水酸化ナトリウム 性質

水酸化ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/09/12 01:44 UTC 版)

性質

常温では無色無臭の固体試薬としては白色の球粒状やフレーク状であるものが多い。融点 591 K沸点 1661 K、密度2.13g·cm-3潮解性が強く、空気中に放置すると徐々に吸湿して溶液状となる。

に易溶(20 °C での溶解度は 1110 g·dm−3)。水中で完全に電離水酸化物イオンを放出するため、強いアルカリ性を示す。また、水に溶かす際に激しく発熱し (溶解熱は 44.5 kJ·mol-1)、その水和および溶解エンタルピー変化は以下の通りである[1]。水溶液を濃縮すると一水和物NaOH·H2Oが析出する。

\rm NaOH(s) + H_2O(l)\ \overrightarrow\longleftarrow \ NaOH \cdot H_2O(s),    \mathit{\Delta} H^\circ = -23.10 \mbox{kJ mol}^{-1}
\rm NaOH(s) \ \overrightarrow\longleftarrow \ Na^+(aq) + OH^-(aq),    \mathit{\Delta} H^\circ = -44.51 \mbox{kJ mol}^{-1}

二酸化炭素を吸収する能力が強く、水溶液は実験室においてその吸収剤として用いられる。

\rm 2 NaOH + CO_2 \ \longrightarrow \ Na_2CO_3 + H_2O

市販の製品は多少の炭酸ナトリウムを含んでいる(空気中の二酸化炭素と反応して表面に生成されるものも含む)が、50 %(d = 1.52 g·cm-3, 19 mol·dm-3)程度の濃厚水溶液では、炭酸ナトリウムはほぼ完全に沈殿しこれを含まない水溶液の調整が可能となるため、分析化学において中和滴定などに用いられる。

工業用にはフレーク状やビーズ状のものもあるが、通常まとまって使用する場面では48%水溶液(工場出荷時の質量%)が流通しており、凝固点約 10 °C沸点約 138 °C。性状は無色透明からやや灰色。密度は約 1.5 g · cm-3。固体および水溶液伴に空気中の二酸化炭素を吸収し炭酸ナトリウムを生じるため密栓して保存する必要があるが、ガラスを徐々に侵しケイ酸ナトリウムを生じて固着するため、ガラス瓶、特にすり合わせの栓は使用しない。

また、両性元素であるアルミニウムと反応してアルミン酸ナトリウム水溶液を生成し水素を発生する。その他、亜鉛およびガリウムなどもアルミニウムより反応性は低いが濃水酸化ナトリウム水溶液と徐々に反応する。


\rm 2 NaOH + 2 Al + 6 H_2O \longrightarrow 2 Na[Al(OH)_4] + 3 H_2

なお、強いアルカリはアミド結合ペプチド結合)を加水分解するので、タンパク質を腐食する作用を持つ。したがって、皮膚等に付着したまま放置すると火傷のような(ぬるぬるする)症状を起こすので、付着した場合は即座に水で、きれいに洗い流す。水酸化ナトリウムを完全に除去しないと、皮膚の深部まで徐々に侵していく性質がある。水溶液の場合は徐々に水分を失って濃度が高くなり、またフレーク(固体)の場合は潮解性によって強いアルカリ性を示す。 ちなみに、皮膚がぬるぬるするのは、皮膚のタンパク質が水酸化ナトリウムによって溶かされているためである。特に、眼に入った場合失明のおそれがあるので、取扱いには注意を要する。万が一身体に付着した場合はこすらずに大量の水で洗い続け、医師の治療を受ける。




  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ 経済産業省生産動態統計・生産・出荷・在庫統計平成20年年計による


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