東京大学
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教育および研究
教育
- 2020年度に、新型コロナウイルス感染症拡大への対応から、オンライン授業を導入しており[119]、対面授業と併用しながらオンライン授業の活用へ授業様式は変化している[120]。
教養教育(前期課程教育)
東京大学の教養教育は、カリキュラムこそ現代に合わせて変化しているものの、実質的に旧制高等学校時代で重視されていた教養教育の流れを汲んでいる。大手予備校などの教育関係者やマスメディアの間では、旧制高等学校からの教養教育体系がそのまま維持されている大学は、現在の日本では東京大学以外存在していないという評価がある。これは現在の日本では実学が重視されており、多くの大学で教養教育を大幅に縮小するというカリキュラム改変が実施されているためである。
採択されたプログラム
文部科学省の国公私立大学を通じた大学教育改革の支援プログラムに採択されたプログラム名を以下に掲げる。
- 現代的教育ニーズ取組支援プログラム
- ICTを活用した新たな教養教育の実現 -アクティブラーニングの深化による国際標準の授業モデル構築-
- 特色ある大学教育支援プログラム
- 教養教育と大学院先端研究との創造的連携の推進
- 大学教育の国際化推進プログラム
- 国際標準の学部初年次教育実現のモデル構築 -留学生も視野に入れた先進的研修プログラムの試行-
- 国際連携による初年次教養教育のモデル実現 -職員・学生の参画をとおした「学び」のエンパワーメント-
- 世界公共政策ネットワーク推進計画(ダブル・ディグリーの導入とグローバル化に対応する教育基盤の構築)
- 法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム
- トランスナショナル・ロー・プログラムズ
- 国際化・実践化手法による政策形成能力試行
- 質の高い大学教育推進プログラム
- PISA対応の討議力養成プログラムの開発 -日本における国際先端の教養教育の実現-
授業料減免制度
学生の家計について、所得評価額が基準値以下の場合に授業料の半額〜全額を免除、また総所得が218万円以下(給与所得のみの場合は400万円以下)の場合は原則として授業料全額が免除される制度がある[121]。これにより、入学試験合格者のうち年収450万円以下の家庭の占める割合は18%となった[122]。
ただし、私費外国人留学生については、外国人留学生奨学金(150,000円/月)受給時に、授業料減免申請の取下げ手続きを行うこととする[123]。
学位の取り消し
2010年に、創立史上初の学位の取り消しが行われた。
2003年3月28日に、博士(工学)の学位を授与された、トルコ国籍の大学院工学系研究科博士課程学生(その後、大学院工学系研究科建築学専攻助教となっていた)について、不正な方法で学位を受けた事実が判明したため、学位を取り消すこととなった[124]。
研究
- 1995年度に、当時の文部省(現:文部科学省)令により中核的研究拠点形成促進プログラムが始まる。日本学術会議および科学技術・学術政策局の科学技術・学術審議会答申に基づき、研究課題毎の中核拠点形成の活動が始まる。中核的研究拠点は、大学共同利用研究所に相当する機関を形成することを目的とする。
- 2001年度に新たに法制度化された、競争的研究資金獲得制度に基づく研究プログラムを「21世紀COEプログラム」(略して21世紀COE)と呼ぶ。21世紀COE制度は、研究者個人ではなく、研究課題毎に採択されるため、大学内審査を経て、第三者評価により採択される。なお、全てのプログラムは数値管理に基づく評価法によって評価される。詳しくは、大学評価および競争的研究資金については書籍「研究評価 研究者・研究機関・大学におけるガイドライン」(根岸正光・山崎茂明 編著)、丸善、2001を参考にされたい。
- 2006年度に21世紀COEプログラム実施後の第三者評価を行い、いくつかの問題点が指摘されたため、それに基づきグローバルCOEプログラムへ制度変更が行われる。21世紀COEではばらまきの批判があったため、研究課題を精査し産業界への展開や応用研究に絞ることになる。産業界への展開を目的としたため、採択においては研究テーマ課題毎に採択することにした。この事業には日本学術会議、科学技術振興機構、日本学術振興会なども参加している。
- 2007年度に、グローバルCOEプログラム開始と同時に、世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラムが始まる。文部科学省の外郭団体である日本学術振興会の事業で、基礎研究分野の大幅な強化を目的とし、基礎研究分野への大幅な予算を投入することで、大学間連携や専門研究者育成、研究拠点となる研究所の設立および強化が始まる。
