林野庁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/11 11:53 UTC 版)
組織
林野庁の組織とその所掌事務は、法律の農林水産省設置法、政令の農林水産省組織令及び省令の農林水産省組織規則が階層的に規定している。
幹部
内部部局
内部部局として林政部、森林整備部、国有林野部の3部を置く(政令第95条)。職員数は各々200名前後、計およそ600名である。
- 林政部(政令第95条)
- 林政課(政令第99条)
- 企画課
- 経営課
- 木材産業課
- 木材利用課
- 各部署の総合調整、広報、人事労務管理、法令、公文書、会計、林政一般など官房機能を掌る。林政課は庁内取りまとめ、企画課は白書や税制・金融などを担当、経営課は林業経営や森林組合、きのこなどの特用林産物を担当、木材産業課は木材の生産・加工、木材利用課は木材利用の推進、貿易を担当する。
- 森林整備部
- 計画課(政令第105条)
- 森林利用課
- 整備課
- 治山課
- 研究指導課
- 森林資源の全国計画、民有林、森林の環境保全などに関する事務を掌る。森林国営保険、森林・林業に関する試験及び研究も所掌するので、その前者の関連で森林保険特別会計を経理し、後者の関連で独立行政法人森林総合研究所を所管する。計画課は森林計画や公共事業の取りまとめなど全般を担当する中心的な課、森林利用課は民有林野の利用、都市と山村の交流、森林環境保全・国土緑化を所管し、整備課は造林や林道整備を所管し、治山課は治山事業を担当する。研究指導課は研究普及や森林保全などを担当する。
- 国有林野部
- 管理課(第110条)
- 経営企画課
- 業務課
- 国有林野事業を掌る部である。国有林野事業債務管理特別会計と国有林野事業職員の人事労務管理も所管する。1999年3月1日、管理部と業務部を統合し設置された。
審議会等
- 林政審議会(森林・林業基本法第29条、法律第32条)
- 森林・林業基本法に権限として定められた事項、農林水産大臣または関係各大臣の諮問事項及び同法の施行に関する重要事項について調査審議する(第30条)。森林・林業基本法第29条により農林水産省におかれ、農林水産省法第32条によって林野庁におくことが定められている審議会である。政府が「森林・林業基本計画」を策定したり、毎年国会に提出する『森林・林業白書』を作成したりするさいには、林政審議会の意見を聴かなければいけない(第10条第3項)。委員は森林・林業について学識経験のある者のうちから農林水産大臣が任命し、30人以内で組織する。また、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、農林水産大臣は特別委員を任命することができる(林政審議会令第3条)。林政審議会には、施策部会が置かれており、施策部会は『森林・林業白書』を検討する。2011年1月28日の本審議会により国有林野事業の一般会計化を検討するために国有林部会の設置が決定され、2011年12月16日の第11回会合まで活動した[20]。
施設等機関
- 森林技術総合研修所(政令第115条) - 林業機械化センター(規則第401条)
- 森林技術総合研修所は林野庁の職員、林政を担当する地方公共団体及びこれに準ずる団体の職員並びに林業従事者に対し、森林及び林業に関する技術並びに林業の経営に関する総合的な研修を行う文教研修施設である。1952年8月1日に林業講習所として設置、1994年4月に林野庁研究普及課沼田林業機械化センターと統合・改組され、現在の森林技術総合研修所となった[21]。内部組織として、総務課、技術研修課、経営研修課の三課及び林業機械化センター並びに教務指導官及び首席教務指導官を置く(規則第401条)。
- 林業機械化センターは林業の機械化に関する研修を掌る。1957年(昭和32年)8月に沼田営林署(現: 利根沼田森林管理署)が「機械作業実験営林署」に指定され、「機械化室」が設置されたのを起源とする。その後、営林署機械課、営林署技術開発センター、林野庁研究普及課沼田分室と組織は順次強化されながら変遷し、1995年(平成7年)に森林技術総合研修所の支所として、現在の林業機械化センターとなった。
地方支分部局
- 森林管理局(法律第33条) (7) - 森林管理署(法律第35条) - 支署(法律第35条)
- 1999年3月以降、下記の7つの森林管理局が置かれており、2017年4月現在、これらの森林管理局の下に98の森林管理署及び14の支署が置かれている[22]。
