笠岡市 交通

笠岡市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 13:58 UTC 版)

交通

笠岡駅前
西の浜地区から笠岡港と笠岡駅方向を臨む

笠岡駅から福山駅まで山陽本線で最短13分である。福山駅からは山陽新幹線が東京、新大阪方面には日中毎時4-5本、博多方面は4-6本停車する。福山駅からは広島駅まで最短24分、新大阪駅へは1時間、博多駅へも1時間半で到着する事から山陽地方主要都市や関西圏、九州北部へのアクセスも良く、また東京駅へも福山経由で4時間弱で到着する。なお、笠岡市と福山市は結びつきが強く、日常生活圏が重なっていることから地域間の移動が活発であり、一体の交通圏を形成している。[52]

市内を東西に縦貫する山陽本線は幹線であり、上り下り合わせ日中は1時間に2〜4本、通勤時間帯には1時間に6本運行され、福山駅、岡山駅など市外の主要都市を結んでいる。一方で市内に鉄道駅が1駅のみでバス路線も南北に縦貫するものを除くと頻度が非常に低く市内の公共交通機関は非常に貧弱である。そのため自家用車の利用が多い。[49]

鉄道

笠岡駅と大門駅(福山市)の間の距離が7kmほどと長く、大門駅が笠岡市境に比較的近いため、笠岡市西部では大門駅の方がアクセスが良い。山陽本線の開通後、吉浜地区への新駅設置が地元住民により請願されたがJR(当時の国鉄)側と市側で折り合いが付かず、ほぼ白紙状態となっている。

山陽新幹線新倉敷駅 - 福山駅間で当市を通過しているが、ほとんどがトンネル区間である。市内に新幹線の駅はなく最寄りの新幹線駅は福山駅である。なお、JR以外に笠岡市と井原市矢掛町福山市神辺町とを結ぶ軽便鉄道である井笠鉄道(私鉄)の路線が1913年から1971年まで存在した。

観光列車「La Malle de Bois」により運行される「ラ・マル しまなみ」(岡山 - 尾道)は、市内を通過するが笠岡駅には停車しない。

バス

全国的にはバス会社は地域ごとに存在するため、県境を越える路線バスは比較的希少であるが井笠バスカンパニーの主な営業エリアが笠岡市、福山市に跨がり越境路線が多く存在している。

  • 井笠バスカンパニー(2013年4月1日から)
    • 路線バス - 笠岡駅、福山駅をターミナルとし笠岡市内、井原市矢掛町方面などを結んでいる。井笠鉄道が市内から福山、井原などにかけて路線を運行していたが沿線の過疎化や規制緩和などによる経営悪化のため経営破綻し2012年10月31日をもって同社の運行は打ち切られた。なお廃止時点では井笠鉄道の運行する全てのバス路線は赤字路線であったという。[53]翌日より2013年3月31日までの緊急的措置による暫定運行を経て、主要路線は現行の井笠バスカンパニー(中国バス・グループの100%子会社)に引き継がれた。
  • 中国バス
    • 高速バス - カブトガニ号:笠岡市役所前など市内数カ所を経由し、福山(神辺)~大阪間を運行。

道路

航路

伏越地区の新笠岡港全景

笠岡諸島を笠岡港(住吉乗り場・伏越港)から客船・高速船で結ぶ路線がいくつかの会社によって運行されている。

  • 三洋汽船
    • 佐柳本浦航路(笠岡→神島→高島→白石島→北木島→真鍋島)
    • 飛島・六島航路(笠岡→神島→高島→飛島→六島)
    • 白石島航路
  • 大福丸(笠岡フェリー)
    • 北木島航路
  • 金風呂丸(瀬戸内クルージング)
    • 白石島・北木島航路

空港

  • 笠岡ふれあい空港 - 笠岡湾干拓地に農道空港として建設され、1990年に開港。旅客便はこれまで発着したことがない。現在定期便はないが遊覧飛行(予約制)が行われることがある。
  • 岡山空港広島空港へはいずれも公共交通機関利用で1時間半ほどでアクセス可能である。また福山駅から新幹線経由で福岡空港まで2時間ほど。



