川島なお美
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/01 05:51 UTC 版)
かわしま なおみ 川島 なお美 | |
---|---|
本名 | 鎧塚 なお美 |
生年月日 | 1960年11月10日 |
没年月日 | 2015年9月24日(54歳没) |
出生地 | 日本・愛知県守山市(現・名古屋市守山区)[1] |
死没地 | 日本・東京都 |
身長 | 158cm |
血液型 | AB型 |
職業 | 女優 |
ジャンル |
映画 テレビドラマ バラエティ番組 |
活動期間 | 1979年 - 2015年 |
配偶者 | 鎧塚俊彦(パティシエ) |
主な作品 | |
バラエティ番組 『お笑いマンガ道場』[1] テレビドラマ 『家なき子2』 『失楽園』[1] |
愛知県守山市[補足 1](現・名古屋市守山区)出身[3]。最終所属は太田プロダクション。夫はパティシエの鎧塚俊彦。
来歴
父親は名古屋高等裁判所事務局長[3]。名古屋市立大森中学校[3]~愛知県立中村高等学校[3]~青山学院大学文学部第二英米文学科卒業[3]。高校在学中、スクールメイツに所属し[3]、歌とダンスを学ぶ。その後平尾昌晃の音楽教室に通う[3][4]。1979年、大学入学と同時に上京し、『シャンペンNo.5』で歌手デビュー[3]。笑福亭鶴光のオールナイトニッポンでアシスタントを務めた[1][3][4]。
文化放送が『セイ!ヤング』の後番組として、1981年10月からスタートさせた『ミスDJリクエストパレード』の火曜日担当パーソナリティに抜擢され、深夜の顔となる[3]。当時は大学在学中であり、女子大生DJと呼ばれ、女子大生ブームの中心的存在となる[1][4]。この当時は自身も「ミスDJでは一人の女子大生としておしゃべりしている」と話していたことがある[5]。
学生時代は剣道部に所属し有段者である。大学生時代に試験でカンニングをしたことがある[3][補足 2]。この際の「開き直り」的発言が一部で物議を醸した。
1982年、中京テレビ制作『お笑いマンガ道場』の三代目女性レギュラーとなり、プロ顔負けの画力と、芸人顔負けのネタの巧みさを披露し、同世代以外からの知名度と人気を獲得した[1]。1989年秋に番組卒業が決まったが、同年8月8日、9月から明治座で『水戸黄門』の舞台公演でのフィルム撮影のため現場に向かう途中で、ロケバスが崖から転落する事故に遭った。第七頸椎を骨折する大怪我を負ったが顔は無傷だったことをすぐに確認したという[補足 3]。この影響からそのまま復帰することはなく降板に至った[補足 4]。番組の司会だった柏村武昭とは生涯交流を持ち、柏村の地元である広島を訪れた際は共にゴルフをするのが恒例だったという。
女子大生タレントのイメージがいつまでも抜けず、出演番組は限られるなど不遇な時代が続いたが、1993年、30代にしてヘアヌード写真集『WOMAN』を発表し、55万部の大ヒットとなる。これをきっかけに妖艶な女優へとイメージチェンジする[4]。青学4年時の報知新聞のインタビューで「高校時代から、歌手になる前から女優になるのが夢です。完全ヌードも女優になれたら考えます」と話していた[3]。判事だった父の立場を考慮し、父が退官するのを待って発行した。
デビュー当初から世良公則のファンを公言していたが[3]、川島が売れ始めたころには世良は高校の同級生と結婚していた。1994年の東映『新極道の妻たち 惚れたら地獄』の共演をきっかけに世良と不倫状態に陥ったとされ[6]、川島の最初の所属事務所の社長だった人物が、同年川島の暴露本を発売し[6]、名前を出された世良が激怒し猛抗議した[6]。
1997年、『失楽園(TVドラマ版)』に主演し話題となる[1][4]。ベッドシーンでは「子宮が呼吸できない気がする」との理由で撮影中に前張りを取ることを『週刊ポスト』(1997年11月3日号)のインタビューで告白した[7]。
『おしゃれカンケイ』にゲスト出演した際、通常スタジオの観客は番組スポンサーである資生堂の方針で女性と決められているが、川島が出演する回に限り、観客は男性限定となった。
2013年8月に健康診断で腫瘍が見つかり、即手術を勧められるも拒否。代替策としての抗がん剤治療も拒否した[1]。腫瘍は肝内胆管癌であることが判明。「この人になら命を預けられる」と思える医師との出会いを果たして、翌年1月末に手術を受けた。川島の望みどおり、全て腹腔鏡下で行われた手術は12時間にも及んだという[8]。術後の5年生存率が40〜50%であるといわれるなか、術後補助化学療法等は行わず、予後の健康維持の管理にビタミンCの点滴、民間療法、悪い気の排除などの施術(エビデンス不明)に取り組み[9]、各媒体に復帰した。川島はブログで「完治した」と述べるも、2014年7月に再発が判明、夫に対しては余命1年未満の宣告がなされた。川島は余命を知らされない状態で抗がん剤治療拒否を決断[10]。以降も代替医療に励みながら芸能活動を続けた。
2015年9月17日、出演中のミュージカル『パルレ〜洗濯〜』を、体調不良を理由に途中降板[11][補足 5]。9月20日、11月から12月に出演が予定されていたミュージカル『クリスマス・キャロル』(劇団スイセイ・ミュージカル)についても降板が決まった[13][補足 6]。