21世紀COEプログラム
28件のプロジェクトが採択された。
- 2002年
- 生命科学
- 生体シグナル伝達機構の領域横断的研究
- 「個」を理解するための基盤生命学の推進
- 戦略的基礎創薬科学
- 化学・材料科学
- 動的分子論に立脚したフロンティア基礎化学
- 化学を基盤とするヒューマンマテリアル創成
- 情報・電気・電子
- 情報科学技術戦略コア
- 未来社会を担うエレクトロニクスの展開
- 人文科学
- 共生のための国際哲学交流センター
- 生命の文化・価値をめぐる「死生学」の構築
- 基礎学力育成システムの再構築
- 学際・複合・新領域
- 融合科学創成ステーション
- 生命科学
- 2003年
- 医学系
- 脳神経医学の融合的研究拠点
- 環境・遺伝素因相互作用に起因する疾患研究
- ゲノム医科学の展開による先端医療開発拠点
- 数学・物理学・地球科学
- 科学技術への数学新展開拠点
- 極限量子系とその対称性
- 多圏地球システムの進化と変動の予測可能性
- 強相関物理工学
- 機械・土木・建築・その他工学
- 機械システム・イノベーション
- 都市空間の持続再生学の創出
- 社会科学
- 国家と市場の相互関係におけるソフトロー
- 先進国における《政策システム》の創出
- 市場経済と非市場機構との連関研究拠点
- ものづくり経営研究センター
- 学際・複合・新領域
- 生物多様性・生態系再生研究拠点
- 心とことば — 進化認知科学的展開
- 医学系
- 2004年
- 革新的な学術分野
- 言語から読み解くゲノムと生命システム(次世代バイオインフォマティクス拠点の創成)
- 次世代ユビキタス情報社会基盤の形成
- 革新的な学術分野
グローバルCOEプログラム
17件のプロジェクトが採択されている。
- 2007年
- 生命科学
- 生体シグナルを基盤とする統合生命学
- 化学・材料科学
- 理工連携による化学イノベーション
- 電気・電子・情報
- セキュアライフ・エレクトロニクス
- 人文科学
- 死生学の展開と組織化
- 共生のための国際哲学教育研究センター (UTCP)
- 学際・複合・新領域
- 世界を先導する原子力教育研究イニシアチブ
- 生命科学
- 2008年
- 医学系
- 疾患のケミカルバイオロジー教育研究拠点
- ゲノム情報に基づく先端医療の教育研究拠点
- 数学・物理学・地球科学
- 未来を拓く物理科学結集教育研究拠点
- 数学新展開の研究教育拠点
- 機械・土木・建築・その他工学
- 都市空間の持続再生学の展開
- 機械システム・イノベーション国際拠点
- 社会科学
- 国家と市場の相互関係におけるソフトロー
- ものづくり経営研究センター アジア・ハブ
- 学際・複合・新領域
- 次世代型生命・医療倫理の教育研究拠点創成
- 学融合に基づく医療システムイノベーション
- 医学系
- 2009年
- 学際・複合・新領域
- ゲノム情報ビッグバンから読み解く生命圏
- 学際・複合・新領域
注:21世紀COEプログラム、グローバルCOEプログラム以外にも通常の研究教育活動や、特に科学研究費(略:科研費)による研究は行われている。なお、科研費以外にも研究テーマによって、特別研究費・企業委託研究費・採択研究費(特定領域など)の研究費があり、これらが研究活動の源泉となっている。例として、GRAPEプロジェクトは、採択研究費と企業委託研究費(委託研究員も受け入れている)からなる。また、寄附講座によって運営される研究室もあり、この場合には教職員は企業からの派遣によって成り立っている(研究費は企業からの持ち出しであり、税額控除対象となっているようである)。
特別栄誉教授
東京大学で世界的に著しい功績を挙げた教授あるいは勤務した者に対して授与される終身称号のことである。東京大学より称号の授与とともに栄誉手当が支給される。2004年4月1日に「東京大学特別栄誉教授規程」を制定し、2005年1月1日付で4人の東京大学元教授に初めて東京大学特別栄誉教授の終身称号を授与した。
研究成果の社会展開
2005年には独立採算制による株式会社「東大TLO」を設立し、研究成果の特許化および特許流通を進めることになった。研究成果を広く社会に認知してもらうことと、大学研究資金の一助としての活動が期待されている。なお、TLO組織は会津大学より始まり、東京大学でも2008年度から特許流通事業を開始したところである。
注釈
