敬称 敬称とポリティカル・コレクトネス

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 言葉 > > 敬称の解説 > 敬称とポリティカル・コレクトネス 

敬称

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 02:57 UTC 版)

敬称とポリティカル・コレクトネス

ポリティカル・コレクトネスの関係から不適切とされる敬称の使い方は改めるべきだという観点がある。

学校などで男子に「くん(君)」、女子に「さん」をつけて区別することが一般的に用いられていたが、近年、一般的な「さん」に比べて「くん」を使用する相手が対等以下に限定されるという理由で、男女平等の観点から、この用法は適切でないという意見もあり、男女とも「さん」をつけることが奨励されつつある(特に義務教育を終えた、年配の人が混ざることがある高校大学の場合)。なお、病院では年少の男子に対しては「くん」、女子には「ちゃん」を用いるのが一般的である。

また、「女史」のように女性であることを強調した敬称などは「性差別語」の一つとされる[8]。1997年5月に刊行された共同通信社『記者ハンドブック第8版』において、「女史」は使用せずに「さん」を用いると示されている[8]

英語において、既婚女性に対する敬称のMrs.は本来は夫の姓または姓名につけて用いるのが普通であったが、改まった場で自分の名前ではなく夫の名前で呼ばれるのは女性蔑視だとして、近時では自分のフルネームにMrs.をつけて呼ぶ例が多い。さらに、女性について既婚か未婚かによって敬称を異にするのも不適切であるとして、既婚・未婚を問わずMs.を用いることがビジネスの場などでは一般化している。

2012年、フランスで未婚女性に対する敬称のMademoiselleの表現は性差別にあたるとして、公文書では未婚・既婚を問わずMadameで統一するよう通達が出された[18]


注釈

  1. ^ 松本治一郎の言葉「貴族あれば賎民あり」は有名。一般に他国の元首に敬称をつけず天皇皇族には付けるのは日本のみ
  2. ^ 三島由紀夫は5歳年長の東健宛の手紙でしきりに用いている(『三島由紀夫 十代書簡集』)。

出典

  1. ^ 特集 さなイチ 別冊!インタビュー 時代考証 丸島和洋さん 〜豊臣秀吉の残した遺言〜”. NHK大河ドラマ真田丸』. 2016年8月20日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ 永様 - コトバンク
  3. ^ 次様 - 大辞林 第三版 コトバンク
  4. ^ 美様 - コトバンク
  5. ^ 平様 - コトバンク
  6. ^ どの[殿]”. 大辞林 第三版. コトバンク. 2018年3月20日閲覧。
  7. ^ 文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 第1期国語審議会 | これからの敬語(建議)| 人をさすことば/敬 称/「たち」と「ら」”. www.bunka.go.jp. 2019年9月21日閲覧。
  8. ^ a b c d 性差別語(sexist language)”. 柏市男女共同参画センター (2016年5月27日). 2019年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月4日閲覧。
  9. ^ 慶應義塾豆百科 No.18 君(くん)”. 慶應義塾. 2019年1月5日閲覧。
  10. ^ アジ歴 【 レファレンスコード 】A06050013100 「衆議院議員選挙資格ニ関スル件」で、「伊東子」「金子子」「南部男」「菊池男」などの呼称を確認できる。
  11. ^ 「卿(けい)」『広辞苑 第五版』岩波書店
  12. ^ 神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 政治(34-068) 大阪朝日新聞 1924.6.11(大正13) 「閣員の顔触決定し本日親任式を挙げさせらる/午後三時東宮仮御所にて」”. 神戸大学 電子図書館システム. 2019年1月5日閲覧。
  13. ^ [1] [2] 朝鮮語大辞典(朝鮮語)
  14. ^ 研修時の紹介状の書き方 マイナビレジデント
  15. ^ ギャラン | 車名の意味・由来 | お問い合わせ”. 三菱自動車工業株式会社. 2022年4月6日閲覧。
  16. ^ フセーヴォロド・ガルシン作「信号」中の描写を参照
  17. ^ 第3版, 中日辞典. “阿(中国語)の日本語訳、読み方は - コトバンク 中日辞典”. コトバンク. 2022年6月20日閲覧。
  18. ^ 消える「マドモワゼル」、フランスの行政文書で使用禁止に ロイター 2012年2月24日


「敬称」の続きの解説一覧




敬称と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「敬称」の関連用語

敬称のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



敬称のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの敬称 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS