月姫 (ゲーム) 登場キャラクター

月姫 (ゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 23:41 UTC 版)

登場キャラクター

声の項は、『MELTY BLOOD』(無印 - 『Actress Again』まで)『カーニバル・ファンタズム』 / 『真月譚 月姫』 / 『月姫 -A piece of blue glass moon-』[18]『MELTY BLOOD:TYPE LUMINA』での担当声優。

メインキャラクター

遠野 志貴(とおの しき)
声:野島健児小林由美子(幼少期)/ 鈴村健一根本圭子(幼少期) / 金本涼輔[18][5]藤原夏海(幼少期)
身長:173cm / 体重:57kg
誕生日:10月15日 / 血液型:AB型
本作の主人公。高校二年生。財閥めいた大グループである遠野家の長男だが幼い頃に重傷を負い、それ以後父親に勘当同然に拒絶されて親戚の家「有間」で過ごしていたが、父親の死をきっかけに再び遠野の屋敷に彼が戻るところから物語は始まる。
子供の頃の二度にわたる臨死体験がきっかけで、「モノの死」を見ることの出来る「直死の魔眼」を得る。視力は両目とも2.0(あるいはそれ以上)だが、直死の魔眼は脳に非常に重い負担をかけるため、普段は「魔眼殺しの眼鏡」をかけて眼の力を抑えている。
基本的には誰にでも優しくできる中立な青年。整ってはいるが、地味な童顔で並みの容姿。運動神経は良いが、幼い頃に重傷を負った事件以降、慢性的な貧血持ちであるため体育は苦手[注 2]。重傷の傷跡が残っており、胸に大きな傷痕や背中に火傷の痕がある。私物を持ちたがらない性格で部屋の中もさっぱりしているが、刃物の収集癖があり、また殺人鬼としての秀でた素質を持つ。
何事も器用にこなすが女性に対して鈍感であるため、各ヒロインから「愚鈍」「鈍感」「野暮天」「朴念仁」「一番悪い人」と言われている。
実は養子で遠野の血は引いておらず、旧姓は七夜。魔よりになった混血を暗殺することを生業とする退魔の一族である七夜を恐れた遠野槙久による七夜一族殲滅の際、自分の息子と同じ「シキ」であるという気まぐれから養子に取られ[注 3]、シキ、秋葉、翡翠とともに幼少の一時期を過ごすが、ゲーム開始直後は槙久により幼少時の一部の記憶を暗示により封印されている。七夜志貴であった頃の記憶はほぼ無くしているが、「直死の魔眼」の元となった「ありえざるモノを視る」眼である「淨眼」は残っている。彼が魔眼をフル活動する時に目が蒼くなるのは淨眼の性質である。淨眼の能力の一部として霊体を視ることが可能で、霊視が出来ない者には見ることが出来ない秋葉の「檻髪」も視認できる。「人でないモノ」に対する殺意の衝動や殺人鬼としての資質、極限状態で見せる体術などの七夜の一族の特徴は、いまだ彼に残っている。また、反転衝動で極限状態になった彼は殺人貴と呼ばれ、もしくは可能性の一つとされる。詳しくは下記を参照。
名前と能力は『空の境界』の主人公の両儀式から、顔立ちは同作の登場人物である黒桐幹也から受け継いでいる。
同じ直死の魔眼を保持する両儀式と比べると、彼女のように形なき概念を殺すことは不向きである。それは肉体のスペックの違いであり、彼は二度の臨死体験により起源に触れたことにより魔眼を発現したため、生物殺しに特化している。モノを殺すの言葉通りに物体やそれに対する概念を殺すことが可能であり、作中では死の点を刺すことにより校舎を崩壊させ、また大地の地形効果(真祖の満月における不死性)を無力化し、そして見ることが出来ない満月状態のアルクェイドの死の線を視認している。
アルクェイド・ブリュンスタッド(Arcueid Brunestud
声:柚木涼香 / 生天目仁美 / 長谷川育美[18][5]
身長:167cm / 体重:52kg / スリーサイズ:B88/W55/H85 / 姫アルク状態時:神代回帰/質:B / 神代回帰/量:A++ / 神代回帰/編成:西暦以前までの、擬神化される自然現象
誕生日:12月25日(自称)/ 血液型:不明
イメージカラー:白 / イメージソング:Nav Katze「Crazy Dream」
本作の正ヒロイン。真祖に区分される吸血種。真祖の執行者。真祖の王族(アーキタイプ・アース)。 日光を浴びても「なんかだるい」位にしか感じず、人間の血を吸うのを自制している変わった吸血鬼。
無邪気で天真爛漫で感情の起伏が激しい。わがままとも取れる行動をとるが、それは社会経験がほとんどないためであり本人に悪気はない。自由奔放な猫のように、明るくしなやかな女性。楽観的に見えるが、根は悲観主義。「教えて知得留先生」ではデフォルメされた謎のキャラ「猫アルク」として登場している。髪の色は金髪で髪型は元々はロングだったが、死徒二十七祖第九位にて姉にあたるアルトルージュ・ブリュンスタッドに長髪を奪われており、取り返さない限り伸びることは無い。
12世紀頃、他の真祖と同じく世界の裏側で自然発生で誕生。他の真祖よりも優れたスペックを持っていたため堕ちた真祖を狩るための教育を施された(旧設定は、真祖の一族が「最高の真祖」を求めて生み出した、いわば“人造真祖”であり、堕ちた同胞を処刑するために生み出された戦闘人形とされていた)。しかし、その高すぎるポテンシャルゆえに「朱い月」を復活させる“器”となることを恐れられ、これ以上の成長がないよう、処刑執行後は、他の真祖たちにより記憶と感情をたびたびリセットされるようになる。その後、ミハイル・ロア・バルダムヨォンの姦計に陥れられ、暴走してその場にいた真祖たちを抹殺。ロアを怨敵と認識し、以後ロアが転生するたびに彼を抹殺するため行動していく。それ以外のときは居城「千年城ブリュンスタッド」で自らを拘束して眠り続けていた。
他の追随を許さぬ高い身体能力から繰り出される「爪」と「空想具現化」による戦闘力は『DDD』を除くTYPE-MOON作品の多くが共有する統一的世界観において最強クラスである。地球そのものから無限のバックアップを受け、シンプルイズベストであるためオールラウンダーであり、総じて勝率が高い。しかし星からの絶対命令により「相手の個体能力(武器などの外的要素は個体能力に含まれない)よりもやや上の出力」しか許されない。通常アルクェイド(30%)とサーヴァントを比較すると強さは4倍で個体能力はサーヴァント約2体分となる[注 4] とされている。あくまで相手の『個体能力』に応じるため、例え本人の能力がアルクェイドと同格でも、武装数が多く用途も多岐に渡るサーヴァントはアルクェイドより有利となる[注 5]
作中ではロアに力の一部を奪われ、また志貴に出会い頭に惨殺された影響で大きく弱体化している。
