日本神話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/02 12:33 UTC 版)
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目次 |
概要
日本神話と呼ばれる伝承はほとんどが、『古事記』、『日本書紀』および各『風土記』の記述による[1][2]。そのため高天原の神々が中心となっているが[2]、出典となる文献は限られる。
本来、日本各地には出雲を始めとして何らかの信仰や伝承があったと思われ、ヤマト王権の支配が広がるにつれていずれもが国津神(くにつかみ)または「奉ろわぬ神」と形を変えられて「高天原神話」に統合されたとされる[3]。また、後世まで中央権力の支配されなかったアイヌや琉球には独自色の強い神話が存在する。
本記事においては『古事記』『日本書紀』などで語られている「高天原神話」(記紀神話)を解説する。
神仏習合と中世神話
日本に仏教が定着すると、日本の神々も人間と同じく苦しみから逃れる事を願い、仏の救済を求め解脱を欲すると認識されるようになった[4]。奈良時代初頭から神社において神宮寺が建立され始め、715年(霊亀元年)には越前国気比大神が、また満願禅師らによる鹿島神宮が、ほか賀茂神社、伊勢神宮などで神宮寺が併設された[4]。また、宇佐八幡神のように神体が菩薩形をとる神(僧形八幡神)も現れた[4]。奈良時代後半には、伊勢桑名郡の現地豪族の氏神である多度大神が、神の身を捨てて仏道の修行をしたいと託宣するなど、神宮寺建立は地方にまで広がり、若狭国若狭彦大神や近江国奥津島大神など、他国の神も8世紀後半から9世紀前半にかけて、仏道に帰依する意思を示した[4]。こうして苦悩する神を救済するため、神社の傍らに神宮寺が建てられ、神前で読経がなされた。
平安時代になり、日本の神は護法善神とする神仏習合思想が生まれ、寺院の中で仏の仮の姿である神(権現)を祀る神社が営まれるようになった。
また、『太平記』などの軍記物、歌学書やその注釈、寺社縁起などで『日本書紀』によりながら内容が大きく異なる中世神話(中世日本紀)が発達した。中世神話では本地垂迹説により記紀の神々が仏教の尊格と同一視されたり、あるいは対等に扱われる。記紀にはない神格やアイテムが登場したり、地方神話、民間伝承や芸能の要素の混入もみられる。記紀神話のように内容を統一する文献は編纂されなかったため、バリエーションは豊富である。中世神話は現在では国文学方面で研究されており、神話学などではあまり扱われない。
近世
近世になると、本居宣長が古事記の本格的解明を目指し『古事記伝』を著し、日本神話といえば『日本書紀』の内容がメインで伝わっていたのが一変して、主に『古事記』の内容がメインで伝えられるようになり、現在に至る。
また、少数ではあるが、キリシタンや幕末の新興宗教の教説にも独自の神話がみられる。
神代神話の概略構成
この記事では日本神話のあらすじを述べるにとどめ、各神話の詳細は別記事に譲る。
記紀などにおいて神代(神の時代、神話時代)として記された神話は、以下の通りである。神代は、神武天皇の在位する以前までの時代のことである。
天地開闢
詳細は「天地開闢 (日本神話)」を参照
世界の最初に高天原で、別天津神・神世七代という神々が誕生。これらの神々の最後に生まれてきたのが伊弉諾尊(伊邪那岐命・いざなぎ)・伊弉冉尊(伊邪那美・いざなみ)である[5][6]。
国産みと神産み
イザナギ・イザナミの両神は葦原中国に降り、結婚して大八洲と呼ばれる日本列島を形成する島々を次々と生み出していった。さらに、さまざまな神々を生み出していった。[5]一部内容ではイザナギは黄泉の国へ向かい、その後、黄泉のケガレを祓う為禊をし、この時もさまざまな神々が生まれた。[7][8]。
アマテラスとスサノオの誓約・天岩戸
詳細は「アマテラスとスサノオの誓約」および「天岩戸」を参照
素戔嗚尊(須佐之男命・すさのを)は根の国へ行途中高天原へと向かう。天照大神(天照大御神・あまてらす)はスサノヲが高天原を奪いに来たのかと勘違いし、弓矢を携えてスサノヲを迎えた。スサノヲはアマテラスの疑いを解くために誓約で身の潔白を証明した。[9]
しかし、スサノヲが高天原で乱暴を働いたためアマテラスは天岩戸に隠れた[10]。そこで、神々は計略でアマテラスを天岩戸から出した。スサノヲは下界に追放された[11][12]。
出雲神話
詳細は「ヤマタノオロチ」、「因幡の白兎」、「大国主の神話」、および「大国主の国づくり」を参照
スサノヲは出雲の国に降り、八岐大蛇(八俣遠呂智)を退治し、奇稲田姫(櫛名田比売・くしなだひめ)と結婚する[13][14]。スサノヲの子孫である大国主(大己貴命・おほあなむち)はスサノヲの娘と結婚し、少彦名命(すくなひこな)と葦原中国の国づくりを始めた[15]。
出雲神話とはいうものの、これらの説話は『出雲国風土記』には収録されていない。ただし、神名は共通するものが登場する。
葦原中津国平定(国譲り)
高天原にいた神々は、葦原中国を統治するべきなのはアマテラスの子孫だとした。そのため、何人かの神を出雲に使わした[16]。最終的に大国主が自らの宮殿建設と引き換えに、天津神に国を譲ることを約束する。[17][18]。
天孫降臨
