夜行列車
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アジアの夜行列車
インドや中華人民共和国などの国土が広大な発展途上国では、現在でも鉄道輸送の占めるシェアは大きく、多くの夜行列車が運行されている。国土が広大であるため、3 - 4日間をかけて運行するものも目立つ。なおインドでも格安航空会社との競争が激しくなってきているが、貧富の差が激しいこともあり廉価な夜行列車の需要が大きい。
韓国では、主要幹線に夜行のムグンファ号が運行されている。国土面積の関係で国内移動の際の移動距離が概ね500km以内であり、運転時間が短く終着駅には3時台に到着する為、座席車が主体である。なお、近年まで寝台車を連結した列車が存在したが、昼行列車の高速化に伴って需要が減少したため、一部の特設列車を除いて全廃されている。
中国の場合、高速鉄道網の整備や経済成長に伴う空港や高速道路の急速な整備による高速バスや格安航空会社などとの競争もあるものの、経済成長とそれを背景にした出稼ぎの増加で夜行列車の本数は増え続けている[60]。 世界で唯一、定期的に（毎週金・土・日・月）に高速鉄道での夜行列車運行を行っている。北京西・深圳東間ではCRH2E型寝台列車で毎週金・土・日・月に毎晩4往復運行されており、2400kmを最短11時間[61]で結ぶ。北京市と広東省珠海市、湛江市、雲南省昆明市との間でもCRH2E型による寝台列車が運行されている。また、上海市と広東省深圳市佛山市・珠海市の間ではCRH1E型寝台列車が運行されている。
中華民国（台湾）では2000年代半ばまでは、西部幹線に夜行列車が1日3往復、東部幹線莒光号でも1日1往復運転されていたが、台湾高速鉄道の開業や普悠瑪号の運転開始等で昼行列車がスピードアップされた為現在では東部幹線に週末のみの運転となっている[62][63]。
東南アジア各国でも夜行列車が運転されているが、高速道路網の整備が進んでいるタイやマレーシアでは、高速道路を利用する高速バスが便数、所要時間において有利に立っている。南北に国土が長いベトナムでは、現在の東南アジアの定期列車では他に例のない[注釈 20]始発駅から終着駅まで2泊3日を要する列車や、同じく途中で国境を越える国際列車としては唯一の[注釈 21]夜行列車（ベトナム国内ではMR1/2列車）が存在する。また島国のインドネシアやフィリピンでは、鉄道網が脆弱なこともあり夜行列車のシェアは少ない。さらにこれらの国において近年ではエアアジアやタイガーエア、ノックエアやセブパシフィックなどの格安航空会社との競争にもさらされている。
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インド国鉄の夜行列車ラージダーニー急行で提供される朝食。この列車の乗客には食事は無料で提供される。 -
DL7300牽引のムグンファ号 -
中国の2階建て寝台客車 -
北京西駅を発車するCRH2E型寝台列車 -
CRH2E型寝台列車の内装
注釈
- ^ 例えば1889年（明治22年）に東海道本線が全通したときの新橋駅と神戸駅間の直通列車は、20時間5分を要した[6]。また、1891年（明治24年）に全通した日本鉄道の上野駅 - 青森駅間（その後は国有化され東北本線となった）の直通列車は20時間45分かかった[7]。
- ^ なお、同時期の特急はこの2本と東京駅 - 大阪駅間の「燕」と「鷗」のみでいずれも昼行であった。他に、当時は外地であった朝鮮総督府鉄道（鮮鉄）釜山駅 - 京城駅（現：ソウル駅）間運行の「あかつき」と、日本の資本・影響下にあった南満洲鉄道（満鉄）の「あじあ」（大連駅 - 哈爾浜駅間）が「特別急行列車」という扱いであった（特別急行列車も参照のこと）。
- ^ 正確には、九州直通の急行列車であった「霧島」や「高千穂」が東海道本線内は昼行運転、山陽本線内では夜行運転となった。
- ^ 事例として、東京駅 - 明石駅駅間を往復する「きぼう」が挙げられる。「修学旅行列車」も参照。
- ^ 「カシオペア」車両を使用して2016年6月より運行されている団体臨時列車は、この両線と道南いさりび鉄道（旧・江差線）を経由する。
- ^ 2016年4月からは肥薩おれんじ鉄道と合意の上で同線経由での運転を実施している。
- ^ 新型コロナウイルス感染症の流行により2020年春季以降は運行休止となり、運行再開することなく2021年1月に廃止が発表された。
- ^ 列車自体は新宮駅からさらに運行されて名古屋駅発着（1959年の紀勢本線全通後）であったが、南海難波駅発着の客車（1両のみ製造された南海サハ4801形客車又は国鉄の客車）は新宮駅で増解結していた。紀勢本線#夜行普通列車も参照。