- ^ 設立の経緯から、大学予備門、大学、工部大学校、東京開成学校、東京医学校などが統合してできた大学でもあるからである。
- ^
タイムズ・ハイアー・エデュケーション
世界大学ランキング 2004-20132004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 世界ランク 12 16 =19 17 19 22 26 30 27 23 アジア順位 1 2 3 1 1 1 2 1 1 1 国内順位 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 (注記)順位の数字の前にイコール記号が付く場合は、
原典の表記の通り、同点順位であることを表す。タイムズ・ハイアー・エデュケーション
世界大学ランキング 2014-20232014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 世界ランク 23 43 39 46 42 =36 =36 =35 39 29 アジア順位 1 3 4 6 5 5 4 5 6 4 国内順位 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 - ^ かつての「一般入試」。入試区分名の変更は2021年度入学試験から。
- ^ かつての「推薦入試」。
- ^ 旧東京開成学校を改組して法・理・文の3学部、旧東京医学校を改組して医学部を設置、東京大学予備門を付属。
- ^ 東京大学工芸学部との合併により工科大学となる。
- ^ 法・医・工・文・理の5分科大学および大学院を設置。
- ^ 大博士学位の授与は実現しなかった[28]。
- ^ 講座数は法16種22講座、医15種23講座、工10種21講座、文12種20講座、理10種17講座、農13種20講座。
- ^ 優等生制度は1918年まで続き、20年間で323名が銀時計を下賜された[32]。
- ^ 実際に移転が行われたのは1924年である。
- ^ 立花隆はヴェンティヒの意見書が経済学部独立のきっかけになったと評価している[35]。
- ^ その後高野は大原社会問題研究所初代所長となった[37]。
- ^ 早大文化会、建設者同盟、明大七日会、女子医専七月会などが参加。1929年解散。
- ^ 陸軍が土地譲与を拒否したため[41]。
- ^ a b 終戦後廃止。
- ^ 本郷の工学部は第一工学部に改称。
- ^ 旧制浦和高等学校を第二教養学部とする構想もあったが実現しなかった[59]。
- ^ 第二工学部跡地は新制千葉大学と東京大学生産技術研究所(生研)になる。
- ^ 1969年2月に事実上廃止された[62]。
- ^ これ以来2024年現在まで学部新設は行われていない。
- ^ 今日の国立情報学研究所の起源。
- ^ 大学院法学政治学研究科法曹養成専攻(法科大学院)と大学院公共政策学連携研究部・公共政策学教育部(公共政策大学院)を設置。
- ^ 式典はいずれも基本的に英語で行われた[78]。
- ^ なお、この年3月の学位記授与式・卒業式に参列できなかった修了者・卒業者のために、平成23年度秋季学位記授与式・卒業式の規模を拡大して参列する式典がそれぞれ設けられた[82]。
- ^ 入学式の中止は、安田講堂事件などで1969年~1974年に中止して以来のこと[93]。
- ^ 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて入学式が中止となった令和2年度入学者についても、この年の6月に代わりとなる《入学者歓迎式典》が催されている[97]。
- ^ 東京六大学野球では試合前後に歌われる[107]。
- ^ 日本学生支援機構の2021年度調査結果に掲載された、東京大学の受け入れ数が4,084人であるのに対し、大学の統計資料に計上されている2021年5月1日時点の留学生総数が4,282人であり、198人の差異が見受けられる。その内訳については不詳。
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- ^ 週刊ダイヤモンド 出世できる大学ランキング
- ^ 日本の人口推移と大学数の推移|大学改革 参考資料 平成30年2月 内閣官房人生100年時代構想推進室 14/17頁 (PDF)
- ^ 「有名大学卒ほど出世しやすい」はもはや昔の話?小樽商科、滋賀、大阪市立――地方の意外な実力校|週刊エコノミスト(2010年8月31日号)より
- ^ Q 三四郎池というのは正式名称なのですか?
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