真祖は常に吸血衝動を抑えるために70%の力を使っている。彼女も例外ではなく、普段は吸血衝動を抑えているが、逆上し吸血衝動に飲まれかけた状態の時は100%の力を引き出す[注 6]。この状態は暴走アルクェイドあるいは悪クェイド(ワルクェイド)と称されている。また深層意識である朱い月と呼ばれる側面が前面に出し別の行動理念が表に出た状態、最高純度の真祖・星の触覚真祖アルクェイド(通称姫アルク)だと千年城の主として君臨していた時代の体であり、髪を奪われる前の姿だと100%の力に加え、魔術を一切寄せ付けない魔法以前の神秘再現神代回帰の特性も追加される。
本編では表情豊かな女性だが、本来は真祖の処刑道具として一切の感情を排して「運用」されていた。彼女が感情を持ったのは、志貴に殺されたことで「システム」も破壊され、再生する中で「バグ」を起こしたようなものと例えられている。12世紀頃に誕生したとされるが、その活動年数は1年にも満たず、人生のほとんどは城で深い眠りにつくものだった。
ストーリーが秋葉たちを中心に展開する「遠野家ルート」では全くと言っていいほど出番がないため、正ヒロインであるにもかかわらずヒロイン中最も出番が少ない。そのことについて猫アルクが愚痴をこぼしている。
『TAKE-MOON』では志貴と魔法少女の映画を見に行ったことで、アルクェイドがそれに気に入り、魔法少女に扮した「白き月姫ファンタズムーン」という姿で登場しており、これが後に『Character material』に紹介され、また『フェイト/タイガーころしあむアッパー』に参戦している。ファンタズムーンの杖は『Fate/stay night』のキャスターから奪い取ったものである。
嫌いな食べ物はにんにくで、摂取すると卒倒してしまう。
4回行われた月姫キャラクター公式人気投票で1位を独占する等、高い人気を誇る。なお、2009年のまほうつかいの箱での公式人気投票の「第1回マイBESTキャラランキング」では全TYPE-MOONキャラ中5位であり、月姫キャラクター中では1位。
デザインのモチーフは武内崇が大学時代に読んだファッション雑誌の外国人モデル。現在、跡地となっている同人時代の公式ホームページでその写真の閲覧が可能となっている(EXTRA→スタッフ座談会第一夜と進むと、中程からリンクが貼られている)。名前の由来はドラキュラの逆綴りではないかと言われていたが、スタッフによれば名前が中々決まらなかったために奈須きのこの別作品に登場するキャラクターの名前を使うことになっただけで偶然とのこと。
Fate/EXTRA』ではバーサーカー、『FGO』ではムーンキャンサーのサーヴァントとして登場。
シエル(Ciel
声:佐久間紅美 / 折笠富美子 / 本渡楓[18][5]
身長:165cm / 体重:52kg / スリーサイズ:B85/W56/H88
誕生日:5月3日 / 血液型:O型
イメージカラー:青 / イメージソング:BUCK-TICK地下室のメロディー
気さくで物腰の柔らかい、志貴の学校での先輩。しかし実は“普遍的な意味を持つ”一大宗教の裏側、“異端狩り”の組織「聖堂教会」の中でもさらに異端審問に特化した組織「埋葬機関」の代行者として、神に代わって異端を殺すことを生業としている人物。「シエル」は洗礼名で、本来の名はエレイシア。
組織の第七位(組織は七人編成。予備役が一人)であり、単独での執行権を持つ。卓越した身体能力、膨大な知識、冷酷な感性を持ち、総合的に非常に高い戦闘力を有する。任務遂行時はクールで冷徹。身体能力を生かした高い格闘技術の他、「黒鍵」と呼ばれる投擲用の剣から銃火器まで数多くの飛び道具を法衣の下にしまい込み愛用するため、埋葬機関から「弓」と呼ばれる。
魔術に関しても秀でており、知識だけなら対立組織「魔術協会」の最上位の魔術師に匹敵し、魔力のキャパシティーも通常の魔術師の百倍に相当する。使用する魔術は簡単な催眠から、戦闘用の投剣「黒鍵」への魔術の付与、身体能力の強化[19]、数秘紋による雷撃、結界に関するものも見られる。ある理由から(任務遂行のためなら拒まないが)魔術を使用することを嫌い、また、ある死徒が死ななければ死ぬことが出来ない。
シエルの武装の中には転生を否定する「第七聖典」という、絶大な威力を持つ強力なパイルバンカーがある。元は霊体に対してのみ有効な概念武装だったが、シエルの趣味で改造され、総重量は60kg(オプションパーツを付けると最大でその倍)となり、物理的攻撃力だけでも吸血鬼を殴殺できる鉄塊と化しており[11]、『Current Code』ではミサイルランチャーが装着されているのが判明している。「セブン」という精霊が宿っているが、こちらは『歌月十夜』にて登場。
メガネにはあまり度が入っておらず、戦闘時は外していることが多い。
実は先代17代目のロアの転生体。フランスの片田舎でパン屋の娘として平凡に生きていたが、ロアが覚醒したことで自身の意識は保ったまま家族や友人を含めた故郷の人間を全て惨殺してしまう。その後、教会と組んだアルクェイドによって滅ぼされるものの、魂のラベルは「ロア」のままだった。このことから、もし彼女が殺されたとしてもロアが生きている以上、「ロア」という魂を持つ彼女の死は世界によって修正される。つまりロアが存在する限り、死ねない体(無限蘇生)となっていた。異端として教会によるありとあらゆる殺戮を経験した彼女は、その不死性に目をつけた埋葬機関長・ナルバレックの誘いを受け、埋葬機関第七位の代行者となる。
上記の因縁によりアルクェイドとは折り合いが悪く、隙あらば殺し合いを始める関係。存在自体がある意味で異端である埋葬機関で生きてきた彼女は、自分同様「死」を経験しながら緩い志貴の生き方に強く感化されていく。
極度のカレー好き。食事は学校での昼食以外ほぼカレーだけ「カレーうどんをおかずにしてカレーライスを食べる」という徹底振り。アニメ版『真月譚 月姫』第1話では学校の昼食で食事をしているとき、シエルが食べていたのがカレーではなくスパゲティだったために激怒したファンがいたとされる。
ひぐらしのなく頃に』では彼女のオマージュとして知恵留美子(ちえ るみこ)先生というキャラクターが登場し、外見はもちろんのこと、「先生」「カレー好き」という設定も引き継ぎ、アニメの声優は『真月譚』でシエルを演じている折笠富美子である。前述のアニメでの不評要因であるスパゲティを嫌いなものに設定している(ネタで同一人物と捉える向きもある)。最初はただのオマージュだったが、後に作者同士の対談で公認化している。
名前はフランス語で「弓」は「シエル」だったと思い込んだ(名前の元をL'Arc〜en〜Cielから取ったため)シナリオライター奈須きのこによる命名だが、"Ciel"の実際の意味は「弓」でなく「空」(なお「弓」は"'arc")であった。開発も終盤に差し掛かって判明したが、そのままで行くことになった。
遠野 秋葉(とおの あきは)
声:北都南(『MELTY BLOOD』無印)→ ひと美(『MELTY BLOOD Re・ACT』以降) / 伊藤静 / 下地紫野[18][5]
身長:160cm / 体重:45kg / スリーサイズ:B73/W57/H79
誕生日:9月22日 / 血液型:A型
イメージカラー:赤 / イメージソング:Swinging Popsicle「サテツの塔」
