後期高齢者医療制度 保険料

後期高齢者医療制度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 10:47 UTC 版)

保険料

保険料は、広域連合が被保険者に対し、広域連合の全区域にわたって均一の保険料率であることその他政令で定める基準に従い広域連合の条例で定めるところにより算定された保険料率によって算定する。ただし、離島その他の医療の確保が著しく困難である地域であって厚生労働大臣が定める基準に該当するものに住所を有する被保険者の保険料については、政令で定める基準に従い別に広域連合の条例で定めるところにより算定された保険料率によって算定された保険料額によって課することができる(第104条2項)。同じ都道府県で同じ所得であれば原則として同じ保険料になる。賦課額は、応益負担(加入者全員が等しく負担する)である「均等割」と応能負担(所得に応じて負担する)「所得割」の2種類で構成され、その合計額である。

保険料率は、療養の給付等に要する費用の額の予想額、財政安定化基金拠出金及び特別高額医療費共同事業に要する費用に充てるための拠出金の納付に要する費用の予想額、都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額、保健事業に要する費用の予定額、被保険者の所得の分布状況及びその見通し、国庫負担並びに後期高齢者交付金等の額等に照らし、おおむね2年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない(第104条3項)。

広域連合が被保険者に課す保険料の賦課額は、令和2年4月以降、64万円を超えることができない(施行令第18条1項6号)。

保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする(第159条)。

徴収方法

保険料は市町村が徴収し、広域連合に納付する(第107条)。徴収方法は、公的年金額が年額18万円(月1万5千円)以上で、かつ保険料(介護保険料との合算額)が年金額の2分の1を超えない者については、原則として特別徴収(年金からの天引き)となる。ここでいう「公的年金」とは、老齢基礎年金のみならず障害基礎年金障害厚生年金遺族基礎年金遺族厚生年金も含むが、老齢厚生年金は含まない(老齢厚生年金から天引きされることは無い)。この方法は国民健康保険と共通している。

特別徴収されない者については納入の通知が行われ、金融機関の窓口などで支払う(普通徴収)。この場合は被保険者本人のみならず、世帯主配偶者連帯して納付する義務を負う。また市町村の条例で定めるところにより、特別徴収から口座振替へ変更できる[注釈 3]

保険料の軽減措置

市町村は、所得の低い者に対し、保険料の均等割額が世帯の所得水準にあわせて軽減・徴収猶予することができる(第111条)。軽減割合は以下のとおりである。

軽減割合 被保険者及び世帯主の総所得金額
9割軽減 33万円 以下かつ被保険者全員が年金収入80万円以下で他の所得がない
7割軽減 33万円 以下
5割軽減 33万円+(24.5万円×世帯主を除く被保険者数) 以下
2割軽減 33万円+(35万円×被保険者数) 以下

※ここでいう所得とは、収入額から必要経費(公的年金等控除額や給与所得控除額など)を差し引いた、確定申告での所得金額である。また、65歳以上の公的年金の場合は、さらに15万円減額した金額が軽減判定の際の所得となる。

また、政府・与党決定(2008年(平成20年)6月12日)により、2008年(平成20年)度のみの特別対策として以下のような軽減割合の拡大措置がとられた。なお、8.5割軽減については、2009年度も継続されることとなった[7]

  1. 保険料の均等割額が7割軽減されている人は均等割額が8.5割軽減となる。
  2. 賦課のもととなる所得金額が58万円以下の人は所得割額が5割軽減となる。

職場で加入する被用者保険(健康保険組合、協会けんぽ、公務員共済組合、私立学校教職員共済組合、船員保険など)に加入している者の被扶養者であった者(勤めている家族に扶養されていた者)は新たに保険料を負担することになるため、以下の激変緩和措置がある[8]

  • 平成20年4〜9月までは、保険料は不要(凍結)。
  • 平成20年10月〜21年3月までは、本来の保険料の1割(9割軽減。全国平均で月額350円程度)。
  • 平成21年4月から1年間についても、本来の保険料の1割(9割軽減。全国平均で月額350円程度)。






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