皇室用客車 賢所乗御車

皇室用客車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 09:37 UTC 版)

賢所乗御車

1915年(大正4年)に行われた大正天皇の御大礼(即位式)の際に、賢所(御神体)の輸送用に製作された車両である。この車両には霊柩車同様、形式、記号、番号のいずれもが付与されていない。1928年(昭和3年)の昭和天皇の御大礼の際にも使用された。

旧外地皇室用客車

台湾鉄路管理局SA4101

台鉄SA4101

1912年に台湾総督府鉄道トク2として製造された木造ボギー車である。元々皇太子嘉仁親王の台湾視察に供するため製作されたものだが、明治天皇崩御により、10年後の皇太子裕仁親王の台湾視察の際に、ようやくお召し列車として運用された。皇太子専用車両であり、朝鮮皇太子李垠も乗車したことがある。戦後は内装の一部改装が行われ、蔣介石専用の「花車」SA4101となり、蔣介石の福隆への行楽などに何度か使用された。1968年、新しい空調付き特別車が完成したことにより、この車両は予備車となるが、今までも特殊車両として大切に保管されている。

台湾鉄路管理局SA4102

台鉄SA4102

1904年にトク1として製造された。皇族用車両ではなく、台湾総督など要人用の特別車両である。戦後はトク2同様に一部改装が行われ、宋美齢専用の「花車」SA4102となった。

記念切符

  • 1976年、国鉄は天皇ご在位五十年を記念した記念切符を発売。1号御料車(初代)、12号御料車、3号御料車(3代)、1号御料車(3代)を印刷した急行券4枚で、全国主要46駅で約30万枚が用意された[12]
  • 1986年近畿日本鉄道は天皇在位六十年を記念した記念切符を発売。1932年(昭和7年)に、お召し電車として使用された300形電車の外観と車内の写真が配されたデザインであった[13]

  1. ^ 大正時代のれんが造り「御料車庫」の解体が始まる 失われる東京・品川の鉄道遺構 JR東日本が再開発”. 東京新聞 (2023年4月2日). 2023年5月11日閲覧。
  2. ^ a b c d 竹内正浩 (2010-9-10). 鉄道と日本軍. 筑摩書房. pp. 34-35. ISBN 978-4480065698 
  3. ^ 運輸局客貨車課「御料車第2号編成の更新改造について」『車両と電気』第10巻第6号、車両電気協会、1959年6月 17-18ページ
  4. ^ 大井工場「皇太子殿下及び同妃殿下の御乗車になられた御料車第2号について」『鉄道工場』第10巻第5号、レールウエー・システム・リサーチ、1959年5月 2-4ページ
  5. ^ 天皇と直接の血縁関係にある皇族のこと。この場合は秩父宮高松宮三笠宮の三宮家を指す。
  6. ^ プロムナード 展示車両紹介 - 京都鉄道博物館
  7. ^ 星晃『回想の旅客車 特ロ・ハネ・こだまの時代』上(学習研究社、2008年) 御料車と貴賓電車 p143~p146
  8. ^ 東日本旅客鉄道鉄道事業本部運輸車両部車両運用計画グループ 白土裕之「3月15日ダイヤ改正 JR東日本 客車・機関車の動き さようならEF58 61、夢空間、ゆとり…」『Rail Magazine』2008年4月号(通巻295号)、ネコ・パブリッシング。
  9. ^ 鈴木啓之「英照皇太后の霊柩車となった御料車―京阪間最初の御料車の変転―」鉄道史料1985年11月号(第40号)、鉄道史資料保存会
  10. ^ 弔砲四十八発、葉山から東京に還御『東京日日新聞』昭和元年12月28日(『昭和ニュース事典第1巻 昭和元年-昭和3年』本編p363 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  11. ^ 鉄道省が桧造りの霊柩車を準備『大阪毎日新聞』昭和元年12月28日(『昭和ニュース事典第1巻 昭和元年-昭和3年』本編p364)
  12. ^ 記念切符を発売『朝日新聞』1976年(昭和51年)10月13日朝刊、13版、22面
  13. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、71頁。ISBN 978-4-10-320523-4 


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