志貴の妹で、名門「遠野家」の現当主。志貴を家に呼び戻した張本人であり、礼儀正しく完璧な立ち居振舞いを見せる気の強い令嬢。しかし、小さい頃は大人しく気が弱かった。
8年間も離れて暮らしていた志貴に負い目や不満があり、優しくしたいと思いつつも、志貴の気ままな性格や自身のプライドのせいで素直に感情を表せないでいる。血の繋がらない志貴を異性として愛しており、嫉妬深い面も見せる。胸がないことをコンプレックスに思っている。黒髪のロングヘアが特徴。(同人版の服装は、赤と白を基調としているのに対し、リメイク版では黒や紺と白色が中心)
屋敷の中では未成年飲酒を堂々としている。かなりの量を飲んでも顔が僅かに赤くなるだけで、志貴いわく「ざる」。洋酒が好み。
浅上女学院という学園で寮生活を送っていたが志貴を遠野家に戻すにあたり自宅からの通学に切り替えた。ルートによっては志貴の通う学校に転校する。
“略奪”の混血。視界にある無機物・有機物の熱を任意で奪う力を持ち、熱を完全に奪われた物体は形を保てなくなり気化する。この能力を最大に発揮させた状態である略奪呪界「檻髪」に加え、対象に命を分けて再稼動させる「式神行使」の力を持ち、8年前の事件において志貴が一度死んだ際、式神行使の能力により彼に自分の半分の命を与えて彼を蘇生させた。以後彼女は半分しか自分の命を使えなくなり、琥珀の能力で残り半分の命を補っている。なお、能力を使う際には髪が赤く染まり、その髪を用いた物理的攻撃も可能。
「兄」遠野志貴がそうであるように同じく「空の境界」の黒桐鮮花(黒桐幹也の妹)と容姿及び能力のイメージが似ている。この二人に関しては、青子や凛と共にキャラクター的な根源が同一であると述べられている。(紅赤朱)秋葉と青子はお互いに「他人と思えない」と感じている。
翡翠(ひすい)
声:松来未祐 / かかずゆみ / 市ノ瀬加那[18][5]
身長:156cm / 体重:43kg / スリーサイズ:B76/W58/H82
誕生日:3月12日 / 血液型:B型
イメージカラー:青紫 / イメージソング:SOFT BALLETPARADE
遠野家の使用人で、琥珀の双子の妹。邸内の食事を除く家事全般と志貴の世話を受け持っている。包丁の扱いが下手なことと味音痴であることから料理することを禁じられている。濃いピンク色の髪にメイドカチューシャが特徴。
寡黙で無表情だが、よく見ると感情表現がはっきりとしており、芯も強い。潔癖症で極度の照れ屋で男性恐怖症でもある。志貴が持ち歩いているナイフが初登場したとき、その刃紋に見惚れる一幕も。
対象の生命力などを増幅させる「感応」能力を持つ一族の孤児で、志貴と前後する時期に遠野家に使用人として引き取られている。当時から、琥珀とともに彼と縁のある人物。しかし志貴側は記憶が曖昧になっており姉妹側は以前のことをはぐらかしている。
幼少時は現在とは違い明るい性格であり、七夜一族が目の前で惨殺され落ち込んでいた志貴を外界に目を向けさせる切っ掛けを作ったのも彼女である。志貴、秋葉、シキらと共に幸せな幼少時代を過ごしていたがシキが反転し、秋葉をかばって重傷を負った志貴を目のあたりにして何もできなかった自分を「まるで人形のよう」と悔やみ、現在のような寡黙な性格になってしまった。男性恐怖症も姉である琥珀が自分の身を削ってまで彼女の純潔を守ったことへの反動である。そのため琥珀に非常に負い目を感じている。
『月姫(半月版)』では、「お部屋お連れします」などなかなかにぶっ飛んだ発言をしているなど、彼女のセリフに関わる誤字脱字が特に酷く、このことから「あなた犯人です」という台詞を決め台詞とする「洗脳探偵翡翠」というネタが生まれた。後の『キャラクターマテリアル』においては「翡翠の可能性の1つ」として設定が追加されている。
本編以後は前述の連発された誤植や『MELTY BLOOD』での「暗黒翡翠拳」やメカ翡翠の登場など、ややギャグキャラ化している感は否めない。反面、洗脳探偵はダークヒーロー的キャラクターとして設定されている(とはいえ、洗脳探偵自体がギャグキャラであるが)。
琥珀(こはく)
声:高野直子 / 植田佳奈 / 桑原由気[18][5]
身長:156cm / 体重:43kg / スリーサイズ:B78/W58/H80
誕生日:3月12日 / 血液型:B型
イメージカラー:赤紫 イメージソング:Cocco「やわらかな傷跡」
遠野家の使用人で、翡翠の双子の姉。濃いピンク色の髪に青いリボンが特徴。和服割烹着が普段着で、秋葉付として彼女の身の回りの世話や料理や庭の手入れ、遠野家の健康管理や財務管理など幅広く受け持っているが、邸内の掃除は破壊癖があるため禁じられている。また、薬学の心得があり、遠野家の庭の草で薬品を調合することがある。遠野家において唯一、テレビやゲームなどの娯楽用家電機器を所有する。
いつも明朗で笑顔を絶やさないが、実は翡翠とは逆に笑顔しか表情を表現できない。その裏には過去の様々な出来事が深く関係している。
実は遠野槙久の暴走(反転による紅赤朱化)を抑えるために琥珀・翡翠姉妹の「感応」能力が必要とされ、遠野家に引き取られた経緯がある。琥珀は翡翠に累が及ぶのを食い止めるため、幼少の頃から一人で反転衝動で槙久が凶暴化した際に感情の捌け口としての暴行(感応能力を行わせるため性交の強制も含んでいたため、ほぼ性的虐待)に耐え続ける日々を送っていた。それ以降、彼女は自身を「人形」と思い込むことで苦痛から自分の精神を守ろうとするが、元から寡黙で感情を表に出すのが苦手だった彼女は自分を見失い、喜びも悲しみも感じなくなってしまう。
「人間らしさ」を失いつつも「人間らしさ」にすがった結果、自分が受けてきた苦痛を遠野の一族に復讐するという形をとることで「人間らしく」あろうとし、槙久に対する憎しみすら持てない空虚なまま、事件発覚以後寡黙になった翡翠に変わってかつての明るかった翡翠の役割を演じた笑顔の仮面を被り、裏で密かに策謀を巡らせ、遠野シキを懐柔して槙久を殺害することに成功するが、志貴の帰還は琥珀の復讐を、琥珀本人も気づかないうちに違う方向へと誘っていく。なお、歌月十夜以降は、本編で見せたような冷徹な策士という部分はあまり見せず、かなりはっちゃけたキャラへと変貌する事になる。
企画当初はサブキャラであったが、『半月版』で予想以上の人気が出たため、急遽一週間で専用ルートが設けられたという経緯がある。また最初期の『完全版』では、フローチャートの不備により、渾身の演出として隠しシナリオであったはずの琥珀ルートが初回から攻略可能であったため、フローチャートを作った張本人である奈須きのこが激怒、相方の武内崇に「見たこともないほど怒っていた」と言わしめた逸話もある。
前述のアルクェイドや翡翠同様、『キャラクターマテリアル』において「魔法のお手伝いさんマジカルアンバー」として登場している。またマジカルアンバーは『フェイト/タイガーころしあむアッパー』において黒幕的人物の一人という設定で、ある条件を満たせばプレイヤーキャラとして使用できる。

サブキャラクター

弓塚 さつき(ゆみづか さつき)
声:南央美 / 田中かほり / 田中美海[18]
身長:161cm / 体重:45kg / スリーサイズ:B79/W59/H82
誕生日:8月15日 / 血液型:A型
イメージソング:原田知世彼と彼女のソネット
志貴のクラスメイト。茶髪のツインテールという可愛らしい外見と人当たりの良さから非常に人気がある。ある事が切っ掛けで中学時代から志貴に想いを寄せていたが、志貴は高校まで存在自体に気づいていなかった。本作の舞台・三咲町で起こった連続猟奇殺人事件に巻き込まれ、吸血鬼と化して人を襲うようになってしまう。裏ルートにおける中ボス。
人間だった時は普通の少女だったが、死徒としての素質に恵まれていたため、半日程度で吸血鬼として蘇生した。その資質はかつての「死徒二十七祖」に匹敵し、存命していればわずか半年後には固有結界「枯渇庭園」さえ用いるようになる。
通称「さっちん」。本来なら彼女にも専用ルートが用意されるはずだったが、諸般の事情でカットされた。シナリオ自体は完成しており、「他のヒロインの話が食われてしまう」ほど完成度が高いと評される。
作中では悲劇のキャラであるが、作品の外でも、専用ルートがないことで不遇キャラとしてたびたびネタにされている[注 7]
同人時代の人気投票ではシエルの直下に必ず張り付き(公式第1回6位-シエル5位、第2回6位-シエル4位、第3回7位-シエル6位、第4回5位-シエル4位)通称、シエルキラーの名を与えられる。第4回ではついに強敵・翡翠(6位)を下す快挙を果たし、2009年のまほうつかいの箱での「第1回マイBESTキャラランキング」でとうとう翡翠(15位)のみならず、念願のシエル(13位)越えに成功し、全TYPE-MOONキャラ中10位にランクインという大健闘を果たした。
イラストライターの武内によると、ヒカルの碁に登場する藤崎あかりがキャラクターデザインのモデルとなっている。
アニメ版と漫画版では生存している。また漫画版では両親と思われる「弓塚徳春」「弓塚博子」の名前が出ている。アニメ版では両親と思われる名前は「弓塚マサハル」「弓塚ユウ」と読み上げられているほか、もう一人弓塚姓の人名が書かれているように見える。
乾 有彦(いぬい ありひこ)
声:なし[注 8] / 櫻井孝宏 / 古川慎[18]
身長:174cm / 体重:62kg
誕生日:10月24日 / 血液型:B型
志貴のクラスメイト。幼馴染で悪友。女好きで、シエルにも好意を持つ。赤毛の不良で志貴とは相性が悪そうな人物だが、いろいろと通ずる部分があり小学校以来の腐れ縁を保ち続けている。中学時代の志貴は、乾家に入り浸っていた。一見陽気で、万年遅刻魔と呼ばれるほどガサツな人物だが、外見に似ない観察眼と思慮深さも持っており、志貴の優しさや人当たりの良さの背後にある空虚さ、死との距離の近さに気付いている。本編においてさつきと志貴が交流を始めた際には「けなげで尽くすタイプの弓塚とお前では、相性が悪過ぎるからやめとけよ」と、まさに後の悲劇を暗示するような忠告をしていた。
たとえ一夜限りだとしても女性への態度は真剣そのものらしく、女子からの評判は良好。ただし志貴曰く「ナンパの成功率2割以下」とのこと。
「歌月十夜」のオマケで、シエルの持つ第七聖典に宿る精霊である「セブン」と知り合った。
蒼崎青子(あおざき あおこ)
声:三石琴乃 / 木村亜希子 / 戸松遥[20]
身長:160cm 体重:50kg スリーサイズ:B88/W56/H84
誕生日:7月7日 血液型:A型
志貴の人格に多大な影響を与えた女性。フルネームで呼ばれるのを嫌うため、志貴は「先生」と呼んでいる。特異な眼を持ってしまった幼い頃の志貴に、死に掛けていた心に活を入れ、生き方に関する教えと、姉(蒼崎橙子)から奪った「魔眼殺しの眼鏡」を与えた。物語のプロローグとエピローグ『月蝕』で登場する。クールな性格で冷静なツッコミ役でもある。
魔法使いの夜』の主人公であり、本来なら『月姫』に登場する予定はなかったが、武内崇の強い要望で登場した。
「ミス・ブルー」(もしくは「ブルー」)、「マジック・ガンナー」、「人間ミサイルランチャー」、の二つ名を持つ世界に五人しかいない「魔法使い」の一人である。ただし、「魔術師」としての能力は標準以下で、「壊す」事に関してのみ卓抜した才能を持つといわれている(それでもFate/stay nightのキャスターには及ばない模様)。
『月姫』で志貴と関わっている時は気さくかつ偉大な「賢者」的存在として捉えられているが、普段は傍迷惑な暴れん坊の側面も持っており、『MELTY BLOOD』ではそういった側面が描かれている。
奈須きのこのインタビューによれば、「青子は20から歳を取らない」とのこと[21]
遠野 槙久(とおの まきひさ)
声:なし / 有本欽隆 / なし
故人。遠野家の前頭首にして、秋葉、シキの実父。志貴の本当の血筋である七夜の一族皆殺しの首謀者。
家族に対する保護欲は人並み以上だが、自分に甘く被害者意識が強い性格で、他人を道具程度にしか考えなかったことが、後の遠野家の悲劇を招いた。
歳を取るごとに「混血」としての反転衝動が強くなり、まともな状態である本来の人格と、残忍・凶暴な反転した性格のほぼ二重人格だった。自己の精神・体力を強化するために琥珀・翡翠の姉妹を使用人として手にいれ、感応能力で自己を保っていたが、本編開始直前に道具としか思っていなかった琥珀に騙されて槙久を憎んだシキに殺害される。(真月譚 月姫では、プロローグの一ヶ月後に正気に戻ったふりをしたシキは、秋葉を騙して牢屋の扉を開けさせ、その直後に地下牢に入って来た槙久は、シキに殺害される。)
漫画版ではのちに息子の四季が用いるのと同じ「血刀」を用いるさまが描かれており、志貴の母親を殺害し幼少期の彼の胸にも重傷を負わせている。また漫画版では息子の四季から「志貴を養子にしたのは息子たちが反転したときにいち早く粛清させるため」であると推測され「自分で処理すらしたくねえってことか!!」「ぬるいんだよまったく!」と批判されている。
有間 啓子(ありま けいこ)
声:なし / 夏樹リオ / なし
遠野家を勘当された志貴の面倒を見ていた。有間家は華道の家元である。小学生の娘に都古がいる。
リメイク版では回想シーンに登場するが、ボイスはなし。
有間 文臣(ありま ふみおみ)
遠野家の分家の一つである有間家の人間。名前が出てくるが、本人は登場しない。
高田 陽一(たかだ よういち)
志貴や有彦のクラスメート。大柄な体格で、チョコレートが好物。作中で交通事故を起こしている。兄はラーメンの屋台をやっている。
国藤(くにふじ)
声:伊丸岡篤 / 桐井大介 / なし
志貴たちのクラスの担任教師。
リメイク版ではクラス担任が別の人物に置き換えられているため、登場しない。
坂木崎 清乃(さかきざき きよの)
声:なし / 夏樹リオ / なし
ニュースキャスター。三咲町で起こった殺人事件について報道している。名前は『歌月十夜』のゲストイラストより。
リメイク版では男性のニュースキャスターは登場するが、女性のニュースキャスターは登場しない。
ナルバレック
埋葬機関の創設者の女性。ロアが構成した埋葬機関を管轄する事になった。以後、代々埋葬機関のトップに君臨する一族となった。本編ではロアの回想シーンで登場している。
今代のナルバレックも女性で、既に死徒二十七祖を封印した実績を持つ実力者。しかし極度の殺人嗜好者のために半ば幽閉される形で埋葬機関の執務室に閉じこもっているらしい。彼女は本編では登場しないが、コミックス版の回想シーンで登場している。
七夜 黄理(ななや きり)
遠野志貴の実の父親。遠野槙久の私兵と、連れてきた軋間紅摩を迎え討ち、敗死する。本編では登場しないが、コミックス版の回想シーンで登場。七夜一族の歴史でも「最高傑作」と評されていた。妻(志貴の母親)でもある側近もいたが彼女は遠野槙久に殺害されている。
軋間 紅摩(きしま こうま)
遠野槙久の七夜一族討伐における切り札として動員され、七夜黄理を殺害した筋骨隆々の巨漢。本編では登場しないが、コミックス版の回想シーンでわずかながら登場している。

