大豆油 性質

大豆油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/12 15:28 UTC 版)

性質

ヨウ素価124–139の半乾性油。淡黄色で脂肪酸組成はリノール酸約50%、オレイン酸20%強、パルミチン酸約10%、リノレン酸約10%、ステアリン酸約5%[3]。CAS登録番号は [8001-22-7] で、ケン化価は189–195、比重は0.916–0.922。精製大豆油の引火点は 328℃、発火点は 363℃であるが、低純度のものはこれらの温度が低下する。

製造法

大豆の採油は、古くから玉絞めに代表される低温圧搾法が用いられてきたが採油効率が低かった。このため破砕加工した大豆に溶剤(n-ヘキサン)を加えて脱脂する溶媒抽出法が開発されている。溶媒抽出法は、溶剤を使うため消費者から不安視されることがあるが、ヘキサンの沸点は69度前後であり、加熱の過程を経れば容易に除去できるため安全性は確保されている[4]

用途

安価で色や匂いが少ないため、天ぷら油やサラダ油に適している。家庭用の調理油には安定性を高めるため菜種油やコーン油クエン酸などの酸化防止剤が添加されている。また、比較的良好なエマルションを形成するため、マヨネーズドレッシングの原料としても用いられる。水素添加により自在に硬化油が得られるため、マーガリンショートニングの原料としても重要である。

食用以外では、合成樹脂、塗料、石鹸、リノリウムなどの工業製品[3]のほか、透明性の高さを活かし、1985年頃から大豆インキとしても使用されている。精製過程で除去されたリン脂質大豆レシチンとして健康食品に加工される。

参考文献

  • 藤田哲『食用油脂 その利用と油脂食品』幸書房、2000年4月。ISBN 4-7821-0173-2 

関連項目


  1. ^ USDA National Nutrient Database for Standard Reference, Legacy Release”. Ag Data Commons. U.S. Department of Agriculture. 2023年5月10日閲覧。
  2. ^ 植物油の道 − 植物油の生産から消費まで”. 植物油の基礎知識. 日本植物油協会. 2012年3月12日閲覧。
  3. ^ a b 化学工業日報社『15710の化学商品』化学工業日報社、2010年1月、1379頁。ISBN 978-4-87326-562-9 
  4. ^ 横山勉 (2013年5月27日). “脱脂大豆は“ダイズカス”に非ず”. FoodWatchJapan. 香雪社. 2017年12月5日閲覧。


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