アマテラスの孫である瓊々杵尊(邇邇藝命・ににぎ)が葦原中国平定を受けて日向に降臨した[19]。ニニギは木花開耶姫(木花之佐久夜毘売・このはなさくやひめ)と結婚し、木花開耶姫は(主に)火中で御子を出産した。
山幸彦と海幸彦
ニニギの子[20]である海幸彦・山幸彦は山幸彦が海幸彦の釣り針をなくした為[21]、海神の宮殿に赴き釣り針を返してもらい、兄に釣り針を返し従えた。山幸彦は海神の娘と結婚し彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊(鵜草葺不合命)という子をなした。ウガヤフキアエズの子が神日本磐余彦尊(神倭伊波礼毘古命・かんやまといわれひこ)、後の神武天皇である[21][22]。
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- ^ 井上順孝 『神道』 54頁。
- ^ a b 上田正昭 『世界大百科事典』23巻、411頁。
- ^ 上田正昭 『世界大百科事典』23巻、411-412頁。
- ^ a b c d 義江彰夫 『神仏習合』(岩波書店 1996年)
- ^ a b 井上順孝 『神道』 56頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 12-16頁。
- ^ 井上順孝 『神道』 60-61頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 16-42頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 44-49頁。
- ^ 井上順孝 『神道』 62頁。
- ^ 井上順孝 『神道』 64頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 52-59頁。
- ^ 井上順孝 『神道』 66頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 64-70頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 71・95頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 110-120頁。
- ^ 井上順孝 『神道』 72頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 128・131-132頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 138・150頁。
- ^ 井上順孝 『神道』 77頁。
- ^ a b 井上順孝 『神道』 76頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 161-189頁。
- ^ 井上順孝 『神道』 78頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 192-209頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 214-215頁。
- ^ 戸部民夫 『日本神話』 215頁。
- ^ みすず書房 (1974)
- ^ 弘文堂 (1974)
- ^ 講談社現代新書 (1976)、講談社学術文庫(2007)
- ^ みすず書房 (1979.1)
- ^ 朝日出版社 (1980.8、新装1987.6)
- ^ 青土社 (1996年) - 古川のり子と共著
- ^ 『ヤマトタケルと大国主 比較神話学の試み3』みすず書房 (1979.1)
- ^ 『ヤマトタケルと大国主 比較神話学の試み3』みすず書房 (1979.1)
- ^ 『ヤマトタケルと大国主 比較神話学の試み3』みすず書房 (1979.1)
- ^ 「琉球の神話」は伊波普猷が明治37年(1904年)に『史学界』に発表した後、明治37年(1904年)に『古琉球』へ所載された。『古琉球』の第4版を出すに当たり昭和17年(1942年)改稿。『伊波普猷全集 第1巻』1974年に所収。
- ^ 「記紀の神話と南西諸島の伝承 六、結論」より。「記紀の神話と南西諸島の伝承」は『日本神話』1970年に所収。
- ^ 「日本神話と琉球神話」『日本神話と琉球』1977年。
- ^ 「琉球の宗教儀礼と日本神話」『日本神話と琉球』1977年。
- ^ Roland B. Dixon
- ^ 『日本神話の研究』の「我が国天地開闢神話にたいする一管見」より。『日本神話の研究』1971年
- ^ a b 伊藤幹治「日本神話と琉球神話」講座日本の神話編集部 『日本神話と琉球』 有精堂〈講座日本の神話〉、1977年所収。
- ^ 「記紀の神話と南西諸島の伝承 六、結論」より。「記紀の神話と南西諸島の伝承」は『日本神話』1970年に所収。
- ^ 大林太良「神話学入門」中公新書
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- 2 日本神話の概要
- 3 歴代天皇についての神話伝承
- 4 研究
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