条例 地方分権改革推進会議での提言

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > > 法令 > 法規 > 条例の解説 > 地方分権改革推進会議での提言 

条例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/24 17:49 UTC 版)

地方分権改革推進会議での提言

地方分権改革推進会議が平成16年5月に出した「地方公共団体の行財政改革の推進等行政体制の整備についての意見」においては、法令面での地方の権限強化として、以下のとおり提言がなされている。

「地域の実情に応じた行財政運営を実現する観点からは、法令による全国一律の規制の弾力化と条例の機能強化等、法令面での地方の権限を強化するための制度の在り方を検討することが必要である。」

自治事務については、地方公共団体の自主性を阻害しないよう国の法令は基本的な制度設計にとどめることとし、それ以外の自治事務の処理に必要な事項については個々の法令において条例への授権範囲を大幅に拡大していくべきであり、地方の実情に応じて設定すべき基準等は、地方公共団体が条例で定められるようにすべきである。 さらに、自治事務については、福祉、教育やまちづくり等の主要分野を中心として、個々の法令における条例への授権範囲の拡大に加え、条例に委ねるべき範囲の一般原則・基準を設定して包括的に条例への授権範囲を拡大することや、条例が一定の範囲内で政省令に規定された内容の弾力化を図りうる仕組みづくりといった地方公共団体の立法機能の強化に向けた方策も検討すべきである。その際には、市町村が処理する自治事務に関する都道府県の条例と市町村の条例の関係についても、必要に応じて同様の見地から検討すべきである。なお、これらの検討を行う際は、憲法上の問題を含めた議論が行われるべきである。」

地方自治行政における政策法務

地方分権一括法による改正をはじめとする地方分権改革の進展により、地方自治体の条例制定権が一定程度強化されたことに伴い、地方自治体の政策形成及びその実現のための手段として条例制定権(自主立法権)を積極的に活用しようという、いわゆる政策法務が近年注目されている。 従来の自治体における法務は、既存の法令の解釈や争訟事務などが中心であり、政策的観点からの自主立法権の活用という視点が乏しかったことから、政策法務の進展は自治体における法務行政の質的な変化をもたらすものといえる。

今後この政策法務に対する取り組みが進展するためには、制度面として地方分権の推進・強化が必要とされるほか、自治体においては企画力・法的素養について一層の涵養が求められよう。

例規集の公開

自治体における条例や規則等の総称を例規と言い、それらをまとめたものを例規集と言う。近年は、データベース化して、ウェブページ上で公開している自治体も多い。


注釈

  1. ^ 現在でもなお国の法令としての効力(具体的には政令としての効力)を有するものに、明治十四年太政官布告第六十三号(褒章条例)がある。
  2. ^ 地方自治法第11条により「日本国民」であることを要件としている(国籍条項)。
  3. ^ なお、この罰則に対する制限については、地方自治法第228条第2項地方税法等において特例の定めがある[2]
  4. ^ 例えば神奈川県が2001年(平成13年)に独自に制定した法定外普通税である神奈川県臨時特例企業税条例について、法人事業税における欠損金の繰越控除を定める地方税法の規定の趣旨・目的に反し、違法・無効であると判示した判例として、2013年(平成25年)3月21日最高裁判所第一小法廷判決[1]。金築誠志裁判官はこの判決の補足意見で「憲法が地方公共団体の条例制定権を法律の範囲内とし、これを受けて地方自治法も条例は法令に違反しない限りにおいて制定できると定めている以上、地方公共団体の課税自主権の拡充を推進しようとする場合には、国政レベルで、そうした方向の立法の推進に努めるほかない場面が生じるのは、やむを得ないことというべきである。」と述べている。

出典

  1. ^ 1895年8月9日官報第3634号
  2. ^ 石毛正純 『自治立法実務のための法制執務詳解<四訂版>』 ぎょうせい、2004年、201-203頁
  3. ^ 最高裁判例大阪市条例第六八号違反被告事件(昭和37年5月30日)


「条例」の続きの解説一覧




条例と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「条例」の関連用語

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



条例のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの条例 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS