森博嗣 エピソード

森博嗣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 00:03 UTC 版)

エピソード

  • メフィスト賞は森を衝撃的にデビューさせるために設立されたとされる。『冷たい密室と博士たち』を投稿した時点で『すべてがFになる』『冷たい密室と博士たち』『笑わない数学者』『詩的私的ジャック』も完成させていたが、宇山日出臣(当時の担当者)に次の作品の内容を尋ねられ、「孤島の研究所で殺人が起きる」というおおまかな設定を電話口で話したところ、宇山は「それをデビュー作にしましょう」と即決した。このことについて、後に森は「英断だった」「先見の明ならぬ不見の明」と評価している[28]
  • 体調と合っていることを理由として、食事は通常1日1食である。もっとも、少なからず間食をしているようである[29]。デビュー当初は喫煙者だったが、後に禁煙した。
  • 「作家・森博嗣が創作者として崇拝する唯一の存在」と自称するほどの萩尾望都ファンで、萩尾作品に出会わなかったら創作はしていないと話す。これが縁で萩尾による作品解説や、トーマの心臓の小説版執筆に繋がった。
  • 代表作であると意識している作品は『スカイ・クロラ』シリーズだと述べている[30]。執筆を続けるうちに自信作の順位は変動しているという。
  • 自身の名を英語表記するときには、日本での姓名の順に合わせて、必ず「MORI Hiroshi」としている。これは、名前のために行っている創作活動であるのに、その名前を正しく認識してもらえなければ意義を損なうと考えているためである[31]。MORI が全て大文字なのは、姓だと分かってもらうため[32]。この表記方法は理工系の研究者の論文やサッカーの登録選手名などで用いられ、作家では薬学博士の瀬名秀明(SENA Hideaki)[注 22]など理系とされる人物や、森に続いてメフィスト賞を受賞し、公式サイトを英語表記のみにしている清涼院流水(SEIRYOIN Ryusui)が採用している。
  • 工学分野で助教授になったのは他者と比較して当時としても極めて早かったと語っている。しかし助教授になったことが嫌すぎて妻に数か月隠していた。実験時間が減ることなどが理由。
  • 当初は詳しい経歴を明かさずに写真撮影なども断っていたが、現在ではAmazon.co.jpの著者ページにのみ近影を掲載している[33]
  • オセロの勝負をして負けたのは、ほったゆみと戦った時の一度だけと語っている[34]
  • 抜群の記憶力を持ち、一度覚えたことを忘れたことがないと述べている。その反面、エッセイではゴミを出す日を覚えられないとも発言している。
  • 強度の遠視であり、かつては文字を読む(ピントを合わせる)のが苦痛だったという(本人には遠視の自覚がなかった)。現在は眼鏡をかけることでこれを解決している。
  • 講談社ノベルス版にはカバーの袖に、講談社文庫版では特製の栞[注 23]に直筆のイラストと短い詩が書かれている。
  • 累計で1300万部を超えるベストセラー作家ではあるが、2014年までデビュー時のメフィスト賞[注 24]以外には文学賞を受賞しておらず、本人も賞に執着がない旨をブログやエッセイで表明している。
  • 『発音がうまくならないと英会話は上達しない』という題名の本があるが、これは同姓同名の別人の著書である。
  • 2014年12月現在、全ての小説が絶版になっておらず、特にS&Mシリーズの文庫版はカバーをリニューアルして継続販売されている。
  • 公認のファンクラブ「森ぱふぇ(PRAMM[注 25])」は1998年4月1日から活動を継続している。

注釈

  1. ^ 『森 博嗣のミステリィ工作室』(メディアファクトリー)154-158ページによれば、この年齢は平均的ではなく自分より若い助教授はいなかったが、研究以外の仕事が増えるためにあまり嬉しくなく、昇任のことは半年妻に黙っていた。
  2. ^ 論文の通し番号が「甲」ではなく「乙」になっているため。
  3. ^ ここでは初めて書き上げた小説の意。小説家デビュー作は『すべてがFになる』。
  4. ^ 森博嗣『森 博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)218、219ページによれば、森の第4作目『すべてがFになる』執筆時に、『すべてがFになる』を最初に発行することが決まった。そのため、登場人物の年齢やコンピュータに関する記述や通信技術など物語の時間を3年ほど戻して書きなおした。また、先の3作についても改稿が必要だった。
  5. ^ 小説やエッセイでは「名古屋大学助教授」と明記したことはないが、専門書には所属先の記載がある。
  6. ^ 萩尾望都の『トーマの心臓』に由来するもので、「都」も「望都」から借用した字である。また「S&Mシリーズ」などに登場する西之園萌絵の飼い犬、西之園都馬のモデルとなった。
  7. ^ 納車時にコンパニオンと写真撮影をしてもらえるサービスがあったという。
  8. ^ ボディーが青色であるため、日記などでは「青の6号」という名で呼ばれている。
  9. ^ 自身が所属していた研究室の院生らと組み立てたもので、以前は制作レポートがネット上に公開されていた。ボディーの色はセロハンテープの台から採色。
  10. ^ 現在は名城大学教授。
  11. ^ 現在は鹿児島大学准教授。
  12. ^ JAXAは理想的な環境で考え、森は現実に近い環境で考えた。
  13. ^ 長らく途絶えていた技術を復活させた事で工学的見地からも高く評価される。
  14. ^ JIS Z 8301 2005年版では、「原則として長音をつける」に変更されているが、改訂年度によってさらなる変更がある。
  15. ^ 他の作家との会話中に、指摘されて初めて知ったという。
  16. ^ 一度、間に合わなくなりそうだったため、事前に締め切りを延ばして貰ったことはあるという。
  17. ^ ほったゆみの夫。
  18. ^ このためか 名古屋大学漫画研究会 は2013年現在でも二次創作禁止を表明している。
  19. ^ 「ジェット・プロポスト社」との表記もある。
  20. ^ ぱふの1979年12月号では、東海地方の中心的な存在として取り上げられていたこともある。
  21. ^ もともと書籍化を前提に原稿料を受け取って執筆しているものだった。
  22. ^ 『すべてがFになる』の文庫判で解説を担当している。
  23. ^ 京極夏彦以外の作家は講談社製のもの。
  24. ^ 前述の通り結果的な受賞である。
  25. ^ Perfect Readers Association of Mori's Mysteriesの略。
  26. ^ 文庫版のみの英題「Anti-Organizing Life」

