地球史年表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 02:26 UTC 版)
新生代(約6500万年前 - 現代)
約6500万年前 - 1000万年前
- 約5500万年前に現れたアダピス類が初期の霊長類と考えられている。これより前の約7000万年前に北米に出現したプレシアダピス類のプルガトリウスを最古とする考え方もある。
- 霊長目でビタミンC合成能力が失われたのは約6300万年前であり、直鼻猿亜目(合成能力なし)と曲鼻猿亜目(合成能力あり)の分岐が起こったのとほぼ同時である。ビタミンC合成能力を失った直鼻猿亜目にはメガネザル下目や真猿下目(サル、類人猿、ヒト)を含んでいる。ビタミンC合成能力を有する曲鼻猿亜目には、マダガスカルに生息するキツネザルなどが含まれる[26]。
- 5500万年前 - 暁新世・始新世境界で突発的温暖化事件(en:Paleocene–Eocene Thermal Maximum)が発生し、新生代では最も高温の時代になった(始新世温暖化極大・始新世高温期)。その原因として1500Gtのメタンハイドレートの融解などの温暖化ガスの大量放出があり、地表5-7℃の気温上昇の温暖化が起こった[27]。
- 4500万年前 - インド亜大陸が北上を続け、ユーラシア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈を形成
- 約4000万年前 - 南極大陸で氷河の形成がはじまり、徐々に寒冷化。
- 4000万年前 - 3000万年前
- 真猿下目の狭鼻下目(旧世界ザル)と広鼻下目(新世界ザル)が分岐した。一説では、当時のアフリカ大陸で大きな洪水が起こり、倒れて流された大木に乗った真猿下目のサルが当時それ程広がっていなかった大西洋を越えて南アメリカにたどり着いて広鼻下目の祖先となった[28]。
- 3000万年前
- 2800万年から2400万年前
- 狭鼻下目のヒト上科(テナガザル、オランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ヒトの共通祖先)がオナガザル上科から分岐し[29][30]、同時にヒト上科で尿酸を分解する尿酸オキシダーゼ活性が消失した[31]。尿酸が直鼻猿亜目で合成能が失われたビタミンCの抗酸化物質としての部分的な代用となった[32]。
- 2500万年前 - 最古の類人猿と思われる化石?
- 約2500万年前 - アルプス・ヒマラヤ地帯などで山脈の形成がはじまる。
- テチス海が消滅し、造山運動により隆起。→ 新第三紀、Geology of the Himalaya
- 約1800万年前 - 1700万年前のウマの化石が岐阜県可児市で1961年と1971年に発見されていた。「アンキテリウム属」の1種で、和名「ヒラマキウマ」という。日本最古とされていたが、アジアでも最古級であることが分かった。
- 1600万年前頃 - 大和三山の内の畝傍山や耳成山、また二上山もこの頃火山活動していた。
- 約1400万年前 - ヒト科がヒト亜科とオランウータン亜科に分岐したと推定されている[36]。
- 1300万年前 - この頃からヨーロッパ、南アジア、東アジアなどユーラシア各地にも類人猿の化石が現れる。
- 約1160万年前 - 最後の生物の大量絶滅。原因は不明だが、落下地点は不明ながら隕石によるものとの説が提起されている[37][38]。
1000万年前 - 100万年前
- 人類誕生に大きな影響を与えたとする説がある。
- 700万 - 600万年前 - 現在最古の人類化石は、中央アフリカ発見のサヘラントロプス・チャデンシスとされている。2002年に報告された[39]。
- 約440万年前 - 古琵琶湖の形成[40]。琵琶湖は世界で5番目に古い古代湖と考えられている[41]。
- 370万 - 100万年前 - アウストラロピテクス(猿人)
- 約200万年前[43] - フィリピン海プレートに乗って移動してきた伊豆半島が北アメリカプレートに衝突し、富士山や箱根などの噴火の引き金になった。
