真空解 (一般相対性理論)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/29 20:12 UTC 版)
例
明示的な真空解として良く知られているものを下に挙げる。
- ミンコフスキー時空(宇宙定数が零の場合の何もない空間を記述する)
- ミルンモデル(E. A. Milne が曲率を持たない空っぽの宇宙を記述するために開発したモデル)
- シュワルツシルト真空(球対称な質量の周りの時空を記述する)
- カー解(回転する物体の周りの時空を記述する)
- Taub-NUT真空 (孤立した物体の外部重力場が奇妙な性質を示すことを記述するための有名な反例)
- Kerns–Wild真空(Robert M. Kerns, Walter J. Wild 1982)(「ほぼ均一」な重力場環境に置かれたシュワルツシルト物体)
- ダブルカー真空(同一の回転軸を持つ二つのカー物体が無限遠から非物理的な質量のない「ケーブル」によりつるされて一定距離だけ離されている場合)
- カーン・ペンローズ真空 (K. A. Khan, Roger Penrose 1971) (単純な衝突平面波モデル)
- オスヴァス・シュッキング真空 (円形に偏極した正弦重力波、もう一つの反例)
- カスナー計量
これらは全て、一つもしくは複数のより広い解の分類に属する。
- ワイル真空(Hermann Weyl)(全ての定常真空解から成る分類)
- ベック真空 (Guido Beck 1925) (全ての非回転軸対称真空解から成る分類)
- エルンスト真空 (Frederick J. Ernst 1968) (全ての定常軸対称真空解から成る分類)
- エーラース真空 (Jürgen Ehlers) (全ての軸対称真空解から成る分類)
- セケレシュ真空 (George Szekeres) (全ての衝突平面重力波から成る分類)
- ゴウディ真空 (Robert H. Gowdy) (重力波から構成される宇宙論モデル)
ここに挙げた分類は適切な線形もしくは非線形の実もしくは複素偏微分方程式の解の集合であり、そのいくつかは時には驚くほど緊密な関係性を持つことがある。
これらに加えて、真空pp波時空と呼ばれる重力平面波も存在する。
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