- ^ ただし、難波行は1961年3月1日改正で廃止され[31]、以後は片道運行。
- ^ かつては多客期に高松 - 松山間を延長運転していたことがあった。現在は、東京発下りの週末の多客期に琴平まで延長運転されている。
- ^ 時期により行先が異なる。
- ^ 但し、通常の列車とは異なり乗降駅の制限あり（詳細は当該記事参照）。
- ^ 元町・中華街、新木場 始発で運転することがある。
- ^ 料金制度上は座席車扱いながら、横臥可能な設備が供される。
- ^ 宇高連絡船の深夜便に接続するため、新大阪駅行きの宇野駅発は1時台、新大阪駅からの宇野駅着は2時台という時間設定であった[41]。
- ^ 寝台特急「あけぼの」の「ゴロンとレディース」や、ムーンライトえちごとムーンライト信州に設定された「レディースカー」など、なお「はまなす」は自由席以外の寝台をふくむすべての席種に女性専用席を設けていた。
- ^ 「あけぼの」の「ゴロンとシート」や、「サンライズ瀬戸・出雲」の「ノビノビ座席」、そして「はまなす」の「のびのびカーペットカー」など。
- ^ 津軽鉄道での企画も元いすみ鉄道社長の鳥塚亮（2019年9月にえちごトキめき鉄道社長に就任）の提案によるものである[56]。
- ^ その他パリ－ミュンヘン、ウィーン、バルセロナ等間に夜行列車が2000年代まで設定されていたが、現在では廃止されている。
- ^ イースタン＆オリエンタル・エクスプレスなどの観光列車を除く。
- ^ 厳密には、タイのバンコクとマレーシア側の国境駅のパダン・ブサール駅を結ぶ夜行列車がタイ - マレーシア国境を越えるが、この列車は国境駅を始発・終着駅としており、出入国審査も列車乗車前（下車後）に行う[64]。また、イースタン＆オリエンタル・エクスプレスなどの観光列車は除く。
- ^ ただし、シカゴよりセントルイス、ダラス、サンアントニオ経由でロサンゼルスに至るテキサス・イーグル号は遠回りで運転区間が長いため3泊4日かかる。
出典
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- ^ a b “なぜ消えた？ 夜行列車が衰退した理由 毎日運転は2本だけ”. 乗りものニュース. (2018年6月22日) 2019年5月18日閲覧。
- ^ 『これでいいのか 夜行列車』p.143、p.200
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- ^ 『これでいいのか 夜行列車』p.20
- ^ 『日本の鉄道史セミナー』p.83
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- ^ 『日本の国鉄』p.41
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- ^ 『国鉄・JR名列車ハンドブック』p.71
- ^ 『寝台急行「銀河」物語』pp.81-83
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- ^ 『寝台急行「銀河」物語』p.45
- ^ 「国鉄の戦後が分かる本」下巻 P44
- ^ 『国鉄の戦後が分かる本』下巻 p.89
- ^ Business Media 誠：杉山淳一の時事日想：夜行列車はなぜ誕生し、衰退したのか（2013年11月8日）
- ^ 参考：参議院運輸委員会会議録（1979年6月5日）[1]
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- ^ 豪華寝台列車：「ななつ星in九州」車両製作場を開設
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- ^ 表定速度は100km/h以下、東京オリンピック2020の「夜行新幹線」…深夜新幹線は国鉄時代にも例 - Response・2021年7月1日
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- ^ 『北米大陸鉄道の旅』P201
- ^ 『北米大陸鉄道の旅』P211
「夜行列車」の続きの解説一覧
- 1 夜行列車とは
- 2 夜行列車の概要
- 3 アジアの夜行列車
- 4 アフリカの夜行列車
- 5 参考文献
- 6 関連項目
夜行列車と同じ種類の言葉
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