敵キャラクター

ネロ・カオス(NRVNQSR Chaos
声:中田譲治 / 三宅健太 / なし
身長:188cm / 体重:84kg
誕生日:2月13日
「死徒二十七祖」の第十位。混沌。「真祖狩り」のためにアルクェイドを追ってきた吸血鬼。元々は魔術協会の一角である「彷徨海」の学者で、西暦1000年頃に入学して、『再生の扉』の師ガヌの弟子となり、魔術の研究の末に死徒となった魔術師上がりの死徒。『MELTY BLOOD』では「千年を生きた」とされる。
肉体そのものが固有結界「獣王の巣」となっており、体内に666の獣の因子と同数の命が「混沌」として渦巻いている。「ネロ・カオス」という個は、666の獣(命)の集合体であり、彼を滅ぼすには同時に666の命を全て滅ぼす必要がある。集合体として、本来の人間としての意識や知性も薄れており、生きていればそのうち自我を完全に消失してただの「混沌」になっていたという。
体外に様々な獣の混沌を放出し、これを使い魔として操り、攻撃や偵察手段とする。放出する獣は、通常、犬や虎といった実在する陸の獣であるが、シャチのような海棲動物から、幻想種まで存在する。ただし、放出される獣は完全なランダムで、ネロ自身わからない。また、ここまでできるようになったのは、盟友のロアがその混沌に法則性(内なる系統樹)を見出したからである。倒された使い魔は、命を保持した状態で再び体内に取り込まれる。ゆえに1匹とて完全に殺すことも難しく、万全な状態のアルクェイドであっても「ネロ・カオス」を完全に滅ぼすことはできなかったとアルクェイド自身に言わせている。
人間だった時の名前は「フォアブロ・ロワイン」であり、「ネロ・カオス」とは教会が名づけた通称。ネロとは、キリスト教を迫害したローマ皇帝・ネロらしく、アルクェイドにはどれだけ教会に嫌われているのかと言われている。また、奈須きのこによると「ネロ(NRVNQSR)の文字を数字に変換し、全て足すと666になるから」との事。その学者という出自からオマケでは教授と呼称されることもあり、「教えて知得留先生」にも特別講師「ネロ教授」として登場する。
獣の混沌は基本的に倒されても上記のように体内に戻るが直死の魔眼で倒された場合は元に戻ることはない。
さらに混沌の獣の因子を全て凝縮する事で己自身を最高のケモノに変貌させて肉体を大幅に強化する奥の手武装999
志貴との闘いで見せた彼の最後の切り札であり、怪獣のような灰色大柄の化け物と化したその速度はアルクェイドにも引けを取らない程のスピードを誇るが、速すぎる為に彼自身も動きを完全に制御しきれていない。
志貴を死の寸前まで追い詰めたせいで殺人貴としての人格を呼び出してしまい、文字通り直死の魔眼により固有結界を破壊され消滅した。
リメイク版では後述の「ヴローヴ・アルハンゲリ」に置き換えられているため、登場しない。
ネロは当時の“ステレオタイプな吸血鬼のイメージ”に対するカウンターとして登場した、それらしくない吸血鬼だったが、20年の経過によって、型にはまった吸血鬼の方が少なくなってしまったため、新キャラのヴローヴと差し替えになった[21]
『FGO』世界においては死徒にならず本名の「フォアブロ・ロワイン」のまま彷徨海に在籍している。彷徨海のエントランス一帯を間借りしていたノウム・カルデアが立ち去る際に「再生(ガヌ)」の扉を開けて交渉担当だったシオン・エルトナム・ソカリスの前に現れ、別れの挨拶をすると共に彼女を勧誘するが断られた。
ミハイル・ロア・バルダムヨォン(Micael Roa Valdamjong
声:成田剣 / 吉野裕行 / 阿座上洋平
身長:178cm / 体重:65kg
誕生日:9月29日 / 血液型:A型
通称「ロア」。アカシャ。「転生無限者」と呼ばれる死徒。教会側からは死徒二十七祖の一角に数えられているが、その二十七祖からは一介の上級死徒として認識されており、二十七祖としては番外位となっている。ただし、ネロ・カオスとは盟友である。パーソナルデータは今回の転生体である遠野四季のものである。
元は「永遠」という命題に憑かれた人間の男で、強力な魔術師であると共に教会の司祭の立場にあった。ネロ同様研究の果てに死徒になる道を選び、アルクェイドに己の血を吸わせ彼女の力の一部を奪って強力な死徒となり逃走、数年後教会と共同戦線を張ったアルクェイドに滅ぼされるが、その間に自身の魂を伝達可能なモノとして加工し、選んだ人間の赤子に乗り移ることで数百年間、転生を繰り返してきた。とある事情からアルクェイドに執着している。
オリジナルのロアの人格は既にほとんど消えかけており、転生体の人格はロアが覚醒するまでに育った人間としての意識をベースに、「〜をこうしたい」というロアの意思と知識が合わさり主導権を握ることで形成されている。このため、「ロア」が覚醒する前の環境によってベースとなる人格の善・悪といった性格は変わるが、ロアが覚醒すれば善人であろうとその人格を保ったまま凶悪な殺人者になる。また、ロアの魂自体が汚染されているため、ロアが覚醒すれば肉体は吸血鬼化する。
現代では遠野家の長男・遠野四季に転生し、表ルートではロアの意識が強く出たため、ロア好みの洋装・黒髪で長髪・片目が髪で隠れた姿で登場する。
