日本年金機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/19 14:17 UTC 版)
日本年金機構本部
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| 設立年 | 2010年1月1日 |
|---|---|
| 種類 | 特殊法人 |
| 本部 | 北緯35度41分20.2秒 東経139度36分53.1秒 / 北緯35.688944度 東経139.614750度 |
| 公用語 | 日本語 |
| 関連組織 | 厚生労働省 |
| ウェブサイト | 日本年金機構 |
| 日本年金機構法に基づいて設置される特殊法人 | |
目次 |
概要 [編集]
日本年金機構は、公的年金業務の適正な運営と国民の信頼の確保を図るため、社会保険庁を廃止し、公的年金業務の運営を担う組織として2010年(平成22年)1月1日に発足した(実際の業務開始は同年1月4日)特殊法人である。同機構は役員及び職員の身分は公務員としないが、役職員は刑法その他の罰則については、「みなし公務員」規定が適用される。また、役員には兼職禁止義務が役職員には秘密保持義務が課される。 同機構は、日本年金機構法(平成19年法律第109号)[1]の理念[2]に基づき、お客様目線の業務運営をするために、運営方針[3]及び人事方針[4]を次のように定めている。
- お客様の立場に立った親切・迅速・正確で効率的なサービスの提供。
- お客様のご意見を業務に反映していくとともに、業務の成果などについて、わかりやすい情報公開の取組みを進める。
- 1,000人規模の民間会社経験者を採用するとともに、能力・実績本位の新たな人事方針を確立し、組織風土を変える。
- コンプライアンスの徹底、リスク管理の仕組みの構築など組織ガバナンスを確立する。
沿革 [編集]
詳細は「社会保険庁#社会保険庁改革」および「年金記録問題#社会保険庁改革と年金記録問題」を参照
2004年(平成16年)4月1日に行われた第159回国会の衆議院本会議において、小泉純一郎内閣総理大臣は「社会保険庁と年金行政の信頼回復でございますが、年金制度を安定的に運営するためには、保険料の徴収や年金給付などの年金事業を担う社会保険庁に対する国民の信頼が不可欠であります。このため、社会保険庁は、多くの批判を反省し、効率化、合理化の観点から事業運営や組織のあり方に関して不断の見直しを行うとともに、年金受給者の需要に的確に対応できる体制を確保するなど、国民の信頼確保に全力を挙げるべきものと考えております」と答弁して初めて社会保険庁の組織のあり方を見直す意向を示した[5]。同年7月23日、村瀬清司を初の民間人出身の社会保険庁長官として登用し、社会保険庁の業務と組織の改革が進められた。
2006年(平成18年)1月25日の第164回国会の参議院本会議で小泉内閣総理大臣は社会保険庁を2008年(平成20年)10月を目途に廃止し公的年金と政管健保の運営を分離の上、それぞれ新たな組織を設置する等の解体的出直しを行うことを表明した。同年3月10日、小泉内閣は同国会に社会保険庁の廃止などを定めた「ねんきん事業機構法案[6]」を提出したが、同法案は審議未了で廃案になった。なお、同法案においては「ねんきん事業機構」は厚生労働省の「特別の機関」(社会保険庁は厚生労働省の外局)とされ、職員の身分は国家公務員とされていた。
小泉内閣の後を引き継いだ安倍内閣も社会保険庁の解体的見直しを表明し、さらに年金事業を担当する組織を行政機関とせず職員も非公務員とすることを検討した。2007年(平成19年)1月26日に行われた第166回国会の衆議院本会議において、安倍晋三内閣総理大臣は「社会保険庁については、規律の回復と事業の効率化を図るため、非公務員型の新法人の設置など、廃止・解体六分割を断行します」と答弁した。同年3月13日には、内閣は同国会に社会保険庁の廃止と日本年金機構の設置などを定めた「日本年金機構法案」[7]を提出し、同法案は同年6月30日に成立し、同年7月6日に公布された。同法案においては、「日本年金機構」は役職員の身分を非公務員とする特殊法人とされた。
2009年8月の第45回衆議院議員総選挙により与党となった民主党は「日本年金機構に移行すると年金記録問題がうやむやになる可能性がある」、「天下り規制の対象から除外されることで天下り・渡りのやりたい放題となる」との主張から、公務員温存型の「歳入庁」の創設を含んだ社保庁存続をマニフェストに明記していた[8]。 しかし、厚生労働大臣となった長妻昭は、民間からの内定者がいる[9]ことや不動産契約なども進んでいることからこれを凍結すれば混乱が生じると判断し、日本年金機構を予定通り2010年1月1日に発足させ[10]、同日、社会保険庁は廃止された。
組織 [編集]
管理及び企画部門を中心とする本部を東京に置き、その下に現場管理及び支援を行うブロック本部が9か所ある。また、各ブロック本部の下に、対面を要しない届出処理業務等を行う都道府県事務センター47か所と事業所の調査、強制徴収、年金相談などの地域に密着した対人業務を行う年金事務所(旧社会保険事務所)312か所がある。設立時の職員数は約22,000人(正規・准職員12,000人、その他有期雇用職員10,000人)。理事長は厚生労働大臣が任命し、副理事長及び理事は厚生労働大臣の認可を受けて理事長が任命する。[11]
