平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
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主題歌
- 「ドラゴン・ロード2014」
- 作詞:石ノ森章太郎 / 作曲:菊池俊輔 / 編曲:鳴瀬シュウヘイ / 歌:串田アキラ&KAMEN RIDER GIRLS
制作
昭和ライダー対平成ライダー
平成ライダーと昭和ライダーが同じ15人で並び立つのは、『鎧武』放映中のこの時点だけである。今後もシリーズが続く限り平成ライダーは増え続け、いつか平成ライダーこそが仮面ライダーの主流となって最終的には「平成」という区分自体が不必要になる時が訪れる[7]ため、この時期でしか成立しない「昭和対平成」の構図を映像化したいという発想が作品の根源にある[37]。「平成ライダー」の呼称は制作側ではなくファンが使用した物であるうえ、単に元号について考えるなら『仮面ライダーBLACK RX』の途中から『仮面ライダーJ』までの「昭和ライダー」は平成年間に制作されている[7]。そのため、制作側として改めて意識的に平成ライダーと昭和ライダーの違いに着目し、両者を対立させることで区分の意義を明確化しようという試みである[37][7]。
しかし、こうした業界的な分け方は、仮面ライダーシリーズの歴史に詳しくなければ理解しづらいため、そこで細かな説明をせずに昭和・平成の区別を映画の観客に納得してもらうために考案されたのが投票だった[7]。票を投じる過程で、観客は自らの中に「平成ライダー」「昭和ライダー」というカテゴリを作り上げることになり、投票を行う以上は結果を出さなくてはならないため、表向きはどちらかのライダーを勝たせるための票であるという体裁が取られた[37][7]。
スーパー戦隊のゲスト出演
本作品は仮面ライダーシリーズを中心に据えた映画だが、スーパー戦隊シリーズから『獣電戦隊キョウリュウジャー』の桐生ダイゴ / キョウリュウレッドと『烈車戦隊トッキュウジャー』の5人が、クライマックスの戦闘にゲストとして出演する。これは本作品が企画段階では『スーパーヒーロー大戦』シリーズの第3弾だった名残である[38]。ライダーと戦隊が対立した『大戦』とはまた別の形での共演の在り方を求めて会議が行われていたところ、平成ライダーと昭和ライダーが同じ15人になることに当時『鎧武』のチーフプロデューサーだった武部直美が気づいたため、「それならば明瞭に両ライダーを並び立たせよう」と話が決まり、初期案は破棄された[37]。しかし、当初集合したスタッフには戦隊関係者も加わっているため、作品の方向性が定まった後になってもライダーに限定した内容にするわけにはいかなかった[38]。
もう1つの理由として、本作品の公開当時に放映されていた『トッキュウジャー』が、先行する『仮面ライダー電王』同様に電車をモチーフとしていることが関与している。この時点で明確にコラボレーションを実施したほうが、その後も『トッキュウジャー』を続けるにあたって『電王』の存在をいたずらに意識せず、独自の路線を歩めるようになるだろうという判断による[38]。
監督の柴﨑貴行は、『キョウリュウジャー』は全員と『特命戦隊ゴーバスターズ』を登場させたかったとインタビューで語っている[39]。
キャスティング
昭和ライダー側は本郷猛 / 仮面ライダー1号、神敬介 / 仮面ライダーX、村雨良 / 仮面ライダーZXをオリジナルキャストの藤岡弘、、速水亮、菅田俊が演じている。
藤岡は本郷を演じるのは『全員集合!7人の仮面ライダー!!』以来38年ぶり、変身ポーズを披露するのは『仮面ライダーV3』第34話以来40年ぶり[40][41]、速水は『仮面ライダー (スカイライダー)』第31・32話へのゲスト出演以来34年ぶり[42][43]、菅田は『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』以来30年ぶりの出演となる[43]。
平成ライダー側では、門矢士 / 仮面ライダーディケイド役の井上正大、乾巧 / 仮面ライダーファイズ役の半田健人などが出演[3]、仮面ライダー電王の声もオリジナルと同じく声優の関俊彦が担当した。
藤岡たちが出演できなかった時のために別案も用意されていたが、いずれも出演が実現したために当初の予定通りの内容で制作された[7]。
また、関東のラジオ局・文化放送などで放送している特撮ラジオ番組『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』のダブルパーソナリティを務める声優の鈴村健一・神谷浩史がゲスト出演している。役柄は公開されるまで完全シークレットとなっていた[44]。
故人への弔慰
本作品では「死者への未練」をテーマとしているが[45]、プロデューサーの白倉伸一郎はスタッフの故人に対する想いが制作の雰囲気に影響を及ぼしていたことを述べている[7]。
2011年から2012年にかけて初代『仮面ライダー』に携わったプロデューサーの平山亨や阿部征司、東映生田スタジオ所長の内田有作、監督の長石多可男らが死去しており[46]、本作品のエンディングクレジットでも平山と長石への献辞が捧げられている。白倉は「偲ぶ会」が相次いだことにより関係者の近況を把握できていたことや当時の関係者と対話する機会があったことを本作品制作のきっかけに挙げている[46][7]。
