真空管 形態

真空管

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/08 20:34 UTC 版)

形態

真空管の形状(左からナス管、ST管、GT管、mT管)

おおむね6つの形態がある。

  • ナス管(1930年代まで)
  • ST管(1930年代 - 1950年代)
  • GT管(1940年代 - 1950年代)
  • mT(ミニチュアあるいはミニアチュア)管(1950年代 - 末期)
  • サブミニチュア(ミニアチュア)管(1960年代 - 末期 1941年にRCA社で補聴器用に開発、1942年に試作・量産開始された近接信管に使用された事で有名)
  • ニュービスタ[20]管(1960年代 - 末期)

ST管は上部のくびれ形状[21]下部のテーパー形状[22]から「ST管」と呼ばれるようになったとされている。俗称は「ダルマ管」である。この他に外装を金属としたメタル管がある。メタル管は金属の筒で覆われているため、外から内部を見ることはできず、放熱効率を高めるため一般的に黒く塗装されている。メタル管は大文字を使いMT管と表記することがある。これはミニチュア管と区別するためである。さらに1本で2本分の働きを持たせた複合管(双三極管・三極五極管など)がある。

mT管以降の小型真空管は、機器単体に多くの真空管を利用するようになり、その小型化、多様化需要によって主力となったものである。

ただ、小型の真空管そのものは真空管実用化の初期にはすでに作られており、1919年頃には「ピーナッツ・チューブ」と呼ばれる、mT管よりも若干大きめの真空管、WE-215Aが登場している。しかしこれは初期の真空管の使用が電池蓄電池乾電池)に頼っていたことから、その主な目的は節電であり、WE-215Aなどは「経済管」とも呼ばれていた。

発熱する真空管では無理な小型化は望ましいものではなく(激しい温度変化による材料の大きな膨張伸縮により、特に電極部に損傷が生じやすく、この部分からの外気侵入が問題となる)、その後間もなく電灯が普及し、電灯線交流電源)による使用が一般化したことから、メタル管が登場した1935年以降、一部の目的を除き、民需には主にST管、軍需には主にメタル管という状態になった。

真空管はRCA社のメタル管により技術的にほぼ完成されたものとなったが、メタル管は軍需により開発されたものであり、コスト高であった。そこで低コストでメタル管に劣らない諸特性を持つものとしてGT管[23]が考案され、主に民需用として用いられた。 GT管は米国ではかなり普及したが、日本では太平洋戦争の影響と特許の関係であまり生産されず、戦後、ST管から直接、mT管へとその需要が移行した。

第二次世界大戦後の本格的な需要により、真空管本体とピンを一体としたmT管が主力となり、世界各国で広く生産された。その後、ピンを廃してリード線をそのまま真空管本体から引き出すことにより、さらに小型化したサブミニチュア管が作られた。

そしてトランジスタとの市場競争となった末期のニュービスタ管は、プリント基板に搭載して使用する目的のため、当時のトランジスタと同じ程度の大きさまで小型化が進められた。

なお、現在[いつ?]も生産が続けられているオーディオ用真空管(後述)などでは、オリジナルのものはメタル管やGT管であっても、ガラス管部がST管形状となっているものなどもある。




  1. ^ アメリカ英語では「管」にあたる部分を「tube チューブ」、イギリスでは「valve バルブ」などと呼ぶ。
  2. ^ : electron tube
  3. ^ : thermionic valve
  4. ^ 「電子管」は熱電子を利用しないものなど、より広い範囲の素子を指して使われることもある。
  5. ^ 広辞苑第六版【真空管】定義文
  6. ^ 広辞苑第六版【真空管】定義文の後の叙述文
  7. ^ : diode
  8. ^ : triode
  9. ^ : tetroiode
  10. ^ : pontoode
  11. ^ : rectifier
  12. ^ 平凡社『世界大百科事典』vol.14, p.261【真空管】
  13. ^ Bijl著「The Thermionic Vacuum Tubes and It's Applications」、1920年
  14. ^ どちらも直熱型三極管
  15. ^ タイン著「Saga of Vacuum Tube」、1977年
  16. ^ 後のUZ-2A5。
  17. ^ 浅野勇著「魅惑の真空管アンプ 上巻」
  18. ^ 『週刊ワールドエアクラフト』2001/6/12号、P11
  19. ^ 複数の部品取り用の機器から1台を整備。
  20. ^ : Nuvistor
  21. ^ : strangle
  22. ^ : taper
  23. ^ GTは「glass tube」の略とされる。
  24. ^ : Radio News
  25. ^ : Clyde Fitch
  26. ^ : Reflector-JSC(ロシア語ラテン翻字)
  27. ^ : Svetlana-JSC(ロシア語ラテン翻字)
  28. ^ : JJ-Electronic
  29. ^ : Shuguang(ラテン翻字)
  30. ^ : Groove Tubes
  31. ^ : Ruby
  1. ^ 高周波での増幅特性で半導体素子を凌駕する事は現在でも珍しくはない。事実、高信頼性と低消費電力が要求される放送衛星通信衛星等の人工衛星では現在でも送信用に真空管の一種である進行波管が使用される







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