大阪市営地下鉄 車両

大阪市営地下鉄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/30 18:58 UTC 版)

車両

関西圏の鉄道事業者は車両メーカーを1社に絞って発注することが多いが、大阪市営地下鉄は公営事業者としての立場から入札制を維持し、主要6社(アルナ工機[11]川崎重工業近畿車輛東急車輛製造[12]日本車輌製造日立製作所)すべてに発注したことがある。ただし30000系が近畿車輛に集中して発注しているような事例はある。新車置き換えのタイミングなどから、短期間で廃車される車両も多かったが、20系登場以後は車体更新工事(10系の一部編成と20系・新20系、70系に関しては制御装置の更新も同時施工)を推進させる傾向になりつつある。

2013年9月に30系がすべて運用を終了したことに伴い、関西圏の鉄道事業者では初めて省エネルギー車両率の100%を達成している。

御堂筋線と中央線を除き、起動加速度が2.5km/h/s(御堂筋線と中央線は3.0km/h/s)と日本の地下鉄では低い部類に入る。堺筋線は乗り入れ先の阪急電鉄と合わせている。

乗務員室の扉の窓は取っ手を引くことにより窓が落ち、全開できる。ストッパーを使用することで半開けが可能である。運転台はP1 - P4の4段階のノッチ、ブレーキはB2 - B7・EB(非常ブレーキ)の7段階となっている。B1は抑速ブレーキであり装備車(中央線)に限り有効にされている。堺筋線は阪急車と統一するため、運転台はP1 - P5の5段階のノッチ、ブレーキはB1 - B6・EB(非常ブレーキ)の12段階となっている。

以下で特記無いものは第三軌条方式路線用(御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・千日前線)

第三軌条線の共通車両規格

車両面における大阪市の特徴としては、前述した初期に開業している第三軌条使用路線が(以下便宜上、第三軌条線と称す)、いずれもほぼ同じ規格で作られていることが挙げられる。

一般に日本の地下鉄では新路線を建設するたび、新技術の投入または他社線との相互乗り入れのため規格の見直しが行われることが多く、異なる路線では車両の融通が利かないことも多い(ただし一世代前と後の路線では規格が似通っていたり、車両検修設備などを共用する目的から、線路を繋げて車両が回送されるケースも比較的よく見られる)。

しかし大阪市では堺筋線まで、既存の郊外鉄道への直通を企図した構造の路線が建設されなかったため(相互直通運転の北大阪急行と近鉄は第三軌条線となった)、市営第三軌条線はほぼ全線同一の規格となった。車内信号を使用する千日前線や、後に他社線と直通することになった中央線、過密運転を強いられる御堂筋線では、路線別に仕様の個別化が若干必要とされるが、軌間や車両サイズなどの基本寸法は同じとしている。

前述の形式別解説を参照しても、6000・6100形や10系や30000系など一部路線でしか使用歴のない形式もあれば、50系や30系や新20系のように第三軌条線の全線で使用された形式も存在する。以前の大阪市では、異なる第三軌条線でも同じ外観・車体色の車両が使用されていたが、前述のラインカラーの明確化に伴い、1975年より基本的な塗り分けパターンは同じだが、正面や側面窓下などのラインカラー部だけ色を変える新塗装が施された。これによりラインカラーによる識別性は他都市の地下鉄と同程度に向上した。

第三軌条線は御堂筋線と四つ橋線、ないし谷町線と中央線と千日前線といったそれぞれのグループで線路が繋がっており、両グループにまたがって車両の転属をする場合はトレーラーによる陸送が必要となるが、(特に7000・8000形や30系を製造していた高度経済成長の時期には)新規区間開業や輸送力増強が相次ぎ、編成替えも伴う転属が頻繁に行われてきた。その中では新型車を御堂筋線に投入し、余剰車を別路線に投入することが行われていた[14]。しかし、第三軌条線の大半が新20系で占められてからは、多少の転属は発生しているものの、ほとんどの編成は特定の一路線で使用しているため、以前ほどの頻繁な転属は行われなくなり、他都市の地下鉄に近い状況となった。そのため比較的車齢の高い10系が御堂筋線だけに投入され続けており、四つ橋線と千日前線は新20系で統一されているなどの現象が起きている。