本作品の公開日が長石の1周忌と同時期に当たる[46][47]。白倉は追悼のために制作した作品ではないとしながらも、長石が監督した『仮面ライダー555』第47話・第48話の後日譚的な要素を盛り込むなど、長石への想いも込めた作品であるとしている[46][7]。本作品の監督を務めた柴﨑貴行も、長石が存命であれば本作品の監督を務めていたのではないかという想定から、長石の演出を意識したカットを散りばめている[48][49]。また、内田有作は生前に藤岡弘、を主演とする仮面ライダーを再度制作することを構想しており、白倉はこれを実現したわけではないが本作品制作への影響は与えているとしている[7]。
本作品では本郷猛 / 仮面ライダー1号の2度目の変身ポーズがオリジナルとは若干異なるものとなっているが、演じた藤岡は故人を含めた初代『仮面ライダー』の関係者に対する想いを感じたまま表現したものであると述べている[50]。
葵連 / 仮面ライダーフィフティーン役の板尾創路は、『仮面ライダーV3』に結城丈二 / ライダーマン役で出演し1986年に死去した山口豪久(山口暁)が主演を務めていた『電人ザボーガー』のリメイクである映画『電人ザボーガー』で主演を務めており、本作品への出演は山口がつないだ縁であると感じたことを述べている[51]。
映像ソフト化
2014年8月8日発売。Blu-ray / DVDでリリース。セルソフトのエンディングは通常版、コレクターズパック共に劇場公開版「平成ライダー勝利バージョン」と劇場未公開「昭和ライダー勝利バージョン」を選択して再生できるマルチエンディング仕様となっている(レンタルDVDは「平成ライダー勝利バージョン」のみを収録)。
- 平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊 通常版(1枚組)
- 映像特典
- TRAILER
- 映像特典
- 平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊 コレクターズパック(2枚組)
- ディスク1:本編ディスク(通常版と共通)
- ディスク2:特典ディスク(Blu-ray版はBlu-ray、DVD版はDVDで収録)
- Making
- 完成披露スペシャルイベント
- 完成披露試写会舞台挨拶
- 公開初日舞台挨拶
- TV SPOT
- DATA FILE
- POSTER GALLERY
- 初回限定特典
- ライナーカード
- 特製スリーブケース
注釈
- ^ a b c d e f g ノンクレジット
- ^ 映像作品に限らなければ、『劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼#漫画』のオマケ漫画『仮面ライダーSD 4コマ』に『仮面ライダーSD 4コマ 昭和仮面ライダーシリーズ編』『仮面ライダーSD 4コマ 平成仮面ライダーシリーズ編』というように、作品名に使用された例は存在する。[独自研究?]
- ^ a b c 『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダー鎧武/ガイム』までの15作品に登場した15人の主役ライダーを指す。本作品ではこの15人が「平成ライダー」とカテゴライズされて登場する
- ^ a b 『仮面ライダー』から『仮面ライダーJ』までの12作品に登場した15人の主役級ライダーを指す(BLACKとRXは別カウント)。本作品ではこの15人が「昭和ライダー」とカテゴライズされて登場する。
- ^ 書籍『仮面ライダー鎧武超全集』では名称を1号ライダーアームズと記述している[12]。
- ^ a b 仮面ライダーフィフティーンのフォーゼアームズとウィザードアームズの装着時の音声は、前作『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』に登場した仮面ライダー斬月 フォーゼアームズ・仮面ライダー鎧武 ウィザードアームズと同様の音声となっている。
- ^ フィフティーン自身も「そしてこれが究極の変身…」といっている。
- ^ 後者は劇中では未使用で、スチール写真で確認ができる[出典 1]。
- ^ 書籍によっては名称をそれぞれ平成十五ライダーロックシード、昭和十五ライダーロックシードと記述している[出典 3]。
- ^ ライダーマンの声も担当[33]。
- ^ 仮面ライダーシンの声も担当[34]。
- ^ a b c d クレジットでは役名未表記。
- ^ エンドクレジットでは「チケットの声」と表記されているが、劇中ではチケットは登場していない。
- ^ エンディングクレジットでは「山本裕士」と誤表記。
- ^ エンディングクレジットでは「中山猛」と誤表記。
- ^ エンディングクレジットでは「大隈隅志」と誤表記。
- ^ エンディングクレジットでは「菊池雄人」と誤表記。
- ^ a b エンドクレジットでは「(ジャパンアクションエンタープライズ)」と表記されているが、実際に福沢のみはレッド・エンタテインメント・デリヴァー所属。
- ^ 両シリーズは『仮面ライダーディケイド』第24話、第25話と『侍戦隊シンケンジャー』第20話、第21話で既にクロスオーバーしているが、こちらは単独で成立する物語であることから、合体という扱いではない[53]。なお、トッキュウジャーと鎧武が初顔合わせをする場所は、『ディケイド』と『シンケンジャー』のものとロケ地が同じ[53]。
- ^ a b 駅名標で駅名のみ判明している停車駅。
出典
- ^ a b c d 鎧武公式完全読本 2014, p. 79
- ^ 2014年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ a b “白倉伸一郎「VSものは戦ったためしがない今回は決着描く」仮面ライダー大戦”. マイナビニュース (2014年1月30日). 2014年2月21日閲覧。
