相当温位 相当温位の概要

相当温位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/04/13 04:52 UTC 版)

相当温位は、空気自体が持つと空気中の水蒸気が持つ潜熱を足した熱の総量を、同じ参照気圧に換算することで比較できるようにした値である。空気塊の中で凝結・降水により水が分離してもその空気塊の相当温位は変化しない、つまり保存される。そのため、空気塊が持つ上昇力を知るために非常に適した値で、大気の安定度を示す値の1つとして利用されている。

目次

相当温位は \theta_{e} で表され、以下の式をもって表現される。

 \theta_{e} = \theta \exp\left(\frac{L w_{s}}{C_{p} T_{d}}\right)

このとき \thetaは温位、Lは凝結により放出される潜熱の定数値(約2500000)(J/kg)、wsは空気塊が持ち上げ凝結高度に達した時の飽和混合比、Tdは空気塊の露点温度K)、そしてCpは一定圧力での比熱容量(J K-1 kg-1)である。

上記式を温位を使わずに表すと以下の通り。

\theta_e = T \exp \left( \frac{L w_s}{c_p T_d} \right) \left( \frac{p_0}{p} \right)^{\frac{R}{c_p}}

Tは空気塊の現在の気温(K)、Rは大気の気体定数(8.31447)(J K-1 mol-1)、pは現在気圧(hPa)、p0は参照気圧1000(hPa)である。

また、相当温度Teを使って表すと以下の通りとなる。

\theta_e = T_e \left( \frac{p_0}{p} \right)^\frac{R}{C_p} \approx \left( T + \frac {L}{C_{p}} w_{s} \right) \left( \frac{p_0}{p} \right)^\frac{R}{C_p}

相当温位と気象

相当温位は性質上、気温が高いほど、また湿度が高い(=水蒸気量が多い)ほど、大きくなる。また、このような状態を対流不安定といい、擾乱の大きさによって安定度が変わるので潜在不安定ともいう。気温・湿度ともに高度が高くなるほど低下するため、大気を長期的に観測してその平均をとれば、相当温位は高度とともに減少する。しかし、実際の大気では、中層への暖湿流の流入や、下層への乾燥大気の流入などの移流によって、不均一な状態になることが多く、時に逆転することがある。

大気の鉛直構造、つまり大気の上下方向において、相当温位が高度とともに減少する割合(逓減率)が大きいほど、大気は不安定になる(対流不安定度・潜在不安定度が増す)。これは、相当温位の大きい大気ほど上昇する力(ポテンシャル)が強いためである。

乾燥断熱過程、湿潤断熱過程(凝結した水が空気塊の中に保存される)において、相当温位は保存される。偽断熱過程(凝結した水が降水分離によって空気塊から取り去られる)において、相当温位は保存されない。つまり、雨を降らせたり気温が変化したりしない限り、大気の相当温位は保存されるので、相当温位を観測すれば乾燥大気や暖湿流の移流が推定できる。これを利用して、相当温位の時間-高度分布図を用いて集中豪雨を解析する手法がある。

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