本部 [編集]
本部は、管理部門・企画部門を中心にガバナンス機能の強化を図り、内部統制のとれた組織体制の構築を行う。理事長の下に副理事長と常勤理事7人、監事2人、非常勤理事4人がいる。
役員 [編集]
2013年1月18日付け人事は以下のとおり[12]。
- 理事長:水島藤一郎(元三井住友銀行副頭取)
- 副理事長:薄井康紀(元厚生労働省政策統括官)
- 理事(人事・会計部門担当):坂巻謙一(元千葉銀行審査二部部長)
- 理事(事業企画部門担当):矢﨑剛(元厚生労働省大臣官房会計課長)
- 理事(事業管理部門担当):深田修(元厚生労働省医政局総務課長)
- 理事(システム部門担当):喜入博(元日本ユニシス監査室長)
- 理事(全国一括業務部門担当):松田將(元厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課長)
- 理事(南関東ブロック本部担当):大澤範恭(元厚生労働省老健局総務課長)
- 理事(近畿ブロック本部担当):藤田厚(元サンスター執行役員)
- 理事(非常勤):青山周(元東洋信託銀行副社長)
- 理事(非常勤):磯村元史(元東京三菱銀行副頭取)
- 理事(非常勤):加藤丈夫(元日本弁護士連合会副会長)
- 理事(非常勤):三木雄信(ソフトバンク社長室長)
- 監事:澤本和男(三菱電機常務執行役)
- 監事(非常勤):水嶋利夫(元新日本有限責任監査法人理事長)
歴代理事長 [編集]
ブロック本部 [編集]
ブロック本部は、本部の指示を年金事務所に徹底させるとともに、事務所業務の後方支援を行う。標準的な地方ブロック本部は、ブロック本部長の下に3つの部と都道府県単位の事務センターが置かれている。
- 管理部は、ブロック内の組織・業務の総合的管理、年金記録問題の総合的進捗管理・調整、コンプライアンス・リスク対策の徹底、地域的会計事務などを行う。
- 相談・給付支援部は、相談・給付業務の事務所指導・支援、年金教育の実施、地域の関係機関等との協力・連携相談を行う。
- 適用・徴収支援部は、各業務の目標設定・進捗管理、適用・徴収の困難事案に対する事務所支援、業務マニュアルに基づく業務の指導・徹底などを行う。
地域割は以下の通り。太字となった県は一般的な地域区分と異なるケースで、一部を除いては国税局と同じ地域割になっている。
| ブロック | 本部所在地 | 管轄 | 対応する国税局 (参照) |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 札幌市 | 北海道 | 札幌国税局 |
| 東北 | 仙台市 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 | 仙台国税局 |
| 北関東・信越 | さいたま市 | 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、新潟県、長野県 | 関東信越国税局 |
| 南関東 | 東京都新宿区 | 千葉県、東京都、神奈川県、山梨県 | 東京国税局 |
| 中部 | 名古屋市 | 富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 | 金沢国税局 名古屋国税局 |
| 近畿 | 大阪市 | 福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 | 金沢国税局 大阪国税局 |
| 中国 | 広島市 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 | 広島国税局 |
| 四国 | 高松市 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 | 高松国税局 |
| 九州 | 福岡市 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | 福岡国税局 熊本国税局 沖縄国税事務所 |
事務センター [編集]
地方ブロック本部の一部署として、47都道府県に事務センターが設置されている。センターでは、年金事務所の機能を適用事業所等の調査や強制徴収、年金相談などの対人業務に集中させるために、対面を要しない届書等の審査・入力・決裁業務等を集約して行う。
標準的な事務センターは、センター長の下に、4つのグループ(管理・厚生年金適用G、国民年金G、年金給付G、記録審査G)があり、各種届書・申請書、請求書等に係る受付・審査・入力・決定、各種通知書・告知書等の作成・送付(交付)、各種届書・申請書、請求書等の編綴・保管、特別障害給付金、老齢福祉年金に関する処理、死亡・特別・脱退一時金に関する処理、年金記録確認地方第三者委員会への進達、委託業務の業務内容の現地的管理・監視、コンピュータ記録と紙台帳との記録の突合せなどを行う。
事務センター規模によっては副事務センター長が置かれている事務センターもある。 また、規模によっては1つのグループを複数に分ける事務センターもある。 例〕事務センターの年金給付グループ ⇒ 年金給付第1グループ、年金給付第2グループ など
