日清食品 宇宙食

日清食品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/26 06:25 UTC 版)

宇宙食

宇宙食開発の取り組みは、創業者・安藤百福の「人間はどこに行っても、どんな環境でも食べなければならない。宇宙に行っても同じ。」という思いから始まった。

宇宙食ラーメン「スペース・ラム」

2005年7月下旬に打ち上げられたスペースシャトルディスカバリー」を使用したミッション(STSー114)に、世界初の宇宙食ラーメンスペース・ラム(Space Ram)」が搭載された。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発したもので、宇宙船内という特殊な環境下でもラーメンが楽しめるという画期的なものである。

特徴は以下の通り。

  • 味はカップヌードルベース - レギュラー(しょうゆ)のほか、乗員の宇宙飛行士野口聡一のリクエストにより、カレー・みそ・とんこつの全4種類を用意。
  • 70度で湯戻し可能 - スペースシャトル内で給湯できる上限湯温である摂氏70度の湯で戻せる麺。
  • 飛散防止 - 微小重力下で、精密機器やスイッチ類が露出した宇宙船内でスープ等の液体の細粒を含む食品の細片が飛散するのは厳禁のため、スープは粘度を上げ、麺は戻しても形状を保つ一口大の塊状麺を採用。3個で1食分として、特製の合成樹脂パックに入っている。分量としては、レギュラーサイズの約半分であるカップヌードルミニとほぼ同じである。このように、麺類ならではの「すする」ような食べ方こそできないものの、味や食感はカップヌードルとほぼ同じで、実際に宇宙で食べた野口も非常に満足であったと語っている。

「宇宙篇」CF

2005年11月2日より放映された、カップヌードルの「NO BORDER」シリーズCFの第7作目「宇宙篇」では、宇宙飛行士が空中に浮遊する塊状麺を食べるシーンがあるが、これは実際に国際宇宙ステーション(ISS)内のロシア居住モジュールで撮影されたものである[12]

このCF撮影は、JAXAやロシア連邦宇宙庁などの全面協力のもと、約2年間の準備期間を経て実現した。2005年10月1日に打ち上げられたソユーズロケットに撮影機材や特製カップヌードルが搭載され、ISSへ送られた。

実際の撮影に当たっては、地上の管制センターとISSの間で連続最長10分の交信が可能な「リアルタイム・ダウンリンク」を使用して撮影の指示を出す等、一企業のCF撮影としては破格の国際協力が行われた。

この撮影に使われたカップヌードルは、上記の「スペース・ラム」をベースに、CF撮影用としてカップヌードルのロゴなどをパックに印刷した特製のもので、ソユーズへの搭載およびISSへの持ち込み許可などの厳しい基準をクリアしたものである。

最新鋭の宇宙食

2010年3月には、最新鋭の宇宙食として、世界初の宇宙食ちらし寿司スペース・チラシ」、宇宙食しゃぶスペース・ブタシャブ」、端午の節句用の宇宙食柏餅スペース・カシワ」を開発。これもスペース・ラム同様、野口宇宙飛行士のリクエストに応じて開発し、JAXAに提供され、ISSに運び込まれている。なお、これらの宇宙食は2010年3月27日より東京・大阪で行われているイベントにも展示された[13]