2015年9月23日には自宅療養中であることが公表され、同年11月5日開催予定のソロライブでの復帰を目指していた[15]。しかし翌24日19時55分、胆管癌のため永眠。54歳だった。葬儀は青山葬儀所にて浄土宗式で執り行われ、夫・鎧塚が喪主を、徳光和夫が司会をそれぞれ務め、生前所属していた太田プロダクションの代表取締役社長・磯野太、林真理子、倍賞千恵子が弔辞を読み、片岡鶴太郎が弔電を寄せた。出棺の際は約7分間の拍手で送られた。その後、遺体は品川区の桐ヶ谷斎場で荼毘に付された。戒名は「秋想院彩優美俊大姉(しゅうそういんさいゆうみしゅんだいし)」で、川島と鎧塚の名前から一文字取っている。
2016年6月10日、東京・麻布の賢崇寺に夫・鎧塚によってデザインされた墓が建立され、納骨された。墓には生年のワイン「ロマネ・コンティ」や女優帽がかたどられ、下には「YOROIZUKA」の文字やダックスフントの絵が彫られている。
人物
趣味・嗜好・特技
ワインブーム時にはバラエティーや教養番組等で活躍し、フランスの四大ワイン産地から騎士号を授与されている唯一のアーティストでもある。「私の体はワインでできている。」という名言を残している[16][17]。
1998年、日本テレビ主演連続ドラマ『くれなゐ』に主演。第一回放映を終えた翌日の4月14日、ドラマの撮影が休みであったため、当時通学していたソムリエスクールに向かう途中、下りのエスカレーター最上段で足を滑らせて正座するような姿勢で落下。ギザギザのステップに当たった左足の脛を裂傷し、20針も縫う怪我を負った。雨天で右手にワインとテキストを持ち、左手に傘を持って両手が塞がっていたことに加え、ヒールの高いサンダルを履いていたため、足元が滑った際にバランスを保つことができなかったという。その際、ワインの瓶が割れなかったことを取り上げられ「ワインをかばって転倒」と一部で報じられたが、実際はそのようなことも考える間もなく、咄嗟に身を丸めた際に持っていたワインを抱きかかえる形になっただけであると後に語った[18][19]。
病気になってからはワインを飲めなくなった[20]。ワイン断ちをしてからは、水に興味を持ち、2014年3月からミネラルウォーター専門スクール アクアデミアに通学。5月には一般社団法人アクアミネラーレ協会認定 アクアアドバイザーとして認定されている。
軽井沢に別荘を所有しており、ブログに「私の愛する軽井沢」と記す[21]ほどに、好んで訪れていた。
飼っている犬はミニチュアダックスフントで、名前は「シナモン」と「ココナッツ」。愛犬を「娘」と呼んでおり、ブログでも頻繁に写真を掲載していた。シナモンは2015年1月9日死去した。ココナッツはシナモンが産んだ子供で、2019年12月19日に死去した。
プロ野球で好きな球団は中日ドラゴンズ。料理も非常に得意で、「愛のエプロン」では出演するたびに高評価を得ていた。
家族・親族・友人
- 2007年10月、パティシエ鎧塚俊彦と婚約したことを発表。2009年2月1日、入籍。結婚後はおしどり夫婦として夫妻でテレビ出演をすることも多かった。
- フィギュアスケーターの荒川静香とは、ドラマ7人の女弁護士で共演し共に愛犬家でもあったことから親しい友人であった。2006年末に川島の自宅にて荒川静香の誕生パーティを開催した際、鎧塚俊彦にケーキを依頼したことをきっかけに交際が始まり結婚に至ったため、川島自身は荒川をキューピッドと呼んでいた[22]。
- 実父(2022年5月死去)は岐阜県美濃市出身の元簡易裁判所判事で、腹違いの14歳年上の姉がいたが生後すぐに生き別れ、2006年に46年ぶりの再会をした。
- ぼんちおさむとは一時、親戚関係だった。「新アップダウンクイズ 新春スペシャル」にペアで出場した際に紹介された。その後、いとこが離婚したために親戚ではなくなった。
補足
- ^ 愛知県守山市が存在したのは1954年(昭和29年) - 1963年(昭和38年)と短い期間であり、愛知県守山市出身の著名人はきわめて少ない。
- ^ 自著「シャワーのあとで」において、専門外の試験で試験官にカンニングペーパーが見つかって取り上げられたことを記している。
- ^ 水戸黄門の舞台は急遽甲斐智枝美がピンチヒッターを務めた。その後、1990年2月の 御園座初特別舞台公演で出演を果たしている。
- ^ その後、番組には1992年正月特番の「初笑いマンガ道場」にゲスト出演している。
- ^ 代役は武者真由が務める[12]。
- ^ 代役は渡辺めぐみ[14]。
- ^ 一般社団法人アクアミネラーレ協会によって認定される民間の資格。アクアアドバイザー資格のほか、上級のアクアマエストロ資格があり、2つ資格の総称としてアクアソムリエという呼び名も用いられる。ミネラルウォーター専門スクールアクアデミアで講座を受け、修了後の試験に合格すると、資格を取得できる。
- ^ 当初の放送予定は、2015年10月7日だった。[27]
出典
- ^ a b c d e f g h i 別冊宝島2551『日本の女優 100人』p.105.