- ^ a b “『仮面ライダー大戦』昭和vs平成の決着はファン投票で決定、龍騎以来の挑戦”. マイナビニュース (2014年2月9日). 2014年3月22日閲覧。
- ^ “『仮面ライダー大戦』平成&昭和ライダーの必殺技映像集公開、投票は昭和優勢”. マイナビニュース (2014年3月7日). 2014年3月23日閲覧。
- ^ a b 『仮面ライダー大戦』総投票数277万票でAKB48超え、平成vs昭和は760票差で平成勝利(2014年3月29日、マイナビニュース)
- ^ a b c d e f g h i j k COMPLETE TRACKS 2014, pp. 76–77, 「Interview 昭和と平成の違いは何なのだろうか? 白倉伸一郎プロデューサーインタビュー(『HYPER HOBBY』2014年5月号、pp.12-13)」
- ^ 『THE 仮面ライダー EX』Vol.01、p.42
- ^ 『「仮面ライダー公式写真集」 仮面ライダーぴあ VOL.2 『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』メモリアル本』ぴあ〈ぴあMOOK〉、2015年4月20日。ISBN 978-4-8356-2439-6。
- ^ 『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』パンフレット 2017年3月25日発行 構成・文:用田邦憲 編集・発行:東映事業推進部
- ^ 鎧武超全集 2014, pp. 95–96.
- ^ a b c 鎧武超全集 2014, p. 95
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- ^ 「宇宙船vol.148特別付録 宇宙船 YEARBOOK 2015」『宇宙船』vol.1482015.春号、ホビージャパン、2015年4月1日、別冊p.6、ISBN 978-4-7986-1002-3。
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- ^ 安達佑斗 編「フィフティーン」『仮面ライダー 全戦士パーフェクトずかん』小学館〈ピギー・ファミリー・シリーズ〉、2014年4月20日、66頁。ISBN 978-4-09-736050-6。
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- ^ a b パンフレット 2014, 「バダン帝国構成員」
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- ^ a b 凱旋 2015, p. 95.
- ^ 鎧武超全集 2014, p. 93
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- ^ a b トッキュウジャー公式完全読本 2015, p. 89, 取材・構成 鴬谷五郎「TOQGER VFX TALK_01 佛田洋」
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- ^ a b c d IBUKI_VOICEのツイート(450212714195857408)
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- ^ “平成vs昭和『仮面ライダー大戦』声優・鈴村健一と神谷浩史のゲスト出演決定!”. マイナビニュース (2014年2月22日). 2014年3月22日閲覧。
- ^ パンフレット 2014, 「米村正二[脚本]」.
- ^ a b c d パンフレット 2014, 「白倉伸一郎[プロデューサー]」
- ^ COMPLETE TRACKS 2014, pp. 72、76.
- ^ パンフレット 2014, 「柴﨑貴行[監督]」.
- ^ COMPLETE TRACKS 2014, pp. 72–75, 「平成ライダー対監督 スペシャルトーク大戦 柴﨑貴行(監督)×井上正大(門矢士 役)×半田健人(乾巧 役)×佐野岳(葛葉紘汰 役)」
- ^ パンフレット 2014, 「藤岡弘、[本郷猛役]」.
- ^ パンフレット 2014, 「板尾創路[葵連役]」.
- ^ 『アナと雪の女王』洋画アニメ最速!50億円突破でV3!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2014年4月1日
- ^ a b c “烈車戦隊トッキュウジャー 烈車戦隊トッキュウジャー VS 仮面ライダー鎧武 春休み合体スペシャル|東映[テレビ]”. 東映. 2014年4月18日閲覧。
- ^ トッキュウジャー公式完全読本 2015, pp. 66–68, 取材・構成 大黒秀一「TOQGER MAIN STAFF INTERVIEW_01 中澤祥次郎」.
- ^ a b c 鎧武公式完全読本 2014, p. 127
- ^ a b c 完全超悪 2020, p. 314, 「DESIGNER INTERVIEW Niθ・山田章博・篠原保・中央東口[仮面ライダー鎧武/ガイム]」
- ^ a b c IBUKI_VOICEのツイート(450211756577550336)
- ^ キャラクターブック2 2015, p. 31, 「Cast & Suit Actor Cross Talk 平牧仁×高田将司」.
- ^ 鎧武公式完全読本 2014, p. 91.
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