50 mm
- BOND for 50 mm > d > 0.05 mm
- RITTINGER for d < 0.05 mm
ここで、W は kJ/kg の単位で表した粉砕の仕事量、dA は粉砕前の物質の大きさ、dE は粉砕後の粒径である。
また、cK 、cB 、cR は粉砕係数であり、dBU = 50 mm、dBL = 0.05 mm(BONDの範囲の上限、下限)、BONDの粉砕係数cB は用いる材料によって異なる。
粉砕度
粉砕の結果を評価するためには、粉砕する前の物質の粒径(1)と粉砕した後の物質の粒径(2)の比である粉砕度で表される。値の定義の仕方にはいくつかの方法がある。
- 粒径d80 を用いる方法。d80 の代わりにd50 や別の粒径が用いられることもある。
- 比表面積を用いる方法。体積に関する比表面積Sv 、質量に関する比表面積Sm は実験で求められる。
- 見かけの粉砕度。粉砕機の口径a を用いて表される。
- ^ 赤尾剛・林弘通・安口正之『食品工学基礎講座 固体・粉体処理』光琳、1988年、30-37頁
- ^ Baron M., Chamayou A., Marchioro L, Raffi J., Adv. Powder Technol., 2005, 16, 3, 199-212.
- ^ 赤尾剛・林弘通・安口正之『食品工学基礎講座 固体・粉体処理』光琳、1988年、30頁
- ^ a b c 赤尾剛・林弘通・安口正之『食品工学基礎講座 固体・粉体処理』光琳、1988年、31頁
- ^ 赤尾剛・林弘通・安口正之『食品工学基礎講座 固体・粉体処理』光琳、1988年、33頁
- ^ 赤尾剛・林弘通・安口正之『食品工学基礎講座 固体・粉体処理』光琳、1988年、32-33頁
- ^ 赤尾剛・林弘通・安口正之『食品工学基礎講座 固体・粉体処理』光琳、1988年、34頁
- ^ 赤尾剛・林弘通・安口正之『食品工学基礎講座 固体・粉体処理』光琳、1988年、36-37頁
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