指数表記 指数表記の概要

指数表記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/20 06:20 UTC 版)

通常の表記 指数表記
2 2×100
300 3×102
4321.768 4.321768×103
−53000 −5.3×104
6720000000 6.72×109
0.2 2×10−1
987 9.87×102
−0.00000000751 −7.51×10−9

表記方法

任意の有理数を、次の形式で表現する[2]。負の数の場合は、先頭にマイナス符号を付ける。

m × 10n

m有理数n整数である。m仮数 (mantissa)、n指数 (exponent) と呼ぶ。

例えば、

仮数部 (m) には通常有限小数を用い、小数部は3桁ごとにスペース(正確には thin space)を挟むのが通例である。ただし、小数点の後の数字列が4桁の場合やスペースの後の数字列が4桁の場合は、1桁だけ分けるためのスペースを挿入しないのが普通である[3][4]

例えば、

E表記

E表記を用いてアボガドロ定数を表示するテキサス・インスツルメンツグラフ関数電卓TI-84 Plusのディスプレイ

コンピュータにおける表記では、仮数部と指数部の間に記号"E"(大文字)または"e"(小文字)を挟む。この表記法はE表記: E notation)と呼ばれ、JIS X 0210-1986(情報交換用文字列による数値表現)[5]に規定されている。

  • 例: -8.984E+8 または -8.984e+8 (= −8.984 × 108) 
  • 例: 1.234E-5 、 +1.234E-5 、1.234e-5 または +1.234e-5 (= 1.234 × 10−5)

(注)仮数が正数の場合は先頭の「+」は省略できる。指数が正数の場合は指数の前の「+」は省略できる[6]

単位記号

指数表記の使用の拡張として、単位記号の表記にも用いられる[7]。例えば、

不確かさを含めた表記

計測値には数値の不確かさがあるので、その程度を含めた指数表記を用いることがある。例えば、

  • 中性子の質量の表記: 1.67492749804(95)×10−27 kg 

 これは、(1.67492749804±0.00000000095)×10−27 kgを簡略に表記したものである(不確かさ (測定)#表記)。


  1. ^ 数値の科学的表記 分析室の屋根裏、弘前大学、2021-01-29
  2. ^ 科学的表記法 (scientific notation) KIT物理ナビゲーション、金沢工業大学
  3. ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 産業技術総合研究所 計量標準総合センター、p.119
  4. ^ 実例として、国際単位系 (SI) 国際文書第8版(2006) 日本語版 p. 38 表7(SI単位で表される数値が実験的に求められる非SI単位)中、時間の自然単位、長さの原子単位.ボーア(ボーア半径)0.5291772108 (18)×10^−10 m
  5. ^ JIS X0210-1986 情報交換用文字列による数値表現
  6. ^ JIS X0210-1986 情報交換用文字列による数値表現、7.1,7.2 、p.4
  7. ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 産業技術総合研究所 計量標準総合センター、p.116
  8. ^ JIS X0210-1986 情報交換用文字列による数値表現、7.5 、p.5
  9. ^ 理科年表2020年版 天文部 p.78
  10. ^ Guide for the Use of the International System of Units (SI), 2008 Edition 7.9 Choosing SI prefixes, pp.18-19, NIST
  11. ^ 光速度 CODATA 2014
  12. ^ 理科年表2020、p.377、2019年11月20日発行
  13. ^ [1] CODATA Value 2018
  14. ^ [2] CODATA Value 2018


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