熱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 05:31 UTC 版)
工学と熱
工学における伝熱
一般に伝熱を扱う工学分野として機械工学と化学工学がある。「熱」の定義にはエネルギーの移動が含まれているが、「伝熱」という用語は工学などの場面で古くから使われてきた。伝熱は様々な機器や過程の設計・運用にとって重要な要素である。
伝熱は、[熱伝導]の機構でなされる。対流や放射は熱の移動形態ではなく、エネルギー移動形態であり、その機構について挙動を説明する別個の物理法則が発見されているが、実際のシステムではこれらが複合的に作用することがある。システムの伝熱を近似的に推定するための様々な数学的方法が開発されてきた。
熱から仕事への変換
仕事は熱に容易に変換することができるが、熱を仕事に変換するのは容易ではない。熱を仕事に変換する装置は熱機関と呼ばれている。また熱機関による熱から仕事への変換効率のことを熱効率といい、通常(イータ:ギリシア文字)で表される。熱機関に与えられた熱を 、得られた仕事を とすれば、 となる。熱機関においては、いかなる装置でも高温の熱源から低温の熱源への熱の流出を完全に防ぐことはできないため、 となる(すなわち、与えた熱を完全に仕事に変換できる)熱機関は存在しえない(熱力学第二法則)。このことは永久機関の存在の不可能性とも関連がある。
- ^ Discourse on Heat and Work - Department of Physics and Astronomy, Georgia State University: Hyperphysics (online)
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- ^ 計量法 別表第1、「熱量」の欄
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- ^ BIPM 著、産業技術総合研究所 計量標準総合センター 訳『国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版』産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2020年3月 。 p.133 右下の欄外注記:現代の「熱量」の英語表記は quantity of heat でなく amount of heat である。なぜなら、計量学において単語 quantity に別の意味が有るからである。
- ^ Cengel, Yungus, A.; Boles, Michael (2002). Thermodynamics: An Engineering Approach (4th ed.). Boston: McGraw-Hill. pp. 17–18. ISBN 0-07-238332-1
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- ^ Clausius, R. (1865). The Mechanical Theory of Heat] –with its Applications to the Steam Engine and to Physical Properties of Bodies. London: John van Voorst, 1 Paternoster Row. MDCCCLXVII.
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