忍者キャプター
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忍者キャプター | |
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ジャンル | 特撮ドラマ、忍者 |
原作 | 八手三郎 |
脚本 | |
監督 | |
出演者 | |
ナレーター | 納谷悟朗 |
音楽 | 小森昭宏 |
オープニング |
水木一郎、堀江美都子、こおろぎ'73 「斗え忍者キャプター」 |
エンディング |
水木一郎、堀江美都子、こおろぎ'73 「大空のキャプター」 |
言語 | 日本語 |
製作 | |
プロデューサー |
|
制作 | 東京12チャンネル |
放送 | |
音声形式 | モノラル放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1976年4月7日 - 1977年1月26日 |
放送時間 | 水曜 19時30分 - 20時 |
放送分 | 30分 |
回数 | 43 |
あらすじ
風魔烈風率いる風魔党が日本征服のために動き出した。その非道なやり口を嫌った風魔の忍者の一人・出雲大介は抜け忍となる。裏切り者として追われる大介を助けたのは忍びの名門・天堂家当主の天堂無人だった。彼は密かに結成していた忍者チーム「キャプター」に大介を加える。風魔の野望を阻止するべく、忍者キャプターの戦いが始まった。
概要
「原作・八手三郎」による最初の集団ヒーロー作品である。放送局が異なることからスーパー戦隊シリーズの範疇にはほぼ扱われていない[1][注釈 1]ものの、『秘密戦隊ゴレンジャー』の流れをくんでいる[3]。
キャプターはそれぞれ色違いのスーツ姿に変身し、各自の武器で(毎回異なる怪人と)戦う点では他の集団ヒーロー物、ことにスーパー戦隊シリーズと同様である。そのチーム編成も同シリーズのパターンに近い。一方で、メンバーがオリジナルで7名と、同シリーズを含む集団ヒーロー物のメンバー数としては、後年において恒例となった同シリーズにおける番組中途での追加メンバーなどを除いたオリジナルメンバーでは最多の部類に入り、メンバーが設定年齢が15歳から45歳までと幅広い年齢層で構成されている。変身はするが、演出上あくまで現代の忍者装束姿として扱われる。マスクも「もう一つの顔」としての仮面というよりはシールド付きのフルフェイスヘルメットという趣きで、シールドをスモークにして通常は素顔が見えないようになっており、スーツアクターの顔を隠している(この点は他の仮面ヒーローものと同様)。劇中、シールドを上げて素顔を見せるシーンもたびたび見られ、変身前後の同一感を高めていた[4][注釈 2]。また、敵組織の怪人は多くが俳優が演じる顔出しタイプという珍しいパターンであり、次番組である『快傑ズバット』にも受け継がれている。
監督を務めた奥中惇夫によれば、本作品は理由も不明なまま、撮影現場への打ち切りが通告されていた。突然の打ち切り通告に対し、奥中はプロデューサーと相談し、撮影した42話と43話のうち、42話を最終回のシナリオに書き直した。奥中は後に「おいしい食事を途中で中止させられたような、すっきりしないものが残ったことであった」と述べている[6]。
登場人物
忍者キャプター
出雲 大介 () /火忍キャプター7 ()- 本作品の主人公。設定年齢21歳。一人称は「俺」もしくは「私」。シンボルカラーは赤、シンボルマークは火の玉。ゼッケンは7。大学院生で風魔忍群ではエリートだったが、自分の考えとは裏腹に大将・風魔烈風が日本征服を狙い始めたことをきっかけに抜け忍となり、かつての恩師である天堂無人からキャプターのリーダーに任命される。それゆえ、他のキャプターからチーフと呼ばれる。三郎兵衛は「大介氏」、左近は「出雲」[注釈 3]と呼ぶことが多い。火遁の術が得意で、武器は火輪弾。必殺技は火輪弾火炎陣。
泉 敬太 () /風忍キャプター6 ()- 設定年齢15歳。一人称は「僕」。シンボルカラーは緑、シンボルマークはつむじ風(アラビア数字の6にも見える形)。ゼッケンは6。キャプター最年少で中学3年生。友情に厚く、クラスメイトからの信頼も厚いが、その一方で無鉄砲な性格でもあり、認められようとして努力するもほぼ確実に失敗する。武器は風貝。
