専門士 専門士の概要

専門士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/19 01:25 UTC 版)

日本の学位等の分類
分類 大区分 小区分 授与される標準的な課程
学位 博士 規定なし 大学院の博士課程
(前期2年の博士課程を除く)
修士 規定なし 大学院の修士課程
(前期2年の博士課程を含む)
専門職学位 法務博士(専門職)[1] 法科大学院
教職修士(専門職)[1] 教職大学院
修士(専門職)[1] 専門職大学院
(法科・教職大学院を除く)
学士 規定なし 大学
短期大学士 規定なし 短期大学
分類 大区分 小区分 授与される標準的な課程
称号 準学士 規定なし 高等専門学校
高度専門士 規定なし 特定の専修学校の専門課程
(主に4年制以上)
専門士 規定なし 特定の専修学校の専門課程
(主に2〜3年制)

専門士号の意義

専門士の称号は、文部省(現文部科学省)が1994年、「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士の称号の付与に関する規程」(平成6年文部省告示第84号)第1条及び第2条において、専修学校の修了者に対する社会的評価の向上と生涯学習の振興を目的として定めたものである。

冒頭にある通り、専門士は専修学校の卒業生に対し授与される称号である。多くの専修学校は2年制であり、修学期間がほぼ同じである短期大学や高等専門学校とは同等である。よって、短期大学にて授与される短期大学士の学位と高等専門学校において授与される準学士の称号とは教育課程上の位置付けはほぼ変わりはない。但し、短期大学士は国際的に通用性のある学位であり、準学士は学士や短期大学士の学位に準じた学術称号であり、対して専門士は専門技術に対する評価を与えるものであることから、その意義は異なる。また、逆に準学士、高度専門士、専門士の称号とも法令によるとはいえ、あくまで日本固有の称号であり、必ずしも国際的な通用性は伴わない。

そもそも、専門学校には授与される称号は存在しなかった。戦前においては旧制専門学校において卒業者に対して得業士の称号が授与されていたが、新制の専修学校においては、特に称号の定めがなかった。ところが、専門学校の社会的評価の向上と、留学生からの要望が増大したことなどの背景があり、こうしたニーズに応じて創設されることとなった。

専門士称号を受けた者は大学3年次への編入学が制度として認められるようになり、また、かつては短大卒・大学2年次修了などが条件とされていた国家資格の受験資格(例: 税理士試験社会保険労務士試験)が認められる様になるなど、専門士称号の実際面の価値も増している。

ただ一方で、この称号が格別高い能力を保障し、リクルートメントの面で社会がそれを高く評価するかという点には疑問であり、むしろ専門学校在学中にて得た資格なり能力・技術その他の面で評価されているという方が実態に近い(例えば経理専門学校を卒業し専門士(商業実務課程)の称号を有していても最初の評価基準は簿記検定で○級に合格していることが条件となってしまうこと、など)。そのためか、短期大学と提携を結んで、在学中に短期大学士と専門士の双方を取得できるカリキュラムを組む専門学校も存在する。

いずれにせよ、専門士の称号を通じて専門学校卒業者には今後社会の門戸が広がりつつあることは間違いなく、学歴社会の中で一律大学入学思考の様な慢性的進路選択を迫られてきた、これまでの青少年の進路に多様性と可能性を与えるきっかけにはなったのではないかとも考えられる。法的機会均等の面では大学学部卒も短期大学、高等専門学校、専門学校ともに同一の評価には乗っているともいえ、就職の評価にもつながる学歴面や資格取得面で多少の差異が出る点はともかく、機会の拡大の面では階級的な学歴構造から多様性の含む学校教育制度へと転換しつつあると言える。

かつては、専門士の英文表記には「technical associate」という言葉を用いてきたが、高度専門士の付与制度を始めるのあたって英文表記の変更も検討された。そして、2006年3月22日の文部科学省生涯学習政策局の事務連絡で、専門士の英文表記が「Diploma」に変更されたことが発表された[2]

2005年9月9日、「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士の称号の付与に関する規程」(平成6年文部省告示第84号)が改正され、専門士の称号に加え、高度専門士の称号が創設された。今後、専修学校専門課程をめぐる教育において高度専門士と専門士の称号がどのような意義を果たしていくべきか、今後とも模索されていくものと思われる。

分野

修了した課程に応じ以下の8分野の称号が与えられ表記は日本語では「専門士(○○課程)」、英語表記では「Diploma (Postsecondary Course (○○))」もしくは「Diploma in ○○」となる[3]

  • 工業 (Technology)
  • 農業 (Agriculture)
  • 医療 (Medical Care)
  • 衛生 (Personal Care and Nutrition)
  • 教育・社会福祉 (Education and Welfare)
  • 商業実務 (Business)
  • 服飾・家政 (Fashion and Home Economics)
  • 文化・教養 (Culture and General Education)



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