第四間氷期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/15 04:21 UTC 版)
『第四間氷期』(だいよんかんぴょうき)は、安部公房のSF長編小説。「序曲」「プログラム カード No.1」「プログラム カード No.2」「間奏曲」「ブループリント」の5章から成る。日本で最初の本格的長編SF小説だとされている[1]。万能の電子頭脳「予言機械」を研究開発した博士が、実験台として或る中年男の未来を予言しようとするが、ハプニングに見舞われ事態が思わぬ方向に導かれ、やがて「予言機械」による人類の苛酷な未来予測像と、己の運命が明らかとなる物語。受け容れがたい人類の未来が博士自身の予言機械の未来像であり、それに適応するために、己の研究組織により現在の己が否定されることになるというパラドックスと葛藤が描かれ、日常[要曖昧さ回避]性と未来の関係、現在にとって未来とは何かを問うている[2]。
- ^ a b 奥野健男「安部公房――その人と作品」(『世界SF全集27 安部公房』)(早川書房、1974年)
- ^ a b c d e 安部公房「あとがき」(『第四間氷期』)(講談社、1959年)
- ^ a b c d 「作品ノート9」(『安部公房全集 9 1958.07-1959.04』(新潮社、1998年)
- ^ a b 『新潮日本文学アルバム51 安部公房』(新潮社、1994年)48-49頁
- ^ 安部公房(荒正人・埴谷雄高・武田泰淳との座談会)「科学から空想へ――人工衛星・人間・芸術」(世界 1958年1月号に掲載)
- ^ a b 安部公房「『今日』をさぐる執念」(新聞紙上 1962年)。苅部直『安部公房の都市』(講談社、2012年)122頁
- ^ a b 苅部直『安部公房の都市』(講談社、2012年)128頁
- ^ 「『第四間氷期』のため、日本電信電話公社にてコンピューターの取材写真(1959年)」(『日本現代文学全集103 田中千禾夫・福田恆存・木下順二・安部公房』)(講談社、1967年)。苅部直『安部公房の都市』(講談社、2012年)133頁
- ^ 鳥羽耕史「安部公房『第四間氷期』――水のなかの革命」(早稲田文学『国文学研究』123集、1997年10月)
- ^ 『第五氷河期』:新字新仮名 - 青空文庫
- ^ 堀川弘通「私はあきらめない」(『安部公房全作品4』月報9)(新潮社、1973年)
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