硫黄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/20 08:42 UTC 版)
硫黄の化合物
硫黄のオキソ酸
硫黄は数種のオキソ酸を作る。もっとも有名なのものに硫酸(H2SO4)がある。
その他の硫黄化合物
塩
生物における硫黄化合物
硫黄化合物は生物でも不可欠な役割を果たしている。ビタミンB1とB7(ビオチン、ビタミンHとも)に含まれる。
植物の根では、硫黄は硫酸イオンの形で吸収され、還元されて最終的に硫化水素となってから、システインやそのほかの有機化合物に取り込まれる。
アミノ酸ではシステインとメチオニンが硫黄を含み、それらがさらにペプチド・蛋白質に取り込まれる。そのほか含硫アミノ酸としてはホモシステインとタウリンがあり、これらはペプチド・蛋白質には取り込まれないが代謝上は重要である。
蛋白質のシステイン残基にあるチオール基は、システインプロテアーゼなどの活性中心として機能する。また1対のシステイン残基の間にジスルフィド結合(S-S結合)が形成され、蛋白質の高次構造(三次構造・四次構造)を形成・維持するうえで重要である。顕著な例として、羽毛や毛髪が力学的・化学的に頑丈なのは、主要蛋白質ケラチンに多数のS-S結合が含まれていることが大きな要因である。これらを燃やしたときの特異なにおい、またゆで卵のにおいも、おもに硫黄化合物による。
硫黄を含む低分子ペプチドとして特に重要なのはグルタチオンで、細胞内でそのチオール基により還元剤として、あるいは解毒代謝に働いている。またアシル基に関係した多くの反応は、たとえば補酵素A、α-リポ酸などの、チオール基を含む補欠分子を必要とする。
一部の光合成・化学合成細菌では、硫化水素が水の代わりに電子供与体として使われる。多くの生物の電子伝達系で、硫黄と鉄からなる鉄-硫黄クラスターが働いている(フェレドキシンなど)。また呼吸鎖のシトクロムc酸化酵素の銅中心CuAにも含まれる。
地球上の硫黄循環
潮臭さに代表されるように、海の微生物が分解され、それがジメチルスルフィドや硫酸イオンなどになり、大気中を移動することが知られている。気象とも関係を持ち、雲の核となり地上に雨とともに降りて、海や地上の微生物や植物などの生物へと循環していると考えられている。
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- ^ 政治よ追いつけ1 エネルギー革命 進歩の陰に犠牲続出『朝日新聞』1969年(昭和44年)12月15日夕刊 3版 10面
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