注釈

  1. ^ カップヌードル」と同じく、大高猛によるデザイン。
  2. ^ 旧・日清食品は2007年(平成19年)11月22日、日本たばこ産業(JT)とともに加ト吉(現・テーブルマーク)を共同買収し、2008年(平成20年)4月に冷凍食品部門を加ト吉に移して統合すると発表したが、2008年(平成20年)2月にJT子会社の不祥事(冷凍ギョーザ中毒事件)による業績の修正を受けて冷凍食品部門の統合は見送られた。その後、10月の持株会社制移行により、冷凍食品部門は「日清食品冷凍株式会社」として再出発した。
  3. ^ 2022年4月4日以降
  4. ^ 2022年4月3日以前
  5. ^ 2021年4月1日以降
  6. ^ 2021年3月31日以前
  7. ^ 2013年現在、日本水産から同じブランド名の製品(冷凍即席めん)が発売されているが、こちらとは無関係。
  8. ^ YouTube限定コラボCMにて公開
  9. ^ 西武ライオンズ時代の1993年には、同業者のエースコック「スーパーカップ」のCMに出演していた。
  10. ^ 同業者であるサッポロ一番「塩カルビ焼そば」のCMにも出演していた。
  11. ^ 2009年春には、木村拓哉出演のカップヌードルのCM「コロチャー編」にも写真で出演していた。
  12. ^ モーニング娘。のヒット曲『恋愛レボリューション21』に乗せて踊るCMが話題となった。
  13. ^ YouTubeおよび同作品ライブ会場にてコラボCMが公開された。
  14. ^ YouTubeにてコラボ動画が公開された。
  15. ^ 2020年8月より提供表示がカラー表示対応になった。また、同年10月より字幕対応になった。
  16. ^ a b 2020年10月より提供表示がカラー表示対応になった。また、字幕対応になった。
  17. ^ ちなみに2007年8月31日放送に宇多田ヒカルが出演した際、カップヌードルのCMソング「Kiss & Cry」を熱唱した。
  18. ^ この他Cygamesセブン-イレブンサントリーがプレミアムスポンサーを務める。
  19. ^ 当該時間帯のスポンサーは、『ジャパーン47chスーパー!』以来となる。
  20. ^ 1987年10月から2010年9月まではカウキャッチャーだった。2000年3月までは60秒。2015年4月よりCMが字幕対応になった。
  21. ^ 福島テレビ、フジテレビ、uhb岩手めんこいテレビ仙台放送秋田テレビさくらんぼテレビNST長野放送テレビ静岡山梨放送(日本テレビ系列)、青森テレビ(TBS系列)へもネット(ただし青森テレビは遅れネット)。
  22. ^ 同業者で、現在グループ会社である明星食品も前スポンサーだった。
  23. ^ 現『中居正広の金曜日のスマイルたちへ
  24. ^ 2008年10月1日 - 11月21日までの隔日提供しており、この期間の放送番組であった温泉へGo!とのコラボレーションCMを放送していた。
  25. ^ 1969年の放送開始時、関東地区ではNET(現:テレビ朝日)系へネットしていたが、その後東京12チャンネル(現:テレビ東京)へ移行し、1975年4月ネットチェンジでTBS系へ移行、1982年まで続く。
  26. ^ 2008年12月に番組とのタイアップで、番組認定による「ラ王」「ごんぶと」の受験生応援商品を発売した。
  27. ^ 2016年7月30日放送をもって、クール途中で降板。
  28. ^ 当番組に一時期、カップヌードルライトのCMに出ている内田恭子が出演していたが、その内田の酒・清涼飲料の出演CMが番組スポンサーの1つであるサントリーのライバル会社・キリンであるため、ライバル会社の宣伝にならないように取られた措置。
  29. ^ 出演している男性芸人の闇営業問題の影響で、2019年6月20日はPT扱い、翌週の6月27日から提供自粛していたが、復帰することなくスポンサーを降板。
  30. ^ 2010年1月より所属契約を結び、ロゴ(「日清のどん兵衛」。ただし一部海外ツアーでは「CUP NOODLE」)入りのウェアーやキャップなどを着用してプレーしている。
  31. ^ スポンサー契約を結び、カップヌードルのロゴ入りウェアを着用してプレーしている。
  32. ^ 2012年4月より所属契約を結び、ロゴが入りテニスウェアを着用してプレーしている。
  33. ^ 2016年11月より所属契約を結び、ロゴが入りテニスウェアを着用してプレーしている[32]
  34. ^ かつて「カップヌードル」名義でチームスポンサーについていた。