- ^ a b “川島なお美さん死去 昨年胆管がん手術 54歳若すぎる…”. スポーツニッポン (2015年9月24日). 2015年9月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 山里和司 (1982年6月14日). “ひとらんだむスコープ 川島なお美(タレント)インタビュー 『夢は"女優"よ』”. 報知新聞 (報知新聞社): p. 14
- ^ a b c d e “追悼 女優・川島なお美「名言」「珍言」「SEX発言」プレイバック(1)(週刊実話)”. livedoor NEWS (2015年10月5日). 2022年11月3日閲覧。
- ^ 月刊ラジオマガジン 1982年11月号 p.32 - 33記事より。
- ^ a b c 著者とも? 華麗なる男性遍歴を綴った暴露本『川島なお美 偽りの素顔』、川島なお美の暴露本に世良公則が抗議した、アノ騒動の実情
- ^ “追悼 女優・川島なお美「名言」「珍言」「SEX発言」プレイバック(2)(週刊実話)”. livedoor NEWS (2015年10月6日). 2022年11月3日閲覧。
- ^ “真実,川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」”. Ameba (2014年3月27日). 2015年10月3日閲覧。
- ^ “ありがとうございます♪,川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」”. Ameba (2014年7月5日). 2015年10月3日閲覧。
- ^ “抗がん剤拒否は川島さんの決断 鎧塚氏” (2014年10月1日). 2015年10月3日閲覧。
- ^ “激やせ心配される川島なお美 体調不良により出演舞台を降板”. 日刊ゲンダイ (2015年9月17日). 2015年9月17日閲覧。
- ^ “川島なお美代役・武者真由「やるしかない!」観客の拍手に感謝”. スポニチ (2015年9月18日). 2015年9月18日閲覧。
- ^ “川島なお美ミュージカル、クリスマス・キャロル降板”. 日刊スポーツ (2015年9月20日). 2015年9月20日閲覧。
- ^ “川島なお美降板舞台 渡辺めぐみが代役「バトン受けた。一緒にやりたい」”. Sponichi Annex (2015年9月23日). 2015年9月23日閲覧。
- ^ “川島なお美11・5ソロライブ向け「自宅療養中」”. 日刊スポーツ. (2015年9月24日) 2016年10月26日閲覧。
- ^ 高梨歩 (2020年9月23日). “没後5年「川島なお美」生きていれば今年で還暦 女優を貫く強さと唯一無二の名言”. AERA dot.: p. 1 2022年9月30日閲覧。
- ^ “川島さん語録「私の体はワインでできている」心境は「バラ色のロゼ」”. スポニチ (2015年9月25日). 2022年7月31日閲覧。
- ^ 竹内義和『テレビ汁』(初版)ぶんか社、1998年9月10日、99頁。ISBN 4-8211-0619-1。
- ^ “プレイバック芸能スキャンダル史「ワインをかばい転倒と報じられた川島なお美」”. 日刊ゲンダイ (2013年12月27日). 2015年9月17日閲覧。
- ^ “川島なお美さん七回忌 夫の鎧塚俊彦氏「女房に感謝!」 胆管がん、54歳で逝く”. デイリースポーツ (2021年9月24日). 2021年9月24日閲覧。
- ^ “軽井沢でお・も・て・な・し”川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」by Ameba(2015年8月18日)
- ^ 川島なお美、キューピッドは荒川静香だった
- ^ 「客員教授として」 - 川島なお美オフィシャルブログ 2009年10月22日
- ^ ヘアカラーリングアワード - 〔エンタメ〕.リンク道.com.2016年1月1日閲覧。
- ^ 番組公式サイト
- ^ ラジオマガジン(モーターマガジン社)1983年10月号 p.160 など
- ^ “◆水曜ミステリー9「多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉13 ~眼前の殺人者」”. 水曜ミステリー9公式facebook(テレビ東京) (2015年10月7日). 2016年7月19日閲覧。
- ^ “川島なお美さんの出演ドラマにネットで反響「体調悪かったと思えない」”. ORICON STYLE. (2016年7月13日) 2016年7月14日閲覧。
- ^ 川島なお美 - オリコンCM出演情報
- ^ a b ““歌手・川島なお美”がよみがえる、名作を緊急再発売”. 音楽ナタリー (2015年10月26日). 2015年10月26日閲覧。
- ^ 『FLASH』2003年12月23・30日合併号、光文社、22頁。
- 1 川島なお美とは
- 2 川島なお美の概要
- 3 略歴
- 4 書籍
- 5 川島なお美を演じた俳優
固有名詞の分類
- 川島なお美のページへのリンク