- 180万年前 - グルジアのクラ川下流の下カルトリ地方ドゥマニスィ(ドマニシ)で発見された化石は、ユーラシア最古の原人として知られる[44]。
- 180万 - 150万年前 - アフリカの地を脱してユーラシア大陸の熱帯・温帯に拡散したらしい[45]。
100万年前 - 10万年前
- 約78万年前 - 最新の地磁気の逆転。
- 地球磁場は10万 - 100万年ぐらいの不規則な周期で何度も逆転している。この頃の逆転が直近のものである(ブリュンヌ期、約78万年前 - 現在)。これより前の逆転は約250万年前(松山期、約250万 - 78万年前)。
- なお、松山期には数回の地磁気逆転イベントが存在する(約100万年前のハラミヨ亜期など)。
- 概ね70万年前頃
- この後、緩やかに寒冷化へと向かい、14万年前頃に氷期のピークとなった。
- 約20万 - 19万年前 - ホモ・サピエンス(現在のヒト)の出現。16±4万年前のミトコンドリア・イブの存在。
- アフリカに出現、10万年前頃にユーラシア大陸にも拡大したと考えられている。
- 台湾沖で新たな原人の化石見つかる。見つかったのは下あごの骨の右半分の化石。発見時期は不明だが、場所は台湾本島と澎湖諸島の間の海域[47][48]。
- 約15万年前 - マンモスがヨーロッパに現れた。
- 約14万年前 - 氷期(リス氷期)のピーク。
- この後、急速に温暖化へと向かった。
- 約13万 - 12万年前 - 温暖期のピーク。
- 現在よりも温暖であったと考えられている。この後、急速に寒冷化し、約11万年前頃から緩やかに上下を繰り返しながら徐々に氷期へと向かった。
- 約12万5千年前 - 初期のヒト属による火の利用
- 日常的に広範囲にわたって火が使われるようになったことを示す証拠が、約12万5千年前の遺跡から見つかっている[49]。
- 約10万年前 - マンモスはヨーロッパから北アメリカ大陸にまで生息分布を広げた。マンモスは寒冷な草原での生活に適応していた[50]。
10万年前 - 1万年前
- 約10万年前 - 現代人(ホモ・サピエンス)がアフリカを出て世界各地に拡がった(アフリカ単一起源説を裏付けるもの[51]。7万年前との説(後述)もある。ミトコンドリアDNAの分析では、現代人の共通祖先の分岐年代は14万3000年前±1万8000年である[52]。
- 8万1000年前 - 地球温暖化に伴う海面の急速な上昇が起こっていた。国際研究グループが、気候変動に伴う氷床の拡大、縮小は今まで考えられていたよりも急速に起きる可能性があると発表した[53]。
- 約7万3000年前 - スマトラ島のトバ火山の大噴火。スマトラ島のトバ湖はこの時の噴火によって形成されたカルデラ湖。
- ここ10万年ほどでは最大級の噴火とされ、地球の気温が数年間3 - 3.5度低下した。ヒトのDNAの解析によれば、7万年ほど前に人類の人口が1万人以下に激減し、遺伝的な多様性の多くが失われ現在の人類につながる種族のみが残った「ボトルネック効果(遺伝子多様性減少)」があったと考えられるが、これがトバ火山の大噴火に関連すると考えられている。→ トバ・カタストロフ理論
- 7万年前にヒトが衣服を着るようになり、ヒトに寄生するヒトジラミは7万年前に2つの亜種、主に毛髪に寄宿するアタマジラミと主に衣服に寄宿するコロモジラミに分岐した[54]。
- 7万年前のヒトの出アフリカ説[55]。
- 7万年前±1万3000年にヨーロッパ人と日本人の共通祖先が分岐[52]。
- 約5万年前 - クロマニョン人。
- 約5万年前 - 隕石の衝突でバリンジャー・クレーター(アメリカアリゾナ州)が形成される。
- 約4万年前 - オーストラリアに人類が渡島したのは4万2000年 - 4万5000年前である。また、オーストラリア最古の人骨の年代はおよそ4万5000年前である[56]。
- 約3万年前 - ネアンデルタール人がこの頃絶滅。
- 最古の洞窟壁画