ナイフを得物として、志貴の「モノの死」を捉える「直死の魔眼」に似て非なる、「物を生かしている部分」を線と点として捉える魔眼を持ち、生物に対してしか力を発揮しないが、線や点を切ることで対象の命=生命力を直接削ることが出来る。
制作サイドには「ビジュアルジャンキー」、「ピアニスト」とも呼ばれる。第一回目の人気投票で一票も入らなかったり、キャラクターデザインの武内崇自ら「『月姫』の中で一番どうでもいいと思われてるよね、きっと」と発言するなど、裏ルートでのシキの活躍に比べ存在感が薄い。
漫画版では白髪に和装の裏ルートでのシキの姿で登場。表と裏のシキが混ざったような性格・能力をしており、シキのような秋葉への過剰な執着心を見せたかと思えば、ロアのように冷徹な態度を取ったり、シキの混血としての能力とロアとしての知識と魔術と魔眼を全て使いこなし、黒いコートワイシャツといったロア好みの洋装も着こなす。魔眼の能力で志貴に致命傷を与えた後は、シキとしての願望(志貴を殺す事)が達成されたためかロアが覚醒、原作と同じ黒髪長髪の容姿へと変貌を遂げた。
アニメ版では灰色髪に顔を包帯で巻いており、「シキの姿と洋装」に近いもののキャラクターデザインが「月姫」と異なる。第8話登場までは顔のみ(第1話)、あるいは名前のみ(第5話)の登場だったが、第8話で声付きで登場。エンディングクレジットでは第8話、第9話では「包帯男」と表記されていたが、第11話、最終話では「ロア」と表記。
『FGO』のドラマCD「英霊伝承異聞 〜巌窟王 エドモン・ダンテス〜」では「タランテラ」(声 - 成田剣)という転生体で登場。並行世界の存在ではあるが死徒として存在しているが、「とある出会いがなかった」がために死徒二十七祖の概念がないために彼はアルクェイドを介せず死徒になった故に『月姫』のロアよりも力は劣るとされている[22]。そして在り方も代わり、最後にはエドモン・ダンテスによって完全に消滅した。
遠野 四季(とおの しき)
声:なし / 吉野裕行、本田貴子(幼少期)
身長:178cm 体重:65kg 血液型:A型
遠野家の長男。秋葉の実兄。裏ルートで出てくる家系図には「四季」とあるが、作中では「シキ」で通っている。
第十八代目ロアの転生体。ロアの意識が強く出た表ルートではロア(の転生体)として扱われ、シキの意識が強く出た裏ルートでは遠野四季として扱われる。容姿・性格・能力等が違うが、どちらも肉体は遠野シキの物である。
裏ルートではベースとなるはずの本来のシキの自我が反転の影響によりほぼ完全に崩壊したためロアも正常に顕在化出来ていない。そのため吸血鬼化してはいるものの魔術等のロアの知識の継承はなく、ロアの意思は「全てを殺せ」といった大まかな方向性のみになっており、容姿は和装に白髪、性格はアルクェイドには執着せず実妹の秋葉に対して異常な程に関心を示すなど、「反転したシキ」に近くなっている。
「混血」としての力は“不死”。「死なない」ではなく「死に難くなる」という力である。この能力の片鱗として、傷ついた箇所を再生するのではなくそのままの状態でも生きていけるように肉体を組み替える「拒死性肉体」、応用として自身の血液を自在に変形・硬質化させる「血刀」、失った肉体や命を他者から奪うことによって補充する融合呪詛「蝕離」など個性的な能力を持つ。
志貴・秋葉とはかつては仲の良い兄弟だったが、遠野に宿る鬼の血を濃く継承していたシキは、ロアの影響で人間としてのシキの意思が消された8年前(リメイク版では7年前)に幼くして反転、最愛の妹である秋葉を攻撃してしまう。その際秋葉を庇った志貴を殺してしまい、反転した者への処罰として自身も当主の槙久により殺されるが、混血としての能力で奪った志貴の命を共融することで生き長らえた。その後一時的に反転が落ち着いたことで槙久に地下牢(リメイク版では斉木記念病院の隔離室)へと幽閉され、人格が人よりに戻るまで琥珀が世話をすることになるが、志貴が遠野の長男として扱われたことで自分の全てを奪ったことを知ったこと[注 9] と、反転して凶暴化したシキに痛めつけられたことでより壊れてしまった琥珀に「槙久はシキを死ぬまで幽閉するつもり」と嘘を吹き込まれたことで、彼らに大きな憎悪を抱くこととなる。
少年時代は自分と同音の名前を持つ志貴を「ナナヤ」と呼んでいた。
「秋葉」の兄ということから、スタッフによる通称は「春男(ハルオ)」。
赤目になったのは吸血鬼化の影響であるが、白髪、和装になった理由について公式からの説明はされていない。
佐々木少年の漫画版では、幼少の頃の秋葉と同じ黒髪碧眼にカジュアルな服装をしていた姿や、自分が反転してしまった時は退魔の衝動を持つ志貴に自分を殺すように頼むなど、人間だった時の彼が描かれている。子供でありながら聡く、遠野の血の末路や志貴が退魔の七夜であることなどを全て知った上で、父槙久が志貴を拾った本当の理由も悟っていた。ロアの項にある通り、成長後もしばらくはロアの意識が混濁した状態で、肉体はシキよりの姿で生きていたが、学校の戦いで志貴を倒した直後、狂気の笑みと涙を流し、執着した過去も焼き切れてシキの意識は消え去り、肉体も精神も完全にロアのものへと変わってしまった。

