演歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/15 22:30 UTC 版)
演歌(艶歌、怨歌)
Enka | |
---|---|
様式的起源 | 演説歌、民謡、浪曲、歌謡浪曲、流行歌等 |
文化的起源 |
年代不明 日本 |
使用楽器 |
ボーカル ギター マンドリン ベース ドラムセット ヴァイオリン 三味線 尺八 和太鼓 拍子木 ヴィブラスラップ 等 |
融合ジャンル | |
演歌メタル、ニューアダルトミュージック | |
関連項目 | |
歌謡曲、J-POP、フォークソング、和風ロック |
- 明治時代の自由民権運動において政府批判を歌に託した演説歌の略[1]。
- 1920年代「船頭小唄」流行頃には演歌師が活動していた[2]。
- 1960年代半ばに日本の歌謡曲から大衆芸能として人気となったジャンルで、日本人独特の感覚や情念に基づく娯楽的な歌曲の分類の一つである。当初は同じ音韻である「艶歌」[注釈 1]や「怨歌」[注釈 2]の字も当てられていたが、1970年代初頭のビクターによるプロモーションなどをきっかけに「演歌」が定着した[1]。なお、音楽理論的には、演歌の定義はない。
ここでは1.2.3含めて概説する。
注釈
- ^ 1968年の水前寺清子の歌に「艶歌」がある(作詞五木寛之、作曲安藤実親)。
- ^ 藤圭子など。
- ^ 「ド」は弩級戦艦の「ド」にちなむ。
- ^ 軍歌はもちろんだけど演歌も大嫌い。情けなくなるの。狭い穴の中に入っていくようで望みがなくなるのよ。私は美空ひばりは大嫌い。人のモノマネして出て来たのよ。戦後のデビューの頃、私のステージの前に出演させてくれっていうの。私はアルゼンチン・タンゴを歌っているのに笠置シヅ子のモノマネなんてこまちゃくれたのを歌われて、私のステージはめちゃくちゃよ。汚くってかわいそうだから一緒に楽屋風呂に入れて洗ってやったの。スターになったら、そんな思い出ないやっていうの。 — 西村建男「余白を語る――淡谷のり子さん」朝日新聞1990年3月2日
- ^ 直接的には米国由来の戦後の音楽文化、広くは戦前以来のプチ・ブルジョア文化としてのレコード歌謡を指している。
- ^ 朝日新聞1964年12月13日付では、オリンピック不況の世相から、翌年は「演歌」ブームがやってくる、と予測している。日本調の曲について「演歌」という表現が用いられている初例である。
- ^ もっとも演歌の場合はキャンペーンなどでの手売りの割合が大きく、レコード店での売上を対象とするオリコン等のチャートに反映されない売上が相当あるという指摘もある。[38]
- ^ オリコン調べによると演歌のシェアは2000年頃は3%程度だったが、2003年は7.7%、2004年上半期は8.6%[40]。
- ^ 2020年代では、TOKYO MX・tvkでは演歌のレギュラー番組は自社制作・他社制作番組のネットいずれも存在しないが、シニア向けの音楽番組として『童謡コーラス♪ 名曲大合唱』がある。tvkでは視聴者参加型カラオケ企画の『歌で100チャレ』(千葉テレビ放送制作の、『ちば朝ライブ モーニングこんぱす』内コーナー)がネットされているが、大多数がJ-POPでの挑戦である。
- ^ 曲のパートが再編成され、修正を目的として明瞭なドラムビートなどの目立たない程度の演奏が追加されるが、全体的な音色はそのまま残すよう編集したもの。
出典
- ^ a b 輪島裕介『創られた「日本の心」神話 ― 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』光文社〈光文社新書〉、2010年10月15日。ISBN 978-4-334-03590-7。
- ^ 永嶺 重敏. “歌う大衆と関東大震災「船頭小唄」「籠の鳥」はなぜ流行したのか、永嶺 重敏(著)”. 青弓社. 2022年2月4日閲覧。
- ^ 永嶺 重敏. “歌う大衆と関東大震災「船頭小唄」「籠の鳥」はなぜ流行したのか、永嶺 重敏(著)”. 青弓社. 2022年2月4日閲覧。
- ^ “演歌・歌謡曲の定番曲 昭和のヒット曲から新曲まで”. 株式会社USEN (2022年6月17日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ a b “演歌・歌謡曲とはなにか~ラップとの音楽的共通性~”. 中将タカノリ (2013年4月9日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “加波山事件と富松正安「思想」の一考察”. 飯塚彬 法政大学史学会 (2013年6月24日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ 輪島, pp. 50–53.
- ^ 輪島, pp. 53–56.
- ^ 輪島, pp. 59–61.