- 現在知られている古いものでは、南フランスのショーヴェ洞窟壁画(約3万年前?)がある。また、ラスコー(約1万8000年 - 1万6000年前)、アルタミラ(約1万4000年 - 1万3000年前)など多くの洞窟壁画がある。
- 氷期の時代にベーリング海峡は地続きになっていた。この頃、ユーラシア大陸から無人のアメリカ大陸に人類が移り住んだと考えられている。約1万年前頃までには、南アメリカ大陸の南端地域まで到達した。→ アメリカ州の先住民族参照。
- 2万6500年前頃 - タウポ湖が大爆発を起こす(VEI8)。
- 2万5000年前頃 - 姶良火山が大爆発を起こす(VEI7)。
- 約2万年前 - ウルム氷期(最終氷期)のピーク。気温は年平均で7 - 8℃も下がった。そのため地球上で氷河が発達し、海水面が現在よりも100mから最大で130mほど低かったと考えられている(海水準変動を参照)。その後、温暖化と寒冷化の小さな波をうちながら、長期では徐々に温暖化に向かった。
- 約1万8000年前 - 日本海に津軽海峡を通って寒流である親潮が流入し、この影響で朝鮮海峡あるいは対馬海峡から表層水が流出した。
- 約1万6500年前 - 青森県外ヶ浜町にある大平山元I遺跡から土器、石器が出土している。AMS法による放射性炭素年代測定法の算定による。
- 約1万6000年前 - 東南アジアにあったとされるスンダランドが、海面上昇により徐々に後退。
- 海面の上昇により、他にも、アラスカとロシアの間にあるベーリング海峡(氷期には陸続きだった)の海没や、大陸と地続きだった日本も徐々に島化が進んだ。
- 約1万4000 - 約1万年前 - この頃までにヒトがイヌを飼い慣らしたと考えられている。
- 約1万3000年前 - 日本列島が大陸から完全に離れ、ほぼ今の形を整えたと考えられている。マイナス約60mの宗谷海峡が海水面下に没した。対馬暖流は一進一退を繰り返しながら日本海に流入していき、約1万から8千年前の間に、現在と同じような海洋環境になったと考えられている。
- 約1万3000 - 1万年前、温暖化が進行しつつあったが寒冷気候に戻った時期である。グリーンランドの氷河に彗星からの隕石が衝突したのが原因という説もある。北ヨーロッパなどでは「新ドリアス期」と呼ばれている。
- 約1万2000年前 - この頃は、こと座(七夕の織り姫星付近)が北極星だった。この頃アメリカ大陸に人類が移動したとされている[57]。
- 地球の歳差運動により、北極星は25,920年周期で変化している。
- 約1万2000年前 - ナイアガラ滝の形成がはじまる。
- 解凍した氷河の水で滝の形成がはじまった。初期の滝は現在より10kmほど下流にあり、年1mほどのペースで後退しながら現在の姿となった。
1万年前 - 現在
- 前5300年頃(calBC、暦年補正) - 鹿児島南方の鬼界カルデラで大噴火。
- 日本周辺でここ1万年間の火山活動の中では大規模なものとされている。 → テフラ参照。
- 約4000年前 - 地球上で最後まで生き残っていたマンモスの化石がロシア国内の北極海の島(ウランゲリ島)で見つかっている[60]。
- 前5000年 - 前3000年頃 - 完新世の気候最温暖期。
- 前3000年頃(5000年前)初期の文明が現れる。
- 人為による環境破壊が少しずつ表面化。
- 紀元前後 古代ローマ、漢などの古代帝国が出現。
- 中世は比較的温暖な時期だったとされる。 → 中世の温暖期。
- 14世紀半ば - 19世紀半ば - 小氷期とされる。
- 16世紀半ば - 17世紀初頭 - 太陽黒点の活動が低下(マウンダー極小期)。
- 最近のものでは、もっとも活動が低下した時期とされる。
- 1930年代 - 温暖期があった[61]。
- 20世紀 - 科学技術の発達、人口の爆発的増加(1980年頃から30年でおよそ30億人増加。2013年1月時点の米国勢調査局と国連データの推計によると70億8800万人。)世界大戦、環境破壊、地球温暖化や資源枯渇の懸念。
- 21世紀 - 新エネルギーの開発と実用化。IT、バイオ技術の発展。多極化する世界。