リメイク版から登場するキャラクター

リメイク版から新規に登場するキャラクター。

ノエル(Noel
声 - 茅野愛衣[23]
身長:169cm 体重:59kg 血液型:A型
志貴たちの学校に転任してきた新任教師。担当科目は体育と英語。大半の男子生徒からは人気があるものの、殆どの女子生徒や一部の男子生徒からの評判は悪く、煙たがられている。特に女子生徒達からのブーイングが酷く、優しく接してくれるのは弓塚くらい。志貴も彼女の事をやや苦手としている。
その正体は聖堂教会に所属する代行者。シエルとは幼馴染み、かつて住んでいた街の同郷でフランス事変の生き残り。武器は斧槍と黒鍵を扱う。斧槍は1tの重さがあり、秘蹟なしでも8回ほど振り回しているが、ノエルの力では筋肉断裂を引き起こしかねないため普段は軽量化の秘蹟をかけて使っている。
シエルルートでは、阿良句の注射により死徒化した後、原理血戒のレプリカを注射したことにより死徒として位階を上げた、外見はノエルを幼女にしたような姿である。能力は、エーテルで構成された鐘の付いた槍による攻撃と、音にまつわる超抜能力、死徒共通の能力である下僕の使役、ロズィーアンの原理血戒である薔薇の魔眼の劣化版。武内崇によれば「デザインコンセプトは妖蝶で、単に少女時代のノエルではなく顔つきも死徒化によって変容している。ノエルの持つ暗い情念の孵化というイメージもあるかもしれない」である。
マーリオゥ・ジャッロ・ベスティーノ(Mario Gallo Bestino
声 - 佐倉綾音[23]
聖堂教会から派遣された司祭代行。金髪にカジュアルな服装をした少年。聖堂教会の重鎮であるラウレンティス枢機卿の息子(対外的には孫)。本来相容れない存在である真祖の姫君であるアルクェイド・ブリュンスタッドとは顔なじみらしい。また魔法使いとして魔術社会のはぐれ者である蒼崎青子とも面識があり、MELTY BLOODでは彼女のストーリーモードで匿名かつ声のみで登場していた。「人形使い(人間使い)」の異名の持ち主。
異名通り手に付けた礼装『鍵盤織機』を使って戦闘要員のシスターを操りながら自身は足技で戦う。
ヴローヴ・アルハンゲリ(Vlov Arkhangel
声 - 津田健次郎
死徒二十七祖の第十九位。原理血戒は『凍結』。比較的若い二十七祖であるため、二十七祖としての異名などは持たない。年齢は400歳ほどと祖としては若く、最近(100年ほど前に)代替わりをしたためかアルクェイド及び聖堂教会は名前さえ知らなかった。元々は先代である十九位ゼリア・アッヘェンバウムの眷属でⅥ階梯の死徒(下級)であり、Ⅶ階梯以上の死徒(上級)では無いので主である祖を殺せるはずがないのだが、北海に現れたロアの暗躍の果て、主を殺害、代替わりをして祖になった。彼にとって、人間の血液は暖を取るための霊薬であり、血液がなければ我が身は凍死してしまうと述べている。かつて何名もの死徒二十七祖が集まりフランスの片田舎を壊滅させた「フランス事変」にも参加している。
かつて死徒になる前は、中世暗黒時代に生きた騎士だったが、冤罪により国を追われ、人の住めない極寒の海に流刑にされた。そこで強大な力を持ちながらも人間を嫌い、恐れ、人からも死徒からも逃げ出した先代十九位ゼリア・アッフェンバウムと出会い、その“子”にされ「アルハンゲリ」の銘をもらう。
斎木 みお(さいき みお)
声 - 日高里菜
志貴が街中で出会う中学生。家出をしており、ビルの屋上でテント暮らしをしている。
本編中では「斎木みお」を名乗るが、エンディングクレジットやマテリアルでは「みお」とのみ記載されている。
阿良句 寧子(あらく ねこ)
声 - 能登麻美子
遠野家に出入りしている女医。槙久の代から遠野家の管理を担当している建築士であり、外科医でもある。
斎木 業人(さいき ごうと)
声 - 小林親弘
遠野家のビジネスパートナーを名乗る人物。火傷により、顔を全て黒い包帯で覆っている。遠野家から追い出された志貴の事を見下しており、嫌っている。
安藤 裕吾(あんどう ゆうご)
声 - 浅利遼太
マーリオゥの部下。愛称は「アンドウ」で、警視庁の刑事でもある。
カリウス・ベルルスコーニ(Karius Berlusconi
声 - 森嶋秀太
マーリオゥの部下。銀髪のイタリア人青年で、判事をしている。
ノイ・セオナトール・グランファテマ
聖堂教会に所属する代行者。埋葬機関第一位、枢機卿。直接の登場は無いが、カリウスの言及では「司祭」と呼ばれているが、マーリオゥやノエルによる埋葬機関の解説では枢機卿と呼ばれている。 Fate/Grand Orderでも、言峰綺礼の上司として言及される。リメイク前の設定ではナルバレックが局長兼第一位であった。
アンドレイ・ゴッドビバーク
埋葬機関第二位。「司祭」。シエル曰く「(戦力的に)本当におかしい人」らしい。直接の登場は無い。
キアラ・キッショウイン
埋葬機関第三位。「尼僧(シスター)」。サバトによって悪魔化しており、この次元において全能を身につけているらしい。その正体は、「月姫」世界における殺生院キアラである。直接の登場は無い。
アーガレオン
埋葬機関第六位。「代行者」。直接の登場は無い。
クロムクレイ・ペタストラクチャ
死徒二十七祖第二十二位。 「城、即ち王国」の原理を持つ祖。
シエルが既に討伐し、原理を奪った祖。
べ・ゼ
死徒二十七祖第二十五位。「剣僧」。「」の原理を持つ祖。シエルとヴローヴの剣術の師。既に討伐し、シエルに原理を取られた。

