暫定2車線
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暫定2車線(ざんていにしゃせん)は、4車線以上で計画された道路のうちの2車線のみを暫定的に供用すること、およびその区間の道路の形態。車線を4車線とする場合に比べて、限られた期間や費用で建設できるため、供用時に交通量があまり見込まれない道路において採用されることが多い。
注釈
- ^ 例として下館バイパス、犬飼バイパス
- ^ 特にインターチェンジやパーキングエリア・サービスエリアの前後区間では、将来的な4車線への拡幅時に加速車線やランプウエイの作り直しの手間を避けるため、一時的に4車線としている区間も多く見られる。
- ^ 同様の方式としてはスウェーデンで採用されている2+1車線や、大韓民国での4車線を前提とした2車線高速道路が挙げられる。
- ^ 例えば、トンネルは暫定2車線用トンネルの隣にもう2車線分掘るだけでよく、暫定2車線用トンネルも下り線(または上り線)のトンネルとして利用できるため、線形改良等の事情がなければトンネルを掘りなおす必要はない。
- ^ 山形自動車道の笹谷IC-関沢IC間や長崎自動車道の嬉野IC-東そのぎIC間など。
- ^ ただし、太子IC -竹内トンネル間は完成4車線で、葛城IC→竹内トンネル間に登坂車線が有る。
- ^ 御殿場JCT - 浜松いなさJCTは6車線。海老名南JCT - 御殿場JCT、浜松いなさJCT - 岡崎SAは正式には「暫定4車線」であるが、実質的には完成4車線と同じ構造である。
- ^ 亀山西JCT - 大津JCT - 城陽JCT・IC、八幡京田辺JCT・IC - 高槻JCT・ICは6車線化事業中。
- ^ この問題に関しては、片側3車線の道路を新たに建設し、既存の4車線道路をもう片側に転用して7車線とすることで対処している箇所も存在する(東名高速道路の日本坂トンネルなど)。
- ^ この方式をめぐって、湖南高速道路で「特定地域に対する冷遇ではないか」と槍玉にあがったケースがある。湖南高速道路#車線数をめぐる論争参照
- ^ しかし、湖南高速道路(当時)で1983年から1989年にわたって行われた懐徳JCT-古西JCTの拡幅工事では、開通の時点で4車線分の用地が確保してあったが、線形不良のために用地を利用せず、新たに4車線道路を建設した区間がある(韓国道路公社20年史、1989、韓国道路公社)。これは南海高速道路河東IC -昆陽ICなどでも見られる。
- ^ 開通当初に対面通行で供用された側は「一期線(I期線)」、拡幅に伴い新たに建設された側は「二期線(II期線)」と呼ばれる。下り線と上り線のどちらが一期線であるは道路による。
出典
- ^ 道路構造令第5条第2項、第28条など
- ^ 浅井建爾 2015, p. 160.
- ^ 浅井建爾 2015, pp. 160–161.
- ^ a b c d 浅井建爾 2015, p. 161.
- ^ 警察庁交通局, 交通規制基準
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- ^ 開通のお知らせ、p.2の横断面図(東九州自動車道)
- ^ 「道路構造令の解説と運用」の改訂について-平成15年度地区講習会資料 p.18の左上の図
- ^ 道路構造令の一部を改正する政令について
- ^ 東名高速道路 音羽蒲郡IC - 豊田JCT間の3車線(暫定)運用を開始しました。 NEXCO中日本 2011年10月21日プレスリリース 2012年5月7日閲覧
- ^ 東名阪道 一部区間の暫定3車線化工事のお知らせ〜四日市IC付近の渋滞対策として〜 NEXCO中日本 2012年3月26日プレスリリース 2012年5月6日閲覧
- ^ 東名阪 四日市IC付近の3車線(暫定)運用を開始しました NEXCO中日本 2012年12月19日プレスリリース 2012年12月30日閲覧
- ^ 第5回有料道路部会 高速道路ストックの機能強化の課題(2007年4月7日)
- ^ (韓国道路公社20年史)
- ^ びっしり詰まった高速道路、上辺だけの高速道路?、2006年、韓国SBS
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