検修施設の統廃合計画

現在、列車検査や全般検査などを行う施設として御堂筋線・四つ橋線には緑木車両工場が、谷町線・中央線・千日前線には森之宮車両工場がある。そのうち、森之宮車両工場は築40年を超え老朽化し耐震構造などに問題があり建替えの必要があるが、検査場や保守基地などが同敷地内に混在し建替えが困難であるため、森之宮の車両工場の機能を緑木車両工場に統合し、車両工場部門の効率化を図ることになった。そのため、四つ橋線本町 - 四ツ橋間と中央線本町 - 阿波座間を結ぶ連絡線を新設することになった(中央線本町駅の600m西方から北側に分岐し上昇、中央線を南に跨いで四つ橋線本町駅南方の西側に接続される)。工事期間は2015年度までとされている。なお車両工場に隣接の森之宮検車場については廃止せずに存続する。




[ヘルプ]
  1. ^ ただしその計画の実現には第三軌条方式の四つ橋線を架空電車線方式に変更しなければならず、それによる車両の新造、工事などの問題も多い。
  2. ^ 乗車料金(地下鉄・バス) - 大阪市交通局、2014年4月5日閲覧
  3. ^ 現金で乗車の際は地下鉄の券売機でバス連絡のボタンを押して合計料金を支払い、降車しても乗車券は回収されないので、その乗車券でバスに乗車しバス降車時に料金収集箱に乗車券を投入する。さらに別のバスに乗り継ぐ場合はバス乗継券を発行してもらう。
  4. ^ 大阪市高速鉄道及び中量軌道乗車料条例施行規程
  5. ^ 住之江公園駅での四つ橋線とニュートラムの乗り換え、コスモスクエア駅での中央線とニュートラムの乗り換え、梅田・東梅田・西梅田3駅相互の乗り換えは回数に含めない。一部、3回乗り換えのう回定期が発行可能な区間もある。
  6. ^ 江坂駅で北大阪急行線に、天神橋筋六丁目駅で阪急線に、長田駅で近鉄線に直通する定期券がこの例に該当する。
  7. ^ 定期券利用による御堂筋・四つ橋線相互利用について - 大阪市交通局
  8. ^ 大阪市営地下鉄「1駅間100円に」 200円から半減を平松市長が指示 - 産経新聞、2010年8月23日。
  9. ^ 橋下市長“常識外”の一手 市営地下鉄民営化の議論前進狙い値下げ要請 - 産経MSN関西 2013年10月26日
  10. ^ 鉄輪式リニアモーターカーの鉄道は従来方式の鉄道に比べて急な勾配に対応できる。詳細はリニアモーターカーを参照。
  11. ^ 後継企業のアルナ車両になってからは新車の発注はないが、66系や一部の新20系の車体更新を受注
  12. ^ 2012年4月より東日本旅客鉄道傘下の総合車両製作所
  13. ^ 平成21年春 30000系車両デビュー 地下鉄 谷町線に新型車両を導入します」 大阪市交通局 2008年10月21日
  14. ^ ただし、2代目20系のように新型車の最初の配置が中央線、30000系では最初の配置が谷町線という例外もある。また、2代目20系は御堂筋線には投入されなかった。
  15. ^ 大阪市営地下鉄、累積赤字を解消 公営で全国初 職員減や業務効率化 - msn産経ニュース 2011年6月11日。
  16. ^ a b 大阪地下鉄の終電、最大30分延長 3月23日から - 日経電子版、2013年2月7日21:49配信、2013年2月8日閲覧
  17. ^ 広告代理店・大広博報堂DYグループ。以前は近鉄グループであった)子会社の大広メディアックスが制作する。車内ガイド放送とは|大広メディアックス。なお同公式サイト内にも車内ガイド放送利用状況表がPDFファイルで別途公開されているが、その表でのスポンサーは2か月ごとに変わっている。
  18. ^ ただし、乗り入れ先の北大阪急行・近鉄・阪急では懐中時計と運行スタフを使用している
  19. ^ 市営地下鉄駅のトイレをリニューアルします!〜阿波座駅で第1号がオープン!〜 - 大阪市交通局 2013年2月12日
  20. ^ 駅トイレリニューアル情報 - 大阪市交通局2013年11月27日閲覧
  21. ^ 大阪市交通局『大阪市交通局百年史(本編)』2005年、p.735






英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

大阪市営地下鉄に関係した商品

辞書ショートカット

カテゴリ一覧

全て

ビジネス

業界用語

コンピュータ

電車

自動車・バイク

工学

建築・不動産

学問

文化

生活

ヘルスケア

趣味

スポーツ

生物

食品

人名

方言

辞書・百科事典

すべての辞書の索引

「大阪市営地下鉄」の関連用語

大阪市営地下鉄のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング

画像から探す




大阪市営地下鉄のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの大阪市営地下鉄 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2014 Weblio RSS