注釈

  1. ^ OVA『カーニバル・ファンタズム 3rd Season』の初回限定版の特典。
  2. ^ アニメでは第1話では体育中に倒れ、早退したことがある。
  3. ^ 自身の子が反転衝動に堕ちたときの討伐者としての側面もあり、アニメ版・漫画版ではこちらの面が強く出ている。
  4. ^ 奈須きのこ曰く「アルクェイドの4分の1くらいかな? 一人頭の強さは。サーヴァント一人だとアルクが勝つだろうけど、サーヴァント二人だとアルクがてこずってる間に後ろからプスッと……いけるかな」「あと、通常アルクェイドはサーヴァント約2体分の個体能力ってことでひとつ」とコメントしている。
  5. ^ ギルガメッシュなどの超火力のサーヴァントには特に。また彼の能力が宝具に依存するのも関係がある。コンプティーク2006年9月号 Fate道場Q&Aより。
  6. ^ その状態の彼女の怪物ぶりを表す例として、公園 - 学校間の約6kmを一分足らずで走破し(計算上では時速約360km以上で移動したことになる)、普段ならまだ勝負になる相手・シエルを一瞬で倒したことが挙げられる。
  7. ^ 例として、『MELTY BLOOD Act Cadenza』でのとあるキャラのシナリオで、「いつかはヒロインになれる」と発言したところ、「聖杯」でも無理といわれるなど。
  8. ^ 『MELTY BLOOD』には登場しない。『カーニバル・ファンタズム』の設定資料集には『真月譚 月姫』と同様に櫻井孝宏が担当声優として記載されているが、本編中にセリフはない(映像のみの登場)。
  9. ^ 志貴はのちに槙久は「四季が完全に回復したら、四季を『遠野志貴として』呼び戻すつもりだった」と推測している。
  10. ^ 資料によっては「空櫃」とも記載されている。

出典

  1. ^ 【公式】Fate/Grand Order チャンネル (24 December 2022). 【Fate/Grand Order ウィンターパーティー 2022-2023 北海道会場】FGOスペシャルトークin北海道. YouTube. 該当時間: 44:06. 2022年12月26日閲覧
  2. ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』(ISBN 9784866400259)、64ページ。
  3. ^ エキサイト ブックス現代作家ガイド―奈須きのこ(なすきのこ)
  4. ^ 「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは” (2017年3月11日). 2018年5月27日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 『月姫』リメイク版2021年夏にPS4/Switchで発売決定。奈須きのこ氏・TYPE-MOONがおくる伝奇ビジュアルノベルが家庭用ゲームで蘇る”. ファミ通.com (2020年12月31日). 2021年1月1日閲覧。
  6. ^ a b TMA13 2021, p. 7.
  7. ^ a b c d TMA13 2021, p. 17.
  8. ^ 歌月十夜の「朱い月」 より
  9. ^ TYPE-MOON『月姫読本 Plus Period』宙出版、2004年、183頁。ISBN 9784776790372 
  10. ^ TYPE-MOON『月姫読本 Plus Period』宙出版、2004年、178頁。ISBN 9784776790372 
  11. ^ a b TYPE-MOON『月姫読本 Plus Period』宙出版、2004年、184頁。ISBN 9784776790372 
  12. ^ 「月姫用語辞典-遠野」『月姫読本』
  13. ^ 「月姫用語辞典-檻髪」『月姫読本PlusPeriod』
  14. ^ 「月姫用語辞典-有間」『月姫読本』
  15. ^ 「月姫用語辞典-有間都古」PS2版『MELTY BLOOD Act Cadenza』付属冊子
  16. ^ 「月姫用語辞典-久我峰斗波」『月姫読本PlusPeriod』p.178
  17. ^ 「月姫用語辞典-刀崎」『月姫読本』
  18. ^ a b c d e f g h i キャラクター”. 月姫 -A piece of blue glass moon-. TYPE-MOON. 2024年1月18日閲覧。
  19. ^ Current Code』での勝利メッセージより。
  20. ^ TYPE-MOON TIMES Vol.2(7m50s〜) - YouTube
  21. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 今甦る真月譚,新生「月姫R」クリエイターインタビュー。奈須きのこ&BLACK両氏が語る世界の裏側,そしてこれから” (2021年9月27日). 2021年10月10日閲覧。
  22. ^ 竹箒日記:2017/04”. 武内崇, 奈須きのこ (2017年4月15日). 2017年6月5日閲覧。
  23. ^ a b 【公式】月姫の2021年7月19日のツイート2021年7月19日閲覧。
  24. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 『月姫』リメイク版発売記念インタビュー。奈須きのこ氏&武内崇氏が“新しい『月姫』”を語る” (2021年9月11日). 2021年9月16日閲覧。
  25. ^ 月姫リメイクスタッフ本(月姫通信R)32ページ
  26. ^ a b c d e f g h TMA13 2021, p. 21.
  27. ^ a b TMA13 2021, p. 20.
  28. ^ TMA13 2021, p. 18.





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