春 生物的自然

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 14:16 UTC 版)

生物的自然

春は生物の動き始める時期である。温度が上がり、日差しが強くなり、植物の活動が始まる時期である。

農業

日本では主要作物であるイネの植え付け準備に当たる時期である。初冬から水田ではレンゲ緑肥として栽培され(現在ではほとんど見ない)、田起こし、苗代作りなどが続く。田植えは初夏の行事であるが、早いところでは本州でも四月に始まる。

梅や桃の開花も春である。他に、菜の花も代表的な春の畑の風景である。

植物

多くの植物はこの時期から葉を伸ばし、栄養を蓄えてから繁殖を始める。花の時期は植物によって様々ではあるが、特に春はほとんど花のない冬の後であることもあり花の季節との印象がある。特に、この季節にだけ発生する植物・昆虫類を総称してスプリング・エフェメラルと呼ぶことがある。

日本ではが春の花の代表であり、それぞれを対象として花見が行われる。フクジュソウの花は現在では冬と位置づけていい時期に咲くが、これも新春の花と認識されていた。

現在では園芸植物では球根系のチューリップヒヤシンスアネモネなども春の花の代表と認識されているが、これらは元来はヨーロッパのスプリング・エフェメラルであった。

なお、実際の開花時期は当然ながら地域によって異なる。特に寒冷地ではそれが遅くなる。たとえばミズバショウは「夏の思い出」に唄われるが、これは現地では春早くに当たる。また、単に遅くなるだけでなく、その期間が圧縮される。先の例では梅、桃、桜は本州南部では順に2月、3月、4月に咲くが、これらは東北地方ではほぼ同時に咲く。

他になどの花粉は健康被害をもたらすことがあり、花粉症として知られている。春はまた、新芽の伸び始める季節でもあり、常緑樹の場合、落葉はこの季節にも多い。

動物

このように柔らかな植物や花が多いことから、またそれを食べる昆虫などの活動も盛んであることから、多くのもこの季節に繁殖を行う。それに伴って鳥がさえずるので、野外はにぎやかになる。ツバメなど、南方から渡ってくる鳥もある。ほ乳類の育児もこの時期に行われる例が多い。

なお、猛禽類や大型肉食獣の場合、冬から育児が始まる例があり、これは子供がやや大きくなって食欲が増した時期が小型動物の育児や繁殖の時期にぶつかるよう適応したと考えられる。


  1. ^ 暦Wiki/季節 - 国立天文台暦計算室”. eco.mtk.nao.ac.jp. 2024年3月14日閲覧。
  2. ^ 温暖化で日本の四季に変化 「梅雨」が季節になる可能性も”. NEWSポストセブン (2020年12月7日). 2021年1月4日閲覧。
  3. ^ “春”の臨時列車のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2018年1月19日。 オリジナルの2018年8月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180826032201/http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000036163.pdf2018年8月26日閲覧 
  4. ^ http://www.almanac.com/content/spring-equinox-2017-first-day-spring
  5. ^ 春のうた(詞:野口雨情/曲草川信)/Hoick楽曲検索~童謡・こどものうたを検索!~”. Hoick[ホイック] ~保育士・幼稚園教諭のためのWebサイト~. 2023年9月25日閲覧。
  6. ^ 日本放送協会. “春を呼ぶマーチ”. NHK みんなのうた. 2023年9月25日閲覧。
  7. ^ 日本放送協会. “春の川で”. NHK みんなのうた. 2023年10月24日閲覧。





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