大山 昇 () /金忍キャプター5 ()- 設定年齢17歳。一人称は「俺」。シンボルカラーは黄色、シンボルマークは歯車。ゼッケンは5。忍術は修行中の身だが機械に強いためキャプターカーやキャプターマシンの整備担当および操縦を任されている。本業は高校生で電器店アルバイト。武器は円盤しころ。敬太からは「昇兄(にぃ)」と呼ばれている。
黒川 団 () /土忍キャプター4 ()- 設定年齢23歳。一人称は「俺」。シンボルカラーは茶色、シンボルマークは山盛りの土。ゼッケンは4。怪力が自慢。聴力も並外れている。土遁の術を得意とし、武器は土棒。キャプターマシンの操縦はほぼ彼が担当している。普段はレスリングジムに通っているほか、運送業のアルバイトをしている。第23話ではレスリング仲間に「レスリングはあくまでも裏芸」と答えている。演じた宇津海仙の体形があまりにも大柄なため、番組初期では、スタントマンが演じる土忍と、宇津海仙自身が演じる土忍の体型が著しく違う場面も見られた。
桜小路 マリア () /花忍キャプター3 ()- 設定年齢15歳。一人称は「私」。シンボルカラーは桃色、シンボルマークはチューリップのような花。ゼッケンは3。敬太の保護者として行動しており、明るい性格。敬太には「姉貴」と呼ばれている。風魔忍群の壊滅後は大学の忍者学会の誘いによりアメリカへ留学。武器は花ヌンチャク。キャプターの栄養士のつもりでいるが、料理の腕は「御覧の通り」あまり良くない。
天堂 美樹 () /花忍キャプター3 ()- 設定年齢15歳。一人称は「私」。シンボルカラー、シンボルマーク、ゼッケンは先代(マリア)と同様。天堂無人の孫娘。キャプターの活躍を陰ながら見守っていたが、マリアの渡米後は彼女の後を継いで二代目キャプター3となった。薬草に精通しており、治療も行なう。三郎兵衛と敬太は「美樹お嬢様」と呼ぶことが多く、マリアは「美樹姉さん」と呼ぶこともある。
四条 左近 () /水忍キャプター2 ()- 設定年齢22歳。一人称は「俺」。シンボルカラーは青、シンボルマークは水滴。ゼッケンは2。南北大学3年生で水泳のインストラクター。普段はスイミングスクールで子供に水泳を教えている。泳ぎが得意で水を自在に操る力を持ち、武器は激流砲。
袋 三郎兵衛 () /雷忍キャプター1 ()- 設定年齢45歳。一人称は「わし」。シンボルカラーは橙色、シンボルマークは稲妻。ゼッケンは1。天堂家の執事で最年長のキャプター。綺麗好きであり常に天堂家の掃除をしており、埃一つ落ちているだけでも気になるらしい。鼻が利き、探し物が得意。涙もろい。注射は大嫌い。作品の中ではギャグメーカー的な役回りも果たす。武器は電気縄。敬太からは「三郎兵衛おじ」と呼ばれている。
天堂 無人 ()- 大介の師匠。風魔忍群の企みを察知して、忍者キャプターを組織した。37話で甲賀かげさそりに殺される。
戸隠 白雲 ()- 天堂無人の師匠で、忍大臣の異名を持つ。無人の没後、キャプターの二代目指導者となる。
- ジュニアキャプター隊(大森十郎、工藤兵内、山原かんすけ、伊東民部[7]、井村孫八、滝げんた、水野あやめ)
- 天堂無人が開いた天堂塾の門下生7人で構成された秘密チーム。
風魔忍群
- 風魔烈風
- 風魔忍群の大将で上忍。配下の忍者からは、御大将と呼ばれることが多い。風魔烈風のアジトには、風魔忍者の存在を表すろうそくがあり、後述のグループごとにろうそくの色も異なっている。なお、配下の忍びが倒されると、倒された忍びを表すろうそくの炎が消え、烈風がそれを見て、大声で「○○○(倒された忍者の名)、果てりしかぁっ」と嘆きわめくのがパターンである。
- あるグループのろうそくがすべて消える、すなわち全滅すると、烈風が次のグループを呼び寄せるための祈りを行う。そうすると、全滅したグループのろうそくが消え、新たなグループのろうそくが出現するというシーンが描かれていた。
- 風魔忍者のグループ
- 風魔忍者は、いくつかのグループに分けられる。また、各忍者たちは絶命寸前に、「御大将、風魔○○○(自身の名前)敗れたり!!」など、烈風に対する最期の言葉を残して、果てるケースが多い。