- ^ 輪島, pp. 61–64.
- ^ 輪島, pp. 70–72.
- ^ 輪島, pp. 72–74.
- ^ 輪島, pp. 74–75.
- ^ 輪島, pp. 189–195.
- ^ 輪島, pp. 82–92, 195–197.
- ^ “都はるみと阿久悠の演歌ルネサンス” (PDF). 平山朝治 (2016年1月1日). 2023年6月2日閲覧。
- ^ 輪島, pp. 76–84.
- ^ 輪島, pp. 103–108.
- ^ 輪島, pp. 111–121.
- ^ 輪島, pp. 123–142.
- ^ 輪島, pp. 174–176.
- ^ 輪島, pp. 199–207.
- ^ 輪島, pp. 208–219.
- ^ 五木寛之 (1972), “艶歌”, 蒼ざめた馬を見よ, 文芸春秋
- ^ 輪島, pp. 221–239.
- ^ 絓秀実氏との対談(2015年3月3日)・その5|外山恒一|note
- ^ 輪島, pp. 239–241.
- ^ 輪島, pp. 143–148.
- ^ 『怨歌の誕生』初出:オール讀物(文藝春秋)1970年10月、1971年『 四月の海賊たち』で単行本化
- ^ 輪島, pp. 252–263.
- ^ 輪島, pp. 271–272.
- ^ 輪島, pp. 275, 286.
- ^ 輪島, pp. 298–300.
- ^ 輪島, pp. 294–295.
- ^ 輪島, pp. 304–308.
- ^ 輪島, pp. 308–316.
- ^ 『オリコン年鑑 1997年版』オリコン、1997年、5頁。(但し該当ページにはノンブル表記なし)
- ^ 「演歌は死んだのか レコード会社は前向き」『日本経済新聞』1991年3月9日付朝刊、39頁。
- ^ オーロラ人気は「演歌も売り方次第」の時代、ZAKZAK、1997年4月15日。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
- ^ a b 「演歌、存在感じわり回復 話題と地道さ両面でPR(トレンド)」『朝日新聞』2004年7月29日付朝刊、27頁。
- ^ “関ジャニ∞(エイト)、演歌としては17年ぶりの1位に!!”. オリコンニュース (2004年9月28日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “他の年代とは大きく異なる、「60代」の音楽傾向”. 株式会社インプレス (2016年4月12日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ ““一強”氷川きよしの活動休止 新時代を担う演歌「四天王」とは”. 太田サトル (2023年1月2日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “島津亜矢「いつかやってみたかった」初のポップスコンサート 邦楽、洋楽のヒット曲17曲歌い上げる”. 中日スポーツ (2023年6月10日). 2023年8月9日閲覧。
- ^ “歌謡界にも「第7世代」注目理由はSNS駆使、個性派ぞろい、共通した目標”. 日刊スポーツ. (2021年10月11日) 2021年11月30日閲覧。
- ^ “【演歌第7世代とは?】令和の演歌界をけん引する歌手の特徴と第1~第6世代の歴史”. うたびと (2021年11月8日). 2021年11月30日閲覧。
- ^ “設定どういうこと!? 小林幸子、 マジの“ラスボス”になるマンガ『異世界小林幸子』が連載スタート”. ITmedia.inc (2023年5月6日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ a b “『日本人のおじさんがなぜか海外で大人気!youtubeの再生回数もあっという間に100万回突破!』”. 株式会社テイチクエンタテインメント (2014年5月17日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “演歌歌手 神野美伽「40周年」 昭和歌謡のスケール感じて”. 大阪日日新聞 (2023年2月12日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “明日の「八代亜紀いい歌いい話」新春2時間SPで八代亜紀のパリスペシャルコンサートに密着”. 全日本歌謡情報センター (2023年1月4日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “Re-Edit(リエディット)とは – 音楽用語”. 洋楽データバンク (2023年5月13日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “細川たかし Night Tempo presents ザ・昭和グルーヴ”. 日本コロムビア株式会社 (2022年7月1日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “트로트” (朝鮮語). 한국민족문화대백화사전. 2022年5月20日閲覧。
- ^ “RZA SUING PIANIST MEIKO KAJI OVER SAMPLE INFRINGEMENT ALLEGATIONS”. HipHopDX (2013年3月1日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “ポルトガル音楽のファドってなに?楽しみ方から有名歌手も紹介!”. ポルトガルトラベル (2021年7月6日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “まるで日本! 演歌?歌謡曲? 驚愕のゴアのローカルミュージック!”. 軽刈田 凡平 (2018年12月10日). 2023年6月6日閲覧。
演歌と同じ種類の言葉
- >> 「演歌」を含む用語の索引
- 演歌のページへのリンク