成田空港手荷物爆発事件 成田空港手荷物爆発事件の概要

成田空港手荷物爆発事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/13 14:11 UTC 版)

成田国際空港第1ターミナル

なおこの事件は、インドシク教過激派テロリストによる同時多発テロ事件であり、ほぼ同時刻に同じ犯人により大西洋上でもエア・インディアボーイング747-200型機の貨物室において爆発が起き墜落する惨事になった。

事件の概要

1985年(昭和60年)6月23日午後3時20分ごろ、新東京国際空港第1ターミナル2階の荷捌き場で、カナダバンクーバーから到着したカナダ太平洋航空3便から、東京(成田)発バンコク行きのエア・インディア301便に積み替える航空貨物が爆発し、作業員2名が死亡し4名が重傷を負った[1]

一方、同日の日本標準時午後4時15分(グリニッジ標準時午前7時15分)に、大西洋上を飛行していたエア・インディア182便アイルランド西方海上で墜落し、搭乗していた乗員乗客329名全員が犠牲になる惨事が発生していた。

事件の真相

全く関連のないように思われた両事件であったが、いずれも実際には、搭乗手続きをしなかった乗客の受託手荷物が爆発して起きたものであり、計画的な犯行であることがわかった。当初事件発生直後は、空港反対派(過激派)によるテロリズムと思われていた。

この乗客は、インドからの分離独立を主張して武装闘争活動をしていたシク教過激派のカナダ在住のメンバーであり、最終的にインドに向かう、バンクーバー発のカナダ太平洋航空3便(バンクーバー - 東京)から、エア・インディア301便(東京 - バンコク)に乗り継ぐ便と、カナダ太平洋航空60便(バンクーバー - トロント)からエア・インディア181便/182便(トロント - モントリオール - ロンドン - インド)に乗り継ぐ便に予約を入れていた[1]

逮捕された犯人の供述によれば、爆弾が1時間早く新東京国際空港で爆発したのは、爆発物の時限爆弾装置の時間設定を間違ったため(サマータイムを実施しているカナダと、実施していない日本の時差の計算を誤ったと言われている)であるとされている[1]

犯行の動機

インドには、インドからの分離独立を目指すカーリスターン(Khalistan)という「シーク教徒の政治運動」がある。

1980年代、インド国内ではシク教徒ヒンドゥー教徒との対立が激化しており、1984年にはインド政府軍がシク教徒の聖地を襲撃する「黄金寺院事件」が発生した。その報復として、シク教徒の過激派は当時のインド首相インディラ・ガンディーを暗殺した。この航空テロを引き起こしたのもババール・カルサ(Babbar Khalsa)というシク教徒の武装テロ組織であった。成田空港における爆発事件については、犯人は1988年2月にイギリスで逮捕され、カナダに引き渡されたが、カナダの法廷は懲役10年を1991年5月10日に宣告した。

テレビ

メーデー!5:航空機事故の真実と真相』第7話「持ち込まれた小型爆弾」で、同一犯による犯行である『インド航空182便爆破事件』との関連で紹介されている。ただし、同番組における新東京国際空港を描いた場面は「Tokyo, Japan」と紹介されていて、それに対して、事件発生現場の警察鑑識による現場検証再現場面には何故か、「警視庁」や「千葉県警」でもなく、「立入禁止 兵庫県警」との記載のある立ち入り禁止テープが、上下逆さで映り込んでいるシーンがある。


  1. ^ a b c デイビッド・ゲロー『航空テロ』、イカロス出版、192頁


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