出典

  1. ^ a b c d e f g 第14期決算公告、2022年(令和4年)6月27日付「官報」(号外第136号)206頁。
  2. ^ 日清の「ラ王」復活 独自の製法で「専門店に迫る味」 - MSN産経ニュース 2010年8月24日
  3. ^ 日清食品「どん兵衛」刷新 めん太さ最大級 - SankeiBiz、2010年10月19日
  4. ^ “「東北地方太平洋沖地震」の影響に関するお知らせ” (PDF). 日清食品ホールディングス株式会社. (2011年3月15日). http://www.nissinfoods-holdings.co.jp/img/show_pdf.php?type=news&image=2189_pdf_1.pdf&pdf=1 2011年4月19日閲覧。 
  5. ^ 「インスタントラーメン発明記念館」の名称を「カップヌードルミュージアム 大阪池田」に改称(日清食品ホールディングス 2017年8月10日)
  6. ^ 「PRODUCT X」第一弾「音彦 (おとひこ)」(10月23日予約受付開始) 日清食品プレスリリース(2017年10月23日)2017年10月28日閲覧
  7. ^ 日清食品 国内最大規模の工場建設へ つくばみらいの工業団地”. NHK. 2022年11月2日閲覧。
  8. ^ 日経トレンディネット 「インスタントラーメン大研究 半世紀に渡る進化の歴史と次の商品」 2008年9月24日付
  9. ^ 「妖怪ウォッチ しょうゆラーメン」(12月1日発売) | 日清食品グループ - 2020年6月1日閲覧
  10. ^ 「妖怪ウォッチ しょうゆラーメン」(9月21日発売) | 日清食品グループ - 2020年6月1日閲覧
  11. ^ アイカツ!公式サイト『「アイカツ!推し麺 みそ野菜ラーメン」発売★』2014年12月5日発信 - 2015年6月8日閲覧
  12. ^ プレスリリース記事
  13. ^ 弊社開発 世界初の宇宙食ちらし寿司「スペース・チラシ」等の概要について - 日清食品ホールディングス株式会社
  14. ^ 東北地方太平洋沖地震への弊社グループの対応について - 日清食品ホールディングス、2011年3月28日
  15. ^ “「ラ王」1カ月で“復活”に怒りのファンも「閉店商法だ」”. IT Media News. (2010年8月25日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/25/news087.html 2010年9月8日閲覧。 
    “「追湯商法にしてやられた」怒ったり、あきれたり「ラ王」1か月足らずでリニューアル「復活」”. J-CASTニュース. (2010年8月26日). https://www.j-cast.com/2010/08/26074362.html?p=all 2010年9月15日閲覧。 
    “「日清食品『ラ王』 追湯式典&復活」のストーリー”. CNET Japan. (2010年9月8日). https://japan.cnet.com/article/20419675/ 
  16. ^ 日清、ラ王のCM自粛 撮影で登山者足止めに批判 共同通信 2010年9月[リンク切れ]
  17. ^ 「日清ラ王」のCM中止=槍ケ岳で撮影トラブル 時事通信 2010年9月[リンク切れ]
  18. ^ ラ王CM強行撮影、環境省が日清・電通を指導 asahi.com 2010年10月
  19. ^ 弊社商品のCM撮影に関するお詫び - 日清食品 2010年9月8日
  20. ^ 放送自粛で話題となった「日清ラ王」が新CM……今度はスカイツリーで - RBB TODAY
  21. ^ いまだ!バカやろう! - 日清カップヌードル
  22. ^ 生田綾 (2019年1月24日). “日清、大坂なおみ選手のアニメCMを公開停止に 「選手活動に影響があると判断」”. ハフポスト日本版. https://www.huffingtonpost.jp/2019/01/23/nissin-naomi-osaka-cm_a_23651195/ 2019年3月21日閲覧。 
  23. ^ 「行列のできる店のラーメン 横濱中華街 特濃担々麺」 「カップヌードルしお」 発売日決定のお知らせ- 日清食品のリリース、2011年4月19日閲覧
  24. ^ 錦織圭、大坂なおみ、八村塁が「ズルズルズルズルズルコサミン」、「ある時ー、ない時ー」! 日清が地方CM32本を完全再現して同時公開~「学生服のやまだ」や「どじょうまんじゅう」なども”. ネタとぴ (2020年1月1日). 2020年1月3日閲覧。
  25. ^ a b c d 詳細は日本生活協同組合連合会公式サイト「コープ商品」を参照。
  26. ^ カップヌードルの肉が進化? 日清食品、値下げ見送り“価値向上” - 1 / 2 msn産経ニュース 2009年3月26日
  27. ^ a b “北乃きい&広瀬アリス:高校サッカーマネジャーコンビでCM共演 "やっちゃった"男子にエール”. まんたんウェブ(毎日新聞デジタル). (2011年6月7日). https://mantan-web.jp/article/20110607dog00m200005000c.html 
  28. ^ “笑い飯:「日清のCMをやるためにM-1優勝しました」関西限定で夫婦コント”. 毎日新聞デジタル. (2011年5月9日). https://mantan-web.jp/article/20110509dog00m200054000c.html 2011年5月10日閲覧。 
  29. ^ “サバンナが阪神タイガースキャンペーンを刑事コントで盛り上げる!”. Webザテレビジョン. (2012年4月5日). https://thetv.jp/news/detail/29370/ 
  30. ^ フジに激震 有力スポンサーが相次いで「契約解除」の波紋 日刊ゲンダイ、2016年8月13日
  31. ^ 【コラム】民放ラジオ番組の変遷(特別編3) CBCラジオ「RadiChubu-ラジチューブ-」2017年6月18日
  32. ^ 世界を沸かす "SAMURAI" テニスプレーヤー 大坂 なおみ選手と所属契約を締結
  33. ^ https://www.nikkansports.com/olympic/column/edition/news/201805100000819.html 近代5種「脱マイナー」へ普通じゃないPR大作戦(日刊スポーツ、2018年5月13日)






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