- 森林管理局に勤務する農林水産事務官および農林水産技官の中で指定を受けた者は「国有林野・部分林・公有林野官行造林、その林野の産物に関する罪又はその林野・国営猟区における狩猟に関する罪」に限って司法警察職員としての職務(森林警察)を行う(「大正12年勅令第528号(司法警察官吏及司法警察官吏ノ職務ヲ行フヘキ者ノ指定等ニ関スル件)」第3条)。これは刑事訴訟法第190条が定める「森林、鉄道その他特別の事項について司法警察職員として職務を行うべき者」、すなわち特別司法警察職員の一種である。
- 北海道森林管理局(第117条)(所在地: 札幌市)
- 東北森林管理局(秋田市)
- 関東森林管理局(前橋市)
- 中部森林管理局(長野市)
- 近畿中国森林管理局(大阪市)
- 四国森林管理局(高知市)
- 九州森林管理局(熊本市)
- ^ a b 「農林水産省定員規則(平成13年1月6日農林水産省令第27号)」(最終改正:2022年3月25日農林水産省令第20号)
- ^ a b c 令和4年度一般会計予算 (PDF) 財務省
- ^ 林野庁森林整備部研究・保全課「森林保険特別会計の概要」(第1回森林保険制度に関する検討会(2011年3月7日開催)配布資料)林野庁
- ^ 令和元年度 森林保険に関する統計資料 国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林保険センター
- ^ 令和元年度 森林・林業白書 参考資料参考付表1)
- ^ “山林局”. アジ歴グロッサリー. アジア歴史資料センター. 2020年7月14日閲覧。
- ^ 『徳川の歴史再発見 森林の江戸学』徳川林政史研究所 (2012)p.117
- ^ “林野局”. アジ歴グロッサリー. アジア歴史資料センター. 2020年7月14日閲覧。
- ^ 林野庁2010、p.126
- ^ 内閣「国の行政機関の定員の純減について」(2006年6月閣議決定)行政改革推進室
- ^ 農林水産省「国有林野事業の一部業務・森林保険事業等を移管する独立行政法人(案)について」(行政減量・効率化有識者会議(第63回: 2009年2月13日)説明資料)行政改革推進本部行政減量・効率化有識者会議
- ^ 民主党「民主党政策集-INDEX 2009」2009年7月23日、p.35
- ^ 林野庁「林野庁/森林・林業再生プランについて」
- ^ 「独立行政法人の抜本的な見直しについて」(2009年12月25日閣議決定)内閣府行政刷新会議
- ^ 内閣府行政刷新会議「事業仕分け平成22年10月〜11月 B-15: 国有林野事業特別会計」2010年10月30日
- ^ 内閣府行政刷新会議「事業仕分け平成22年10月~11月B-13: 森林保険特別会計」2010年10月29日
- ^ 内閣「森林・林業基本計画」(2011年7月26日閣議決定)林野庁
- ^ 林政審議会「林野庁/「今後の国有林野の管理経営のあり方について」(平成23年12月16日林政審議会答申)」林野庁
- ^ 衆議院「法律案等審査経過概要 第180回国会 国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第50号)(参議院送付)」
- ^ 林政審議会国有林部会の審議経過
- ^ 森林技術総合研修所「研修所について 」林野庁
- ^ a b 第72次令和元年国有林野事業統計書(平成元年度) 」林野庁、2021年3月。
- ^ “独立行政法人一覧(令和4年4月1日現在)” (PDF). 総務省. 2022年4月16日閲覧。
- ^ a b 行政管理研究センター『平成22年度版:独立行政法法人・特殊法人総覧』p.283
- ^ “所管府省別特殊法人一覧(令和4年4月1日現在)” (PDF). 総務省. 2022年4月16日閲覧。
- ^ “特別の法律により設立される民間法人一覧(令和4年4月1日現在:34法人)” (PDF). 総務省. 2022年4月18日閲覧。
- ^ 一般職国家公務員在職状況統計表 (PDF) (令和3年7月1日現在)
- ^ 「第66次平成26年国有林野事業統計書(平成25年度)」林野庁、2015年4月
- ^ 「第65次平成25年国有林野事業統計書(平成24年度)」林野庁、2014年9月
- ^ 人事法令研究会『人事小六法 - 平成20年版』学陽書房、2007年9月、p.1,719。
- ^ 公務労協「公務労協紹介」(2011年最終更新)
- ^ 熊井一夫(日林労初代委員長)の証言(森巌夫〔編〕『トップリーダーが明かす素顔の国有林』第一プランニングセンター、1983年)を藤原信が著書で引用(藤原信『“緑のダム”の保続』緑風出版、pp.228-229)。
- ^ “農林水産省幹部職員名簿 令和5年7月4日現在:農林水産省”. www.maff.go.jp. 2023年7月4日閲覧。
固有名詞の分類
- 林野庁のページへのリンク