憑依
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/30 10:14 UTC 版)
アブラハムの宗教
出エジプト記、レビ記、申命記には、さまざまな魔術や占いを禁止する法律が記されている。その中には次のようなものがある。
- レビ記19:26 - あなたは...魔術を使ってはならないし、占いをしてもならない
- レビ記20:27 - 霊媒師あるいは占いをするものは、必ず死刑に処される
- 申命記18:10-11 - あなたがたの間には占いをする者、卜者、易者、呪術師、霊媒師、巫(神おろしをするもの)などがいてはならない
アン・ジェファースによれば、霊媒術(神霊や死者の霊を呼び出す術)を禁じる法律が存在することは、イスラエルの歴史を通じて呪術、神降ろし等を行う霊媒術が問題を起こしていたことを証明している[13]。
アブラハムの宗教であるユダヤ教もキリスト教もイスラム教にも、預言者が登場する。これは神が宿ったものともいえる(預言、福音、啓示)[要出典]。
キリスト教
新約聖書の福音書で「つかれた」と訳されるδαιμονίζομαιという語は、パウロ書簡にはでてこない[14][15]。
ルーダンの憑依事件[16]について、神学者のミッシェル・セルトーが、神学、精神分析学、社会学、文化人類学をクロスオーバーさせつつ分析している[17]。
カトリック教会の神学では、夢遊病的なもの(the somnambulic)の型のつきものに possession の名を与え、正気のもの(the lucid)の型のつきものに obsession の名を与えている[18]。
- ^ a b 『広辞苑』第四版、第五版
- ^ a b c d e f g 羽仁礼『超常現象大事典』成甲書房、2001年、76頁。ISBN 978-4880861159。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 池上良正「第五章」『死者の救済史: 供養と憑依の宗教学』角川学芸出版、2003年、157-194頁。ISBN 4047033545。
- ^ 『宗教学辞典』249頁 - 250頁、東京大学出版会 (1973/01) ISBN 9784130100274
- ^ 『宗教学辞典』555頁、東京大学出版会 (1973/01) ISBN 9784130100274
- ^ 日本テレビ「謎の憑依現象を追え!」(ウェイバックマシン)
- ^ a b p.159
- ^ 秋葉降『朝鮮巫俗の現地研究』
- ^ 『憑霊信仰論』伝統と現代社、1982年
- ^ 川村邦光『憑依の視座』青弓社、1997年
- ^ p.167
- ^ a b c 古東哲明『現代思想としてのギリシア哲学』 <講談社選書メチエ> 講談社 1998年 ISBN 4062581272 pp.136-148.
- ^ Jeffers, Ann (1996). Magic and Divination in Ancient Palestine and Syria. Brill. p. 181
- ^ 山崎ランサム和彦『平和の神の勝利』プレイズ出版 p.47
- ^ 『聖書語句大辞典』教文館
- ^ オルダス・ハックスリーが『ルーダンの悪魔』 - The Devils of Loudun (1952)を書き、これを原作にケン・ラッセル監督が『肉体の悪魔』(1971)として映画化。同じ事件はヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチ『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)などにも描かれていて、イェジー・カヴァレロヴィチが同名の映画化(1961)。
- ^ ミシェル・ド・セルトー『ルーダンの憑依』みすず書房 2008。原書はMichel de CERTEAU, LA POSSESSION DE L’OUDUN. PARIS, JULLIARD, 1970.
- ^ 『宗教学辞典』419頁、東京大学出版会 (1973/01) ISBN 9784130100274
- ^ 塩月亮子「憑依を肯定する社会 : 沖縄の精神医療史とシャーマニズム(憑依の近代とポリティクス,自由テーマパネル,<特集>第六十四回学術大会紀要)」『宗教研究』第79巻第4号、日本宗教学会、2006年、1035-1036頁、doi:10.20716/rsjars.79.4_1035、ISSN 0387-3293、NAID 110004752051。
- ^ 塩月亮子 同上
- ^ 定本柳田國男集9巻 247頁
- ^ 笛「ヒシギ」洗足学園音楽大学伝統音楽デジタルライブラリー
- ^ 会報『さえずり』平成24年2号(平成24年10月13日発行)祭り囃子が聞こえる新潟県リコーダー教育研究会
- ^ 定本柳田國男集10巻 137頁
- ^ 小松和彦『憑霊信仰論』30頁 伝統と現代社 1982年
- ^ 『魔の系譜』『谷川健一著作集1』三一書房。29頁 書中で引用される石塚尊俊の『日本の憑き物』では犬神の一種として吸葛(スヒカツラ)が出る。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o リン・ピクネット『超常現象の事典』青土社、1994年、220-222頁。ISBN 978-4791753079。
- 1 憑依とは
- 2 憑依の概要
- 3 アブラハムの宗教
- 4 日本
- 5 民俗学における憑依観
- 6 参考文献
品詞の分類
- >> 「憑依」を含む用語の索引
- 憑依のページへのリンク