出典

  1. ^ 森 博嗣 (Hiroshi Mori) - マイポータル - researchmap”. 2021年8月18日閲覧。
  2. ^ CiNii 博士論文 - フレッシュコンクリートの流動解析法に関する研究”. 2021年8月18日閲覧。
  3. ^ 森博嗣「第2部 いまさら自作を語る」『森 博嗣のミステリィ工作室』(第1刷)講談社〈講談社文庫〉、2001年12月15日、222頁。ISBN 4-06-273322-6 
  4. ^ a b 清涼院流水『秘密室ボン QUIZ SHOW』(第1刷)講談社〈講談社文庫〉、2006年5月15日、巻末特別付録 p.06頁。ISBN 4-06-275403-7 
  5. ^ 清涼院流水『秘密室ボン QUIZ SHOW』(第1刷)講談社〈講談社文庫〉、2006年5月15日、巻末特別付録 p.06、08頁。ISBN 4-06-275403-7 
  6. ^ 『つぼやきのテリーヌ』202頁
  7. ^ a b 『つぼやきのテリーヌ』40頁
  8. ^ 『MORI Magazine』8頁
  9. ^ 浮遊工作室(機関車製作部)”. www.ne.jp. 2024年3月5日閲覧。
  10. ^ TRUCK & TROLL
  11. ^ スペースシャトルの実験 浮遊工作室(飛行機製作部)
  12. ^ JAXAによる説明
  13. ^ 森博嗣の浮遊研究室
  14. ^ 連載「道なき未知〈第13回〉人生の道草」
  15. ^ 2005年11月8日の記事(現在閲覧不能)
  16. ^ a b 『先崎学の実況!盤外戦』(講談社文庫、2006年)pp.209 - 211
  17. ^ 宝島文庫「森博嗣本」より
  18. ^ 日記では「比喩ではなく本当にゴミ箱へ捨てた」と記述がある。
  19. ^ bluewatersoft - 設立メンバーでソフトウェア開発者山本康彦の略歴
  20. ^ 「ヴォイド・シェイパシリーズ」の講談社ノベルス化に寄せて/森 博嗣|「ヴォイド・シェイパシリーズ」の講談社ノベルス化に寄せて/森 博嗣|tree”. tree. 2022年1月9日閲覧。
  21. ^ 同人誌の小宇宙 米沢コレクションを中心に - 米沢嘉博記念図書館
  22. ^ 最後のご挨拶
  23. ^ MORI LOG ACADEMY: 2007年09月18日 アーカイブ
  24. ^ 常識にとらわれない100の講義
  25. ^ 『科学的とはどういう意味か』まえがき
  26. ^ 浮遊工作室 (近況報告) - So-net
  27. ^ マスコミ・出版社の方へ
  28. ^ 『本』1996年9月号および『森博嗣のミステリィ工作室』より
  29. ^ 2007年6月10日の記事(現在閲覧不能)
  30. ^ 映画『スカイ・クロラ』劇場パンフレットの作品へのコメント
  31. ^ 誤植”. MORI LOG ACADEMY (2006年1月6日). 2008年6月7日閲覧。(現在閲覧不能)
  32. ^ 中国語に訳す場合”. MORI LOG ACADEMY (2005年10月9日). 2008年6月7日閲覧。(現在閲覧不能)
  33. ^ Amazon.co.jp: 森 博嗣:作品一覧、著者略歴
  34. ^ 封印サイトは詩的私的手記
  35. ^ 英語版 『小鳥の恩返し』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  36. ^ 英語版 『片方のピアス』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  37. ^ 英語版 『僕は秋子に借りがある』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  38. ^ 英語版 『虚空の黙祷者』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  39. ^ 英語版 『河童』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  40. ^ 英語版 『石塔の屋根飾り』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  41. ^ 英語版 『どちらかが魔女』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  42. ^ 英語版短編集 『Seven Stories』 森博嗣(著) - The BBB 日本版
  43. ^ 英語版 『スカイ・クロラ』 森博嗣(著) - The BBB 日本版






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