文化 ミーム

文化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/10 02:47 UTC 版)

ミーム

ミームとは、文化を形成する情報であり、人の心から心へとコピーされる情報である[27]。ミームという言葉は、生物学者のリチャード・ドーキンスが作ったもので、ドーキンスはミームの例としてキャッチフレーズや服の流行をあげている。ミーム学という科学では、ミームという概念を用いて文化を理解する。

ミーム学は、「ミームが自分の複製を作る」という視点で考察される。これは、ドーキンスの論じる利己的遺伝子が「遺伝子が自分の複製を作る」という視点で考察されることからの類推である(ただし利己的遺伝子のアイデア自体はドーキンス独自のものではない)。

遺伝子やミームのように自己の複製を作るものを自己複製子という。自己複製子は、自分のコピーを作る時に変異を起こすことがあり、多様化していく(DNAは、多くの場合正確に子孫に複製されるが、まれにコピーミスが起きる)。多様化した自己複製子は自然選択(自然淘汰)によって、進化する。したがって、自己複製子であるミームも遺伝子のように進化することができ、この考察から、文化の進化する様子を分析することができる。

参考文献

  • イーグルトン・テリー著、大橋洋一訳『文化とは何か』松柏社、ISBN 4-7754-0100-9

関連項目

外部リンク




  1. ^ 毎日新聞社編『話のネタ』p.55、PHP文庫、1998年。
  2. ^ 太田好信 『民族誌的近代への介入—文化を語る権利は誰にあるのか〔増補版〕』 人文書院、2009年
  3. ^ 祖父江孝男 『文化人類学入門』 中央公論社〈中公新書; 560〉、1979年
  4. ^ E.B.Taylor (2007) [1871]. Primitive culture: researches into the development of mythology, philosophy, religion, art, and custom.. Kessinger Pub Co. pp. 1. ISBN 142863830X. 
    翻訳: E.B.タイラー 『原始文化』 比屋根安定訳、誠信書房、1962年
  5. ^ 村武慶 「文化の変動」『文化人類学』 村武精一・佐々木宏幹、有斐閣、1991年
  6. ^ クロード・レヴィ=ストロース 「言語学と人類学」『構造人類学』 佐々木明訳、みすず書房、1972年(原著1958年)。
  7. ^ しかし大型類人猿が言語を学習できるということが知られるようになると、文化獲得における重要なイベントである学習を細分化して人間の学習(意図模倣)と動物の学習(単純模倣)をわけ、さらには教示の有無を問題にするという発想もでている。つまり動物が社会化のなかで獲得するふるまいは、単純模倣によってだけ獲得される伝統traditionであり、人間が言語や意図模倣、教示を通した社会化のなかで身につける文化という差異を創出して定義づけ、人間以外の動物には文化を身につけることは困難であるとするのである。
  8. ^ 『心ところばの起源を探る: 文化と認知』 大堀壽夫・中澤恒子・西村義樹・本田啓訳、勁草書房、2006年
  9. ^ パーソンズ・T.(タルコット) 『文化システム論』 ミネルヴァ書房、1991年
  10. ^ Cf. タモツ・シブタニ著、2013年、木原綾香ほか訳「パースペクティブとしての準拠集団Discussion Papers In Economics and Sociology, No.1301.
  11. ^ Habermas, Jürgen 河上倫逸ほか訳 (1985-1987) [1981]. コミュニケーション的行為の理論. 木鐸社. 
  12. ^ 高橋徹 『意味の歴史社会学―ルーマンの近代ゼマンティック論』 世界思想社、2002年
  13. ^ 文化 (動物)の芋洗いの項目を参照
  14. ^ マーヴィン・ハリス 『ヒトはなぜヒトを食べたか—生態人類学から見た文化の起源』 鈴木洋一訳、早川書房〈ハヤカワ文庫—ハヤカワ・ノンフィクション文庫〉、1997年
  15. ^ Keesing, R (1989). “Creating the Past”. The contemporary Pacific 1 (2): 19-42. 
  16. ^ Trask, H-K (1991). “Native and Anthropologist”. The contemporary Pacific 3 (1): 159-167. 
  17. ^ マーガレット・ミード 『サモアの思春期』 畑中幸子・山本真鳥訳、蒼樹書房、1976年(原著1928年)。
  18. ^ デレク・フリーマン 『マーガレット・ミードとサモア』 木村洋二訳、1995(原著1983年)。
  19. ^ 池田光穂 「第5章 民族誌のメイキングとリメイキング―ミードがサモアで見いだしたものの行方」『メイキング文化人類学』 太田好信・浜本満、2005年
  20. ^ 太田好信 『民族誌的近代への介入』、2001年、298頁。
  21. ^ The Predicament of Culture: Twentieth-Century Ethnography, Literature and Art, Cambridge, MA, (1988), pp. 17 
  22. ^ The Predicament of Culture: Twentieth-Century Ethnography, Literature and Art, Cambridge, MA, (1988), pp. 246 
  23. ^ 太田好信 『トランスポジションの思想 文化人類学の再想像』 世界思想社、1998年
    クリフォードの分類については太田 (1998) の訳p.270を採用した。
  24. ^ 山下晋司「『劇場国家』から『旅行者の楽園へ』」、『国立民族学博物館研究報告』第17巻第1号、1992年、 1-33頁。
  25. ^ 荒俣宏 『大東亞科學綺譚』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、1996年
  26. ^ 山中速人 『イメージの楽園』 筑摩書房、東京、1992年
  27. ^ リチャード・ブロディ『ミーム―心を操るウイルス』講談社、1998年。


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