- 人新世
累代 | 代 | 紀[* 3] | 基底年代 Mya[* 4] |
---|---|---|---|
顕生代 | 新生代 | 66 | |
中生代 | 251.902 | ||
古生代 | 541 | ||
原生代 | 新原生代 | エディアカラン | 635 |
クライオジェニアン | 720 | ||
トニアン | 1000 | ||
中原生代 | ステニアン | 1200 | |
エクタシアン | 1400 | ||
カリミアン | 1600 | ||
古原生代 | スタテリアン | 1800 | |
オロシリアン | 2050 | ||
リィアキアン | 2300 | ||
シデリアン | 2500 | ||
太古代(始生代) | 新太古代 | 2800 | |
中太古代 | 3200 | ||
古太古代 | 3600 | ||
原太古代 | 4000 | ||
冥王代 | 4600 | ||
累代 | 代 | 紀 | 基底年代 Mya[* 3] |
---|---|---|---|
顕生代 | 新生代 | 第四紀 | 2.58 |
新第三紀 | 23.03 | ||
古第三紀 | 66 | ||
中生代 | 白亜紀 | 145 | |
ジュラ紀 | 201.3 | ||
三畳紀 | 251.902 | ||
古生代 | ペルム紀 | 298.9 | |
石炭紀 | 358.9 | ||
デボン紀 | 419.2 | ||
シルル紀 | 443.8 | ||
オルドビス紀 | 485.4 | ||
カンブリア紀 | 541 | ||
原生代 | 2500 | ||
太古代(始生代) | 4000 | ||
冥王代 | 4600 | ||
累代 | 代 | 紀 | 世 | 期 | 基底年代 Mya[* 3] |
---|---|---|---|---|---|
顕生代 | 新生代 | 第四紀 | 完新世 | メガラヤン | 0.0042 |
ノースグリッピアン | 0.0082 | ||||
グリーンランディアン | 0.0117 | ||||
更新世 | 後期更新世 | 0.129 | |||
チバニアン | 0.774 | ||||
カラブリアン | 1.8 | ||||
ジェラシアン | 2.58 | ||||
新第三紀 | 鮮新世 | ピアセンジアン | 3.6 | ||
ザンクリアン | 5.333 | ||||
中新世 | メッシニアン | 7.246 | |||
トートニアン | 11.63 | ||||
サーラバリアン | 13.82 | ||||
ランギアン | 15.97 | ||||
バーディガリアン | 20.44 | ||||
アキタニアン | 23.03 | ||||
古第三紀 | 漸新世 | チャッティアン | 27.82 | ||
ルペリアン | 33.9 | ||||
始新世 | プリアボニアン | 37.8 | |||
バートニアン | 41.2 | ||||
ルテシアン | 47.8 | ||||
ヤプレシアン | 56 | ||||
暁新世 | サネティアン | 59.2 | |||
セランディアン | 61.6 | ||||
ダニアン | 66 | ||||
中生代 | 251.902 | ||||
古生代 | 541 | ||||
原生代 | 2500 | ||||
太古代[* 4] | 4000 | ||||
冥王代 | 4600 | ||||
注釈
- ^ カナダ北西部のアカスタ片麻岩に含まれるジルコンのU-Pb(ウラン・鉛年代測定法)で、40.31億年である[8]。
出典
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- 1 地球史年表とは
- 2 地球史年表の概要
- 3 古生代(約5億7000万 - 約2億5000万年前)
- 4 中生代(約2億5000万 - 約6500万年前)
- 5 新生代(約6500万年前 - 現代)
- 6 脚注
- 地球史年表のページへのリンク