注釈

  1. ^ 2018年豪雨では、多くの場所で土砂崩れが起こり死者も発生した。
  2. ^ 東京都は年平均気温:15.4℃ 年降水量:1528.8 mm(気象庁)である。
  3. ^ 短大以上の高等教育機関は市内に存在しない。詳細は笠岡市#教育も参照。
  4. ^ 運輸支局は倉敷には設置されず、引き続き岡山市に置かれている。
  5. ^ その後里庄町・矢掛町は単独で存続し、井原市は後月郡芳井町・小田郡美星町を編入、鴨方町・金光町・寄島町の3町が合併し浅口市が成立した。
  6. ^ 城下東端の三吉町に臨時代官所が置かれた(三吉陣屋)。
  7. ^ 福山藩の代官であった山木与三左衛門が初代代官に任命される。以後現在の市域の大部分は幕末まで42代170年の幕府代官支配が行われる。
  8. ^ 跡地は戦後埋め立てて拡張され日本鋼管(現JFEスチール)福山製鉄所が造られた。
  9. ^ 北川地区では尾坂川の堤防が決壊し広い範囲が浸水し、茂平地区では土砂崩れに巻き込まれ生き埋めになった2人が死亡した。
  10. ^ 笠岡港港町地区(新笠岡港)は港則法・関税法・検疫法・入国管理法・港湾運送事業法の各法上、福山港に含まれ港湾管理者は広島県である。
  11. ^ 笠岡市を本拠とするスーパーマーケットチェーンワシンが2008年まで営業していたが、その後廃業した。
  12. ^ 福山市からの通学者が多く見られる。
  13. ^ 定員の5%の全国募集枠が2019年より設定されている。
  14. ^ 2008年に西大島~茂平間は開通したが、国道などに接続しない孤立区間である。福山市部分の建設は実質的に停止している。
  15. ^ ちなみに壇内市という名称はラヴクラフトの作品『ダンウィッチの怪』からの借用である。
  16. ^ 「芋代官」あるいは「芋殿様」と呼ばれる。
  17. ^ 寛政の日本三名代官の一人、敬業館の創設者。

出典

  1. ^ 笠岡のおいたち - 笠岡市ホームページ”. www.city.kasaoka.okayama.jp. 2019年3月29日閲覧。
  2. ^ 笠岡のおいたち - 笠岡市ホームページ”. www.city.kasaoka.okayama.jp. 2019年3月29日閲覧。
  3. ^ ブリタニカ国際大百科事典 
  4. ^ 笠岡市 (2015年8月24日). 笠岡市人口ビジョン. 
  5. ^ 笠岡市の人口・世帯数 - 笠岡市ホームページ”. www.city.kasaoka.okayama.jp. 2023年4月2日閲覧。
  6. ^ 笠岡の干拓と埋立の歴史(近代)|笠岡市ホームページ
  7. ^ 藤井 さやか (2009). “新産業都市や工業整備特別地域における 土地利用整序の再検討に関する研究”. 平成 21 年度国土政策関係研究支援事業 研究成果報告書. 
  8. ^ 知ってる!? 悠久の時が流れる石の島~海を越え,日本の礎を築いた せとうち備讃諸島~(笠岡市)
  9. ^ a b c 笠岡市上下水道部水道課 (平成27年). 笠岡市水道事業ビジョン. p. 7. 
  10. ^ 岡山の「河川」概要 - 岡山県ホームページ(河川課)”. www.pref.okayama.jp. 2019年5月12日閲覧。
  11. ^ “[www.naro.affrc.go.jp 日本土壌インベントリー]”. 日本農研機構. 2019年6月23日閲覧。
  12. ^ 特殊土壌地帯指定地域一覧|農林水産省
  13. ^ 気象庁|過去の気象データ検索”. www.data.jma.go.jp. 気象庁. 2023年7月9日閲覧。
  14. ^ 笠岡 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月21日閲覧。
  15. ^ [1]
  16. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “日本唯一の「海の上の病院」が23年ぶり新造 瀬戸内海の離島医療守る「済生丸」4代目が15日に就航”. 産経WEST. 2019年3月8日閲覧。
  17. ^ 内閣府地方創生推進事務局. “歩いて暮らせる笠岡駅周辺にぎわい創生計画” (pdf). 地域再生計画: https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/dai40-2nintei/plan/a316.pdf. 
  18. ^ 岡山県 (平成17年1月). 地方振興局の再編. 
  19. ^ 井原市 (2010). 井原市産業振興ビジョン. 
  20. ^ 福山市 (2015). 福山市総合戦略. p. 8. 
  21. ^ ○福山市と笠岡市との間の事務の委託に関する規約|昭和57年4月1日 議決第48号
  22. ^ 【ニトリ】アウトレット家具 通販”. 家具・インテリア・生活雑貨通販のニトリネット. 2019年9月23日閲覧。
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  24. ^ 干拓地関連年表(完成紹介)|笠岡市ホームページ
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  31. ^ 小林博志 (2017). “市町村合併、分村・分町と住民投票制度”. 西南学院大学法学論集 50巻1号: 1~40ページ. 
  32. ^ 指定地の現状 - 笠岡市ホームページ
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