- 風魔下忍
- 風魔忍者の手下で大勢いる。全身タイツに覆面をかぶっている。
甲賀忍群
- 暗闇忍堂
- 風魔忍群の壊滅後に登場した甲賀忍群の首領。別名忍将軍。配下の忍びを出動させる時は忍者連判帖(巻物)にその名が浮き出る。そして出動した忍びが倒されるとその名が赤く染まり、以後そのまま残る。
- 風魔烈風と同じく堀田真三が演じており、本人は「同じ役者が立て続けにワルの役をやっても良いのかな?」と戸惑ったが、プロデューサーの小野耕人より「評判が良いんだから大丈夫だよ」と言われたため、役者冥利に尽きると意気に感じて演じたと語っている[8]。
- 甲賀下忍
- 甲賀の戦闘員的存在だが、こちらは忍者服にオレンジ色の仮面という出で立ちである。
北町派出所
- 影山巡査
- 2話にのみ登場した警官。
- 真田巡査
- 影山の後任。風魔や甲賀の忍びに巻き込まれることが多く、トボけているが「変な格好しちゃって!」などと冷静に突っ込む。本作品のコメディーリリーフ的存在。
- 服部一造巡査
- 第34話から登場。ただし第34話(役名表記なし)では出雲たちから「みよしさん」と呼ばれており、第38話(役名表記あり)では「服部一造」と名乗っている。
注釈
- ^ ケイブンシャの『全怪獣怪人』ではスーパー戦隊シリーズとは別個のページ分けとなってはいるが、『忍者キャプター』のページで「数ある戦隊の中でも最多人数」という説明があり、『科学戦隊ダイナマン スーパー戦隊大百科』『超電子バイオマン大百科』では、本作品を同シリーズに含めて紹介している[2]。後者の場合、ケイブンシャの大百科シリーズを扱った書籍『よみがえるケイブンシャの大百科』では、同シリーズの枠組みが曖昧であったことと、東映によるチェックが確立されていなかったことによる間違いであったとしている[1]。
- ^ 大山昇 / 金忍キャプター5役の伍代参平(藤江喜幸)は、火忍以外のメンバーは特殊なアクションを除き変身前の俳優がそのまま演じることが多かったと証言している[5]。
- ^ キャプターメンバーで相手を名字で呼ぶのはこれのみ。キャプターメンバー同士で変身前に呼び合うときは、名前(相手が年長の場合などは敬称込み)で呼びあっている。
- ^ 乙姫が三行者の一員であることは、登場回において、ろうそくの存在を除いて不明瞭。
- ^ 「五道人」とあり、ろうそくも5人分出現しているが、実際に作中に登場したのは4人のみである。
- ^ 何重にも巻かれたホルンのような形状をしている。
- ^ 書籍によっては、名称をキャプターマシン[9]、キャプターマシーン[10]と記載している。
- ^ 第41話以降のクレジットは「撮影・特殊技術」。
- ^ クレジットは第30話より。
- ^ エンディングクレジット表記は「闘え忍者キャプター」。
- ^ a b c d e f 泉敬太の同級生。
- ^ クレジットは「井上美千代」。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称を風魔三つ目と記載している[12]。
- ^ 書籍によっては、名称をからかさ道人と記載している[13][14]。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称を甲賀あか天狗と記載している[15]。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称を甲賀金狼と記載している[15]。
- ^ 4月2日から先行放送を開始。7月2日の第14話からは金曜日19時台前半(12月31日のみ、17:25からの放送)へ時間帯を変更し、1977年1月14日の第42話まで先行放送を行っていたが、本作品の急な打ち切りによりテレビ西日本への納品が先行放送に間に合わなくなり、テレビ西日本では1977年1月21日に第12話を再放送。最終話は、1月28日に放送した。
- ^ 作中では堀美江都子名義。
参照話数
- ^ 第1話
出典
- ^ a b ケイブンシャの大百科 2014, p. 135, 「大百科伝説1 アバウトな間違いが多かった!!」
- ^ ケイブンシャの大百科 2014, pp. 74、135.
- ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 177.
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 337
- ^ 「戦隊シリーズ キャストインタビュー 伍代参平」『テレビマガジン特別編集 戦隊シリーズ20周年記念 超世紀全戦隊大全集』講談社、1993年11月14日、186頁。ISBN 4-06-178416-1。
- ^ 奥中惇夫「第六章 テレビ映画一直線」『テレビ映画監督一代記 仮面ライダーがエントツの上に立った日』筑摩書房、158頁。ISBN 4-480-87344-9。
- ^ 表記は『アニメージュコミックス 忍者キャプター』第2巻 p90より。作中では、三郎兵衛が「たみべ」と読んでいる。
- ^ 石ノ森章太郎・村枝賢一「特別インタビュー 堀田真三」 『仮面ライダーSPIRITS 9』講談社〈マガジンZKC0244〉、2006年5月23日、ISBN 4-06-349244-3、188頁。
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 338.
- ^ a b c 『決定版 スーパーヒーローベスト100超百科 アクションヒーロー編』講談社〈テレビマガジンデラックス・178〉、2007年5月25日、63頁。ISBN 4-06-304580-3。
- ^ 『キャラクター魂』Vol.02、辰巳出版、1999年5月5日、58頁、ISBN 4-88641-381-1。
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 339.
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 340.
- ^ 宇宙船SPECIAL 1998, p. 220.
- ^ a b 全怪獣怪人 下 1990, p. 342
- ^ 『北海道新聞』(縮刷版) 1976年(昭和51年)4月、テレビ欄。
- ^ 『秋田魁新報』1976年4月6日朝刊、テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1976年6月1日 - 1977年3月21日付テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1976年4月25日 - 1977年2月12日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1976年4月20日 - 1977年2月8日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1976年5月5日 - 1977年2月16日付テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1976年10月2日付テレビ欄。
- ^ 『信濃毎日新聞』1976年6月24日 - 1976年9月30日付テレビ欄。
- ^ 『信濃毎日新聞』1976年10月8日 - 1977年4月15日付テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1976年6月24日 - 1977年4月15日付テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1976年9月10日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1976年10月4日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『中日新聞』1977年1月27日(本作最終回当日)付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『毎日新聞』1976年4月10日 大阪本社夕刊 毎日放送「PRのページ」
- ^ 『山陰中央新報』1977年1月テレビ欄。
- ^ 『山陽新聞』1977年1月テレビ欄。
- ^ 『中国新聞』1977年1月テレビ欄。
- ^ 『中国新聞』山口版、1977年1月テレビ欄。
- ^ 『愛媛新聞』1977年1月テレビ欄。
- ^ 『熊本日日新聞』1977年1月テレビ欄。
- ^ 『宮崎日日新聞』1976年4月15日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『南日本新聞』1977年1月テレビ欄。
- ^ 『帰ってきた怪獣VOW』p.80.(1995年初版、発行:宝島社)
- ^ a b OFM仮面ライダー9 2004, p. 32, 和智正喜「仮面ライダー監督紳士録 第5回 田中秀夫」
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