年金事務所 [編集]
事業所の調査・職権適用、強制徴収、年金相談などの地域に密着した対人業務を行う年金事務所は、全国に312ヶ所ある。事務所の規模は、小規模(職員数20人未満)が104ヶ所、中規模(同20人~39人)が192ヶ所、大規模が(同40人以上)が16ヶ所である。標準的な事務所は、所長、副所長の下に5つの課が置かれている。
- 厚生年金適用調査課は、所内の庶務(小額調達案件の調達契約事務含む)、本部・ブロック本部との連絡調整、事業所指導、事業所調査、未適用事業所の職権適用などを行う。
- 厚生年金徴収課は、厚生年金保険料の納付督励、滞納保険料に対する滞納処分などを行う。
- 国民年金課は、所得に応じた収納対策、未納保険料の強制徴収、市町村との連携などを行う。
- 年金記録課は、年金記録問題対応の事実調査確認などを行う。
- お客様相談室は、来訪相談、出張相談、電話相談などを行う。
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- ^ 日本年金機構法 (PDF)
- ^ 理念 (PDF)
- ^ 運営方針 (PDF)
- ^ 人事方針 (PDF)
- ^ 第159回国会衆議院本会議・第19号・平成16年4月1日、衆議院。
- ^ ねんきん事業機構法案、衆議院。
- ^ 日本年金機構法案、衆議院。
- ^ 日本年金機構の設立危機を伝える読売新聞(平成21年9月13日付)の記事。
- ^ a b 日本年金機構の正規職員内定通知。
- ^ 日本年金機構の発足声明。
- ^ 日本年金機構について(第1回社会保障審議会日本年金機構評価部会資料) (PDF)
- ^ 機構幹部一覧(部長以上) (PDF)
- ^ 日本年金機構の副理事長となるべき者及び理事となるべき者の指名について (PDF)
- ^ 日本年金機構中期目標 (PDF)
- ^ 日本年金機構中期計画 (PDF)
- ^ 日本年金機構評価部会について (PDF)
- ^ 運営評議会
- ^ 日本年金機構職員給与規程 (PDF)
- ^ 日本年金機構職員賞与規程 (PDF)
- ^ 有期雇用職員の募集について (PDF)
- ^ 日本年金機構設立委員会委員名簿 (PDF)
- ^ 日本年金機構設立委員会規則 (PDF)
- ^ 日本年金機構の職員(正規職員及び地域限定期限付職員(仮称))の労働条件 (PDF)
- ^ 日本年金機構の職員の採用の基準 (PDF)
- ^ 日本年金機構の職員の募集について (PDF)
- ^ 職員採用審査会委員について (PDF)
- ^ 森永卓郎 (2007年7月2日). “社会保険庁ではリストラできるのに…”. 日経BP. 2011年1月1日閲覧。
- ^ 日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画 (PDF)
- ^ 社会保険庁職員からの日本年金機構職員採用に係る審査結果の概要 (PDF)
- ^ 参考資料(日本年金機構の職員採用と分限免職との関係) (PDF)
- ^ 社保庁職員の雇用確保と年金記録問題に関して舛添厚労大臣に要請2009年4月27日自治労
- ^ 社会保険庁の廃止に伴う職員の移行等の状況について (PDF)
- ^ 社保庁長官退職 厚労相「懲戒処分歴、例外認められぬ」 朝日新聞 2010年1月5日
- ^ 日本年金機構の職員募集の求人票。
- ^ 日本年金機構の職員採用内定承諾書。
- ^ 日本年金機構の職員内定者へのお知らせ(表面)
- ^ 日本年金機構の職員内定者へのお知らせ(裏面)
- ^ 日本年金機構の非常勤職員の勤務条件(表面)。
- ^ 日本年金機構の非常勤職員の勤務条件(裏面)。
- ^ 日本年金機構の非常勤職員への勤務希望調書。
- ^ 年金10億円支払う気なかった?日本年金機構の仰天業務実態
- ^ “年金機構職員と社保庁OB逮捕 入札情報漏えい容疑”. 共同. (2010年10月15日)
- ^ a b “渡辺内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年6月15日”. 内閣府 (2007年6月15日). 2011年1月1日閲覧。
- ^ “日本年金機構 監視の目が届くのか”. 東京新聞 (2007年6月30日). 2011年1月1日閲覧。
- ^ “役人が「日本年金機構」に抵抗しなかったワケ”. 民主党. 2011年1月1日閲覧。
- 日本年金機構法e-Gov
- 日本年金機構法施行令e-Gov
- 日本年金機構の業務運営に関する省令e-Gov
日本年金機構に関連した本
- 障害年金の知識と請求手続ハンドブック 小嶋 俊裕 日本法令
- 厚生労働 平成22年5月号 特集:日本年金機構の業務について 中央法規出版
- 「ねんきん定期便」「ねんきんネット」の見方・使い方 相川 裕里子 日本法令
日本年金機構に関係した商品
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- 「